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アブルッツオのまちめぐり 
15 Novembre 2018

第3回
蘇るアブルッツォ州都
ラクイラ 

  
文・写真:阿左美 綾 

2009年4月6日未明の震災で大きな被害を受けたアブルッツォ州都ラクイラは震災後10年を控えて急速に修復作業が行われています。
歴史的建造物を丁寧に再現しながら、ライフラインをすべて地下にまとめるイタリア国内でも先進的な『スマートシティ』計画への取り組みなども進めており、旧市街では店や飲食店など次々オープンしています。来年の震災後10年に向けて目が離せません。

今回は州内外からの中距離バスが発着するコッレマッジョ・バスターミナルから旧市街の中央通りを進む順路でご紹介します。

●キリスト教史上初の『聖なる扉』 サンタ・マリア・ディ・コッレマッジョ聖堂
コッレマッジョ・バスターミナル上方の、白とバラ色の幾何学模様が美しい「サンタ・マリア・ディ・コッレマッジョ聖堂 Basilica Santa Maria di Collemaggio」も震災で内部が崩壊し、修復に長い年月がかかりました。

トップ写真:@サンタ・マリア・ディ・コッレマッジョ聖堂  
写真下:Aサンタ・マリア・ディ・コッレマッジョ聖堂 聖なる扉  
Bサンタ・マリア・ディ・コッレマッジョ聖堂 内部

聖母マリアのお告げを受けて1287年この教会の建設に取り掛かかった隠修士ピエトロ・ダ・モッローネは、1294年8月29日に第192代ローマ教皇チェレステイーノ5世(ケレスティヌス5世)としてここで戴冠し、「聖なる扉(ポルタ・サンタ)」を設けて聖年(ジュビレオ)の先駆けと称される「免罪の儀式ペルドナンツァ」を開始しました。

年に1度開かれる側面の扉をくぐった人は誰しも罪を許されるとした赦免の儀式ペルドナンツァは今年724回目となり、ユネスコ無形文化財に登録しようとの声が高まっています。

●町の中心 ドゥオーモ広場
サンタ・マリア・ディ・コッレマッジョ聖堂からヴィアーレ・ディ・コッレマッジョを進みヴィッラ・コムナーレ公園を回り込むと旧市街の中央通りコルソ・フェデリーコUに出ます。少し進み左手に広がるのがドゥオーモ広場です。奥行きのある広場にはよく似た2つの噴水があり、震災前には毎日市場が開かれていました。現在は時期によって市場やイベントなど様々な催しで賑わいを取り戻しつつあり、コッレマッジョ・バスターミナルまで続く地下トンネルも再開しました。

写真下:Cドゥオーモ広場   

広場の奥には聖堂が、左手にはフランス政府により修復されたサンタ・マリア・デル・スッフラジョ教会が見られます。広場近くのラクイラ名菓トローネ(ヌガー)の老舗フラテッリ・ヌルツィアのバールにはトローネのジェラートも。向かい側の食料品店にはアブルッツォ名産のチーズやパスタ、リキュールなどが並びます。

●復興と協調の象徴 サン・ベルナルディーノ聖堂
ドゥオーモ広場からコルソ・ヴィットリオ・エマヌエーレを進み、旧市街の4地区を分割する交差点で右折してヴィアS.ベルナルディーノを行くと、様式の違った柱からなる3階層に分かれた真っ白なファサードが眩しい「サン・ベルナルディーノ聖堂」が左手に見えます。

 写真下左:Dサン・ベルナルディーノ聖堂   写真下右:Eサン・ベルナルディーノ聖堂 天井

1444年ラクイラに着任したフランチェスコ会修道士シエナの聖ベルナルディーノは二派に分かれた市民間の争いを仲介し、病気で没した後もこの二派が不仲になるたび棺から血の滴が流れたと言い伝えられます。 2009年の震災後、国家文化遺産として復興作業が優先され、2015年5月に再開しました。

