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イタリア・アグリツーリズモ読本
15 giugno 2006

第1回 「田園」で過ごすバカンス
竹川佳須美


   
アグリツーリズモという言葉を耳にするようになってから、随分時間がたちました。メディアにも数多く取り上げられ、ネット上にも体験記や紹介記事が増えています。
ではアグリツーリズモは、私達がイタリア旅行の際に誰でも選べる選択肢の一つになったのでしょうか?
残念ながらそうとは言えません。
それは何故なのか、あれほどイタリアやヨーロッパの人たちに人気のあるアグリツーリズモを、どうすれば私たちも楽しむことが出来るのか、そもそもアグリツーリズモとは何なのか…
これからそんなお話を進めていきたいと思います。

●アグリツーリズモは農家民宿?
あるとき、中高年女性のグループリーダーの方が、「農家民宿で農業体験をしたい…」と連絡してきました。
アグリツーリズモは確かに日本語にすると農家民宿となりますが、日本の民宿とは少し、いや大分違う。またその女性が"農業体験"としてイメージしているアグリツーリズモ滞在時の過ごし方も、実際とはかなり違うのです。

●田舎の持つ大きな価値
アグリツーリズモに泊まる人たちは、非常に重厚で立派な建物の、予想以上に古びた貫禄に驚かれるかもしれません(敷地内に礼拝堂が残っていたり・・・)。そのような建物は何百年もの時を経ており、当時の雰囲気をとどめるように、丁寧に修復されています。

農園を取り囲む自然も負けてはいません。先日プーリアのツアーに参加された方は、レッチェなどの歴史ある街でも、オリーブ畑の中の農園でも同様に、『自分がまるで絵の中にいるようだ』とおっしゃっていました。
トスカーナの田園地帯であれば、この感慨は一層強いのではないでしょうか。農園の周囲には、まさにルネッサンス絵画の背景のような景色が広がっているのですから。

つまり、アグリツーリズモは単なる豊かな自然の中にある農家ではなく、そこには歴史が作ってきた伝統と美と文化が、色濃く息づいているのです。古いものを大切に守り育て、受け継いでいくことに誇りと愛情を持っているイタリア人魂が、今日田園において花開いたものがアグリツーリズモだと、私は思っています。
1960年代に農家の主婦が始めた"民宿"が、80年代の法整備を経て、これだけの数と厚みをもつ宿泊設備になった…イタリアの含み資産の豊かさと、それを生かす知恵と感性にも脱帽です。

●田園で過ごすバカンス
日本ではまとめて休みをとりにくいこともありますが、どうも忙しく時間を"消化"するような休暇になりがちです。一方イタリアでは、一箇所に長期滞在し、何もしないことがバカンスです。
加えてイタリア人は自然が、田舎が大好きです。昔から彼らは日常的には都市に暮らしながら、休日には田舎のセカンドハウスでゆったりと過ごすのを好んだとか。この嗜好(習慣)はルネッサンスの貴族のみならず、ローマ時代にまでさかのぼると言います。

ですからアグリツーリズモは当初、キッチンとバスルームがついたアパート(=コンドミニアム)タイプが主流で、貸し出し期間も一週間が基本でした(今は大分変わってきましたが)。つまり田舎の別荘でゆったりと時間を過ごす、これがアグリツーリズモの基本コンセプトなのです。

イタリアでは、農業体験を謳っているアグリツーリズモは、特別にイベントとして行う場合は別として、ほとんどありません。通常体験型で出来るのは、お料理教室や乗馬など。またトレッキングやサイクリング、近郊の小都市ツアーなどをアクティビティーとして挙げているところも多いようです。ほとんどのところでプールを備えていることを見ても、アグリツーリズモが持つ性格がわかります。

このようにアグリツーリズモとは、日本には無いタイプの田園のバカンス施設であり、日本には無いバカンスのスタイルを言うのだということを、まず頭の隅に置いていただきたいと思います。 (次回は実際にトスカーナのアグリツーリズモに滞在するお話でも・・・)

◆アグリツーリズモベストコース(1) ローマ近郊6泊8日
アグリツーリズモの雰囲気を気軽に味わいたい方向け。ローマの空港からタクシーで15分の宿で郷土料理を堪能しましょう。お部屋はB&Bでかわいらしいカントリータイプから、重厚なものまで数タイプ。ハネムーナーにもおすすめです。
@ローマ着/アグリ泊A古代ローマの都市オスティア・アンティーカ見学。アグリ泊Bサイクリング、乗馬体験など。アグリ泊C〜Eローマ滞在。ローマ泊 ※参考 http://www.invia.jp/box/box.htm#7

著者プロフィール
竹川 佳須美(たけかわ かすみ)

イタリア好きが高じてイタリア旅行専門店を開業、いつの間にか5年がたちました。個人やグループの方を対象に、個性的でわがままな旅のお手伝いをすべく、プランニングから手配まできめ細かな対応を心がけています。当初からアグリツーリズモに注目、一人旅、ハネムーナー、ご家族ずれ、スケッチ旅行グループなど、多くの方にイタリアの田園の素晴らしさを体験していただいています。五月はプーリア州オストゥーニ近郊の農園に滞在、カモミールが群生するオリーブの木立の間の散歩を楽しんできました。
(有)イン・ヴィア代表取締役。サイトは http://www.invia.jp


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