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アブルッツオのまちめぐり 
15 Settembre 2020

第8回
南イタリアを感じるまち 
ヴァスト

  
文: 保坂優子

アブルッツォ州のほぼ南端に位置するまち、ヴァスト。キエティ県で2番目の人口規模を誇るこの町は、ローマ史以前からの歴史を持つとされる丘の上の旧市街エリアと、漁船や貨物船が行き来する港やビーチリゾートが楽しめる海辺エリアを有します。ラジオからは南接するモリーゼ州のFMが流れ、アブルッツォにいながら少し南イタリアを感じさせます。公共交通でのアクセスも比較的容易で、自然・美食・街歩きなど魅力要素もたっぷりです。

トップ写真:@アドリア海ならではの「海から昇る朝日」  
写真下左:A旧市街からヴァストの海岸線を望む 写真下右:B旧市街、路地の奥には海が見える  

●アドリア海ならではの「海から昇る朝日」
イタリアの地中海側と言えばナポリやアマルフィ、チンクエテッレなど風光明媚な人気の海辺の町が名を連ね、アドリア海側はどうしてもその影にひそみがちです。ですが、このアドリア海側で見てほしい特別な風景が「海から昇る朝日」です。太陽が空の色を変えながら水平線の彼方からゆっくりと昇ってくる様は圧巻で、早朝から漁をする小さな漁船がまた独特の風情を演出してくれます。

写真下左:Cアドリア海から眺める朝日     写真下右:D朝焼けの海

海沿いには朝日を楽しめる宿泊施設も点在していますので、余裕があれば、是非連泊して毎日違った表情を見せてくれる朝の風景を楽しんでいただくのがお勧めです。

●伝統的な海岸風景や自然を満喫
ヴァストの海岸沿いはこの地域に残る伝統漁の小屋「トラボッコ(複数でトラボッキ)」が多く点在しており、アドリア海沿岸南部特有の風景を作り出しています。

写真下:Eトラボッキが並ぶ砂浜

また、イタリアで2番目に高い「プンタ・ペンナ灯台 Faro di Punta Penna」があるヴァスト港の北側一帯は海岸線を中心に「プンタ・アデルチ自然保護区域 Riserva Naturale di Punta Aderci」 に指定されており、透明度の高い砂浜や自生植物に加え、伝統的な農業景観としてオリーブ畑やぶどう畑なども保護されています。プンタ・アデルチの岬には遊歩道があり、徒歩や自転車で岬の先端まで行けるようになっています。現在、オルトーナからヴァストにかけて海沿いの廃線を活用した自転車・歩行者専用道の整備も進んでいます。

写真下左:F「プンタ・アデルチ自然保護区」の遊歩道          写真下右:Gプンタ・ペンナ灯台

●旧市街は海の絶景ポイントが沢山
旧市街へは鉄道駅「Vasto-S.Salvo」駅を巡回する路線バスでアクセスすることができます。バスを降り、16世紀に作られたPorta nuovaのアーチから旧市街へ入り、まずは「カルドレスコ城Castello Caldoresco」を目指し、赴くままにまち歩きを楽しみます。時々細い路地の先に真っ青な海が見え、光と影のコントラストに目を奪われます。 カルドレスコ城は1439年、当時の領主ジャコモ・カルドラによって建てられたもの(現在私有地)、そこから東に抜けるパルマ通りは旧市街のメイン通りで、店舗が並び、聖ジュセッペ聖堂やダヴォロス邸市民博物館へと誘います。   

写真下:Hカルドレスコ城 

博物館を抜けさらに進むと、一気に視界が開けアドリア海と沿岸部の町並みが一望できる旧市街で一番の絶景ポイントに辿り着きます。ここはローマ時代の浴場遺跡やファサードだけが残ったロマネスク教会の遺跡なども残っており、長い歴史を持つ町の移り変わりを最も感じられる場所でもあります。
写真上左Iロマネスク教会のファサードが残るサン・ピエトロ広場   写真上右:J旧市街からの眺め  

●丘の幸、海の幸を味わえる美食の町
丘と海に発展したヴァストはその食文化も多様です。代表的な特産品には、スローフードにも認定されている「ヴァスト風ヴェントリチーナ Ventoricina del vastese」と呼ばれるサラミがあります。地元のパプリカや香辛料を使った楕円状の赤いサラミで、3ヶ月以上熟成させ独特の風味と辛味を持つのが特徴です。

写真下左:K「ヴァスト風ヴェントリチーナ」  写真下右:L新鮮な魚介を使ったリゾット

また、海辺では漁師たちが食べていたとされる魚のスープ「ヴァスト風ブロデットBrodetto alla vastese」がよく知られています。旧市街には肉と魚、両方の郷土料理が味わえるレストランが点在し、アットホームな雰囲気の中で、定番の郷土に加え旬の地元食材を使った料理が味わえます。


筆者プロフィール
保坂優子(ほさかゆうこ)
大阪在住の都市計画コンサルタント。2002年、イタリアの暮らしにどっぷり浸りたいとアブルッツォ州に1年間留学。以降、毎年アブルッツォで休暇を過ごしている。2009年のラクイラ地震を機にアブルッツォ州紹介サイト「Abruzzo piu’」 http://abruzzo.jp/index.htmlを立ち上げる。2016年4月から「アブルッツォ通信」の共同発行者として、独自イベントの開催やPRツールの作成、コラムの寄稿などアブルッツォ州のプロモーションにも携わる。
http://abruzzo-news.blog.jp/


アブルッツオのまちめぐり データ  
 

■ヴァスト Vasto  (キエーティ県 Provincia di Chieti)  

■交通アクセス
<鉄道>
ペスカーラ中央駅から約30分-1時間
https://www.trenitalia.com/
<市内路線バス>
Vasto-S.salvo駅から旧市街へはLine1,Line4を、Punta Aderciから旧市街へはLinea3
http://www.sattessitore.it/

■ダヴォロス邸市民博物館  Musei Palazzo d’Avalos
考古学博物館、民族衣装博物館、絵画館、ギャラリーが併設
住所:P.zza Lucio Valerio Pudente 5 Vasto (CH)
電話:0873-367773
開館時間:
・1月2日-6月15日、10月1日-12月31日
火-木10.00-12.00、金16.00-19.00
土日祝 10.00-13.00, 16.00-19.00
・6月16日-6月30日
火-日 10.00-13.00, 18.00-22.00
・7月1日-8月31日
毎日  10.00-13, 18.00-24.00
・9月1日-30日
火-日  10.00-13.00, 17.00-21.00
休館日:7・8月以外の月曜、1月1日、12月25日
http://www.museipalazzodavalos.it/

注:訪問にあたっては、開館の有無、開館時間などをお確かめください。
写真クレジット:FDaniela Taraborrelli | Dreamstime.com   GKwikipedia

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