JAPANITALY Travel On-line

イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line
ヴェネツイアのブラーノ島だより  
15 Novembre 2014

第2回  島内のおすすめ見所


 
写真・文 宮崎 亜矢子 



●傾き加減の微妙な「ブラーノ島の斜塔」
ヴェネツィアのフォンダメンテ・ノ−ベ FONDAMENTE NOVEからヴァポレット(水上バス)に乗りしばらく行くと、水平線に島影と、「?」と思わず首をかしげてしまう塔が見えてきます。「?」となってしまうのは、決してあなたの首が傾いているわけではなく、傾いているのは塔の方なのです。これが有名なピサの斜塔ならぬ、ブラーノ