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アスティへようこそ! Benvenuti ad Asti
15 Marzo 2014

 第4回 ぶどう畑広がるコスティリオーレ・ド・アスティ を訪ねて


  高梨真江 



●Ben riva’ a Custiole ! − 「コスティリオーレへようこそ!」
アスティから路線バスに揺られ、ぶどう畑広がる丘の町へ。乗客と運転手が心置きなく方言でおしゃべりする車内は、まさに「ピエモンテ弁ワールド」に触れる格好のチャンス! タナロ川を越え、車窓右手にアルプスの山並みを眺めながら約30分。大きな城が見えて来たら、今回の目的地コスティリオーレ・ド・アスティCostigliole d'Asti 到着です。暑い季節は涼しい朝のうちに訪ね、午後はアスティ観光も良いでしょう。
(注: Ben riva’ a Custiole! − ピエモンテ弁で、「コスティリオーレへようこそ!」)
 
トップ写真:@見渡す限り広がるぶどう畑:「レペルゴ Repergo」経由バス便で車窓に広がる絶景
写真下左Aぶどう畑と城遠景:谷の向こうにたたずむ、大きなコスティリオーレ城  
写真下右:B見晴らし台の脇:斜面を下って、散策スタート!


「斜面(costa)のシナノキ(tiglio)」に由来すると言われるコスティリオーレ。天気の良い日はぶどう畑の目の前に停車する「チミテーロ Cimitero(墓地)」で下車し、アスティからの街道と並行する歩道を少し戻って、右手に見える2本の大木の下にある見晴らし台を目指しましょう。ここにはピクニックテーブルもあるので、右手奥に見えるアルプスの山並みやモンビーゾ Monviso山の尖った頂を見渡しながら、持参した朝食やランチを広げるのもおススメです。

●ぶどう畑の散策スタート!
さて、一息ついたらすぐ左脇の坂を下って、ぶどう畑の散策スタート!街道と城とを結ぶこの小道は「ストラーダ・レアーレ Strada Reale(王の道)」と呼ばれ、かつては人々が馬や牛を引いて歩いた生活道路でした。突き当りを左折すると、途中から右手にヘーゼルナッツの林が。9月に入ると、自然落下したその実が周囲を覆う様子が見られるでしょう。正面にも広がるヘーゼルナッツの林を左折し、斜面を少し上って今度は右斜め前に向かいます。しばらく登ったところで、右手の「ぶどう並木の間隔が広い小道」へ進みましょう。    

写真下左Cぶどう並木がつづく   写真下右D地面から四方に枝を広げるヘーゼルナッツ


ここは、主に醸造され赤ワインになる「バルベーラ Barbera」品種のぶどう畑。その実が緑から青みがかった紫に色付き始めるのは、例年8月の後半に入ってから。畑は私有地ですので、中まで入ることなく!また、ぶどうの実は風雨などから防御するために自らを蝋粉(ろうこ)と呼ばれる白い粉で覆っているので、決して触れないようにお願いします!    

写真下左Eぶどうの成熟と天候を見計らい、収穫作業が進められる   写真下右F青紫のぶどう:収獲間近の色付いたぶどう   


ぶどう並木を間近に見ながら散策を続けると、左前方に塀で囲まれた墓地が。その裏手を抜け、二股に分かれる道を右に下りながら進むと、やがて水場小屋が現れます。その後道なりに舗装道路へ出るので、なだらかな坂を上りながらカーブを右に、商店街(Via Roma)へとつづきます。その手前、左にある駐車場Piazza Medici del Vascello(通称:ピアッツァ・メディチ)奥には、コスティリオーレ終点のバス停が。帰路の乗車は、ここからです。

駐車場向かいにある「カッフェテリア・デル・ペーゾ Caffeteria del Peso」の名は、収穫後のぶどうを山と積んだトラックがやって来て店の前に敷かれた大きな鉄板の上で重量を計っていた「公共の秤」に由来。現役を退いた今も、店内に大きな計量機が残っています。

●歴史ある城の中では最先端調理設備の料理学校も
町のシンボルであるコスティリオーレ城が初めて文献に登場するのは1041年と言いますから、その歴史はおよそ千年。戦いのために補強を繰り返し、どっしりと構える現在の姿は実に印象的です。

写真下左G町のシンボル、コスティリオーレ城   写真下右Hロッカ地区航空写真: 城を中心に発展した旧市街
(写真提供:Sig. Bello Franco)  


外観からはとても想像できませんが、その内部は最新調理設備を揃えた外国人のためのイタリア料理研修機関「Italian Culinary Institute for Foreigners (通称:イチフ ICIF)」として利用され、本場の味を学びに世界中からやって来る若き料理人たちが日々腕を磨いています。また、その階上は週末を中心に結婚式、展覧会やワインの試飲会場として一般公開されるので、建設当時の古い装飾などを見て回ることもできるでしょう。