●イルミネーション鮮やかなフォンターナ・ルミノーサ
コルソ・ヴィットリオ・エマヌエーレに戻ると、その名の通り日没後色鮮やかにライトアップされる「Fontana Luminosa」輝く噴水が旧市街の前方に見通せます。噴水中央には二人の女性がコンカ(アブルッツォ独特の水瓶)を頭上に掲げたブロンズ像がそびえ立ちます。

写真上左:Fフォンターナ・ルミノーサ (日中)   写真上右:Gフォンターナ・ルミノーサ (夜)

●権力を誇示したスペイン城
フォンターナ・ルミノーサの側にある「スペイン城」は、1500年代中期にラクイラ住民たちの攻撃から自衛するためスペイン人により建設されました。四方が矢型となった城は堀で囲まれ、石造りの橋は固定されています。このデザインは当時スペインで人気のあったもので、設計者がスペイン国内の城の設計図と取り違えて送ってしまったという説も。

写真上左:Hスペイン城  写真上右:I レンツォ・ピアノ音楽ホール

城の入り口手前には、関西国際空港の設計などで知られる建築家レンツォ・ピアノ氏が震災後に手掛けたカラフルな木造の音楽ホールAuditorium di Renzo Pianoが見られます。

●「99噴射口の泉」は、『99のまち』ラクイラの社交場  
旧市街から少し離れますが、鉄道駅から車道に沿って右手に進み、左手のアーチを抜けると右手に広がるのが「99噴射口の泉Fontana delle 99 Cannelle」です。

ラクイラは、1200年代シチリア王フェデリーコ2世が周辺の99の集落をまとめて作ったので、99の教会、99の噴水、99の広場があるとの言い伝えがあります。

写真上左:J「99噴射口の泉」 全体  写真上右:K「99噴射口の泉」 一部  

それぞれの集落のための噴射口が1つずつ設置されたと言われる「99噴射口の泉」では、炊事や洗濯をしに来る人々の社交の場であったと言われます。泉の側には、震災前スペイン城内にあったアブルッツォ・ナショナルミュージアムが移設されています。

徒歩で回っても見どころの多いラクイラは、ローマからバスで2時間弱の近さです。脇道を入るとまだ修復工事の真っ最中ですが、州都がかつての栄華を取り戻す経過をぜひ見にいらしてください。


筆者プロフィール
阿左美 綾 (Asami Aya)
東京都在住。英語専門学校卒業後、15年間ホテルに勤務。その後派遣社員として働きながらF1パイロット ヤルノ・トゥルーリ氏の日本公式ファンクラブ運営参加をきっかけに2004年以来アブルッツォ州再訪を重ねる。
2015年より東京とアブルッツォを往復しながら Facebookページ『アブルッツォに行こう Andiamo in Abruzzo』などで情報発信を開始。(https://www.facebook.com/andiamoinabruzzo)
2016年3月ニュースレター『Abruzzo通信』創刊、vol.2より保坂優子氏と共同発行中。 (http://abruzzo-news.blog.jp)
現在、福島県須賀川市・アブルッツォ州キエーティ県ファーラ・フィリオールム・ペトリ都市間交流及び2019年ラクイラ震災後10年に向けたプロジェクト『L'aquila, con Te』を中心に活動中。


アブルッツオのまちめぐり データ  
 

■「ラクイラ L'aquila」  (ラクイラ県 Comune dell'Aquila)    
   

■交通アクセス

ローマ方面からラクイラ市内には、中距離路線バスの利用が便利です。
<バス>
Gaspari BusにてHotel Amiternum下車
・ローマ・フィウミチーノ空港より約2時間
・ローマ・ティブルティーナより約1時間15分
Gaspari Bus https://www.gasparionline.it

TUAにてコッレマッジョ・バスターミナル下車
・ローマ・ティブルティーナより約2時間
・ペスカーラより約1時間40〜50分
TUA
https://www.gasparionline.it
ama
http://www.ama.laquila.it

<列車> 
スルモーナより約1時間
ウンブリア州テルニより約2時間
Trenitalia
http://www.trenitalia.com
*鉄道駅ラクイラとコッレマッジョ・バスターミナルの間は路線バスamaの往復あり。

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