写真下左I城内:階上の広間が一般公開された様子(写真提供:Sig. Romagnolo Filippo)    
写真下右Jバール・ローマ: 店主に一声かけ、地下のワイン貯蔵庫へ  


商店街を背に城の左側に広がる「旧市街 ロッカ Rocca地区」は、急斜面を利用した階段状の住宅街。付近一帯は城の施設や使用人の住居として発展したことから、門番が城との往来に通った橋など残っています。また、中世時代の河原石で敷かれた趣ある路地など、撮影スポットとしてもおススメです。

●産地で楽しむ、ワインのイベント
商店街の中ほどにある町のワイン販売所「カンティーナ・コムナーレ Cantina Comunale」では一部試飲できるほか、地域のぶどう栽培についての展示スペースも。ここでは地元産を中心に200を超える「バルベーラ」品種の赤ワインなどが並ぶ大規模なお祭りも開かれ、産地で楽しめる興味深いイベントとして国内外から訪れる旅行者の姿も増えています。

写真下左K「カンティーナ・コムナーレ」: 同じぶどう品種から、様々な香りや味わいが広がる 
写真下右:L「ダ・マッダレーナ」: アニョロッティ作りに励む、マッダレーナさん  


●マンマの手作り「アニョロッティ・ダル・プリン」
城の足元に店を構える「Enoteca con cucina Caffe ROMA(通称:エノテカ・ローマ)」。近郊ロッカベラーノ産チーズの盛り合わせや、ラードや野菜などを重ね上から溶かしチーズをかけて雪山に見立てた「モンビーゾ」など、地域食材を生かした料理が楽しめます。地下のワイン貯蔵庫では、無造作に置かれた中から良いお土産が見つかるかもしれません。

また「Ristorante Pizzeria da Maddalena(通称:ダ・マッダレーナ)」は、ナポリから移り住んで35年になる一家の店。特産の肉厚パプリカに詰め物をした「イル・ペペローネ・ディ・ファルチータ Il peperone di farcita」などの前菜をはじめ、卵黄を多く練り込んだ細麺パスタ「タヤリン Tajarin」や、小さなラビオリ「アニョロッティ・ダル・プリン Agnolotti dal plin」などの家庭的な郷土料理が人気。夜には、窯焼きナポリ・ピッツァも。 散策の合間には、店内でゆったりくつろげる2軒の菓子店「ビスコ Bisco」「ドルチェ・ヴィータ Dolce Vita」がおススメ。周辺の丘陵地帯ランゲ特産の丸みを帯びたヘーゼルナッツ(トンダ・ジェンティーレ品種)を使った「トルタ・ディ・ノッチョーラ(ヘーゼルナッツのタルト)」は、わざわざ遠方から求めに来る客も多いそう。

写真下左Mローストの香ばしさ広がる、ヘーゼルナッツ菓子   写真下右:N教育農場「アルテミエレ」:自家製にこだわった蜂蜜製品等は、小さなサイズも    


●さらなる道草を楽しんで 商店街から約15分のところにあるピエモンテ州認定の教育農場「アルテミエレ Artemiele」では養蜂・養蚕など見学でき、ハチミツや手作り菓子などはお土産にも。旧市街を一望しながらの自然散策など、家族旅行にも最適です。

森やぶどう畑が共存し、実際は13もの地域から成る広大なコスティリオーレ。丘を渡る風を感じながら、スニーカーで歩くのにぴったりな田舎道。地域主催の散策会も開かれているので、土地の人と共にさらなる道草を楽しんではいかがでしょうか!

●絶景の記憶をお土産に
新緑、紅葉、雪景色、季節ごとに表情を変える美しいぶどう畑。アスティへの帰路は「レペルゴ Repergo」経由の便で、車窓に広がるぶどう畑の絶景(トップの写真)をさらにお楽しみください! それでは、Ciau ne-! (注: ピエモンテ弁で、「またねー!」)



アスティへようこそ!   著者プロフィール
高梨真江(Takanashi Masae)

個人旅行手配業を経て、2004年初渡伊。アスティ近郊の Costigliole d'Asti (コスティリオーレ・ド・アスティ) でひと夏を過ごし、ぶどう栽培・ワイン醸造「土地に根差して世界とつながる人々の暮らし」に、ひと目ぼれ。この地をもっと日本に紹介し案内したい夢を抱き、その後介護や通勤の合間を利用してイタリア語を独学。現在はアスティにて「地域振興を目的とした観光の講座」を受講し、その修了論文を書きながら畑を訪ね、土地の人にインタビューを重ねるなど「おもしろ地図」を広げる毎日。ある日突然「ひと目ぼれしました、よろしくお願いします!」とやって来た私を優しく受け入れてくれた地域の人々に感謝しながら、ピエモンテ弁交じりの冗談に笑い転げる今日この頃。 個人ブログ「Asti大好きーぶどうと共にある暮らし」 http://lavitaasti.exblog.jp/


データ

Dati

■コスティリオーレ・ド・アスティ Costigliole d’Astiへのアクセス
<路線バス>

ジェローゾバスGeloso Bus社(Tel:0141 823 213、月-金8-12、14-18。土曜は午前のみ) アスティ鉄道駅を出て、すぐの通りを右に入った広場 Piazza Med. d’Orの20・21番発着。
「Costigliole」または「Calosso(カロッソ)」行で約30分。「チミテーロ停留所」はリクエスト・ストップ。乗車券車内払い。日曜・祝日・夏季運休有。
広場に時刻表・発着ゲート番号の掲示はありますが、事前に電話で確認を。
時刻表閲覧:http://www.gelosobus.it 「Orali linee」内「Calosso-Asti(Repergo経由含む)

なお、Repergo経由は1日1便、約40分。進行方向右側がおススメ。車酔いにはご注意を。

「Strada Reale」
一般の地図に記載がありません。筆者の個人ブログ「Asti大好き−ぶどうと共にある暮らし」(http://lavitaasti.exblog.jp/)内、「Costigliole d’Asti」の項目から「散策マップ − Ben riva’ a Custiole!」を参照ください。
「Strada Reale」散策は約30分。省略する場合:コスティリオーレ終点で下車(同一運賃)。また、途中でぶどう畑の斜面を上がり切ると、アスティからの街道に戻る。歩道に沿って進みガソリン・スタンドの先にある交差点を右折、道なりに進むと商店街入り口につづく。

<タクシー、ハイヤー>
その他:アスティの駅前タクシー(第1回のデータ部分参照)、コスティリオーレのハイヤー(ヴァルターさん:340 0574 905、下記「ダ・マッダレーナ」内で代行手配も)

■インフォ・ポイント Info point(観光案内所)
Via Roma13 (入口は、Piazza Scottiとの角)、(0141 961 850)、
turismo@langamonferrato.it 月-水:14-18時、水は8-12:30も。

■主な観光名所 ・主なワインイベント 
コスティリオーレ城  Il castello

「Italian Culinary Institute for Foreigners(通称:イチフ ICIF)」(http://www.icif.com)の施設見学:8月、クリスマスシーズンを除く月~金、9-18時(約30分)。
1週間前までにメールで要予約。 ilaria.scalet@icif.com
展覧会などの情報は、「Costigliole internazionale」のFacebookページから

カンティーナ・コムナーレ Cantina comunale
Via Roma 5/9 (0141 961 661:開館時間のみ)
土曜(10-13、15-18)・日曜は午前中のみ、その他試飲会など不定期開館

主なワインの祭りと2014年の開催予定:「I castelli del Barbera」(4月26・27日)、「100% Costigliole」(5月16-18日)、「Barbera - il Gusto del Territorio」(10月31日-11月2日)。
詳細は、第一回掲載のアスティ観光局、またはコスティリオーレ役場ホームページから http://www.comune.costigliole.at.it/

■ショップ・リストラン・エノテカなど
カッフェッテリア・デル・ペーゾ Caffetteria del Peso

Piazza Medici del Vascello, 10、7-26時、水曜休

エノテカ・コン・クチーナ・カフェ・ローマ Enoteca con cucina Caffe ROMA
Piazza Umberto I, (0141 966 544)、火-土:8-15、17-22(日曜午前は、9:30-15:30)月・祝休、夏季・冬季休暇あり

リストランテ・ピッツェリア・ダ・マッダレーナ Ristorante Pizzeria da Maddalena Via Roma 43 (0141 966 374)、12:30-14:30、18:30-24(月曜は昼のみ)、夏季・冬季休暇あり

ビスコ BISCO 
Via Roma ,20 (0141 96 15 75)、7:45-12:30、14:30-19:30、日・木の午後と月曜休、夏季・冬季休暇あり

ドルチェ・ヴィータ Dolce Vita
Piazza Scotti, 3 (0141 966 679) 7:15-12:30、14:30-19:30(日曜午後は15-19)月曜休

アルテミエレ農場 Azienda agricola Artemiele
Strada Serra,4 (0141 96 68 76)、info@fattoriaartemiele.it
5-9月まで。ぶどうの収穫体験など、見学内容は季節による。6人以上のグループのみ、3-4時間程度。おとな(18歳以上)8ユーロ、こども6ユーロ。1週間前までに要予約。
商品購入のみ希望の場合も、事前に電話で連絡を。
※「カッフェテリア・デル・ペーゾ」右脇にある階段を下り、直進。突き当りを左折、進行方向右側ブランコのある広場脇を入って直進。二つ目の十字路を右折した左側。

地域主催の散策会情報は、「Costigliole culturale」のFacebookページから

※アスティへのアクセスなど一般情報は、第一回のデータ部分をご参照ください。  



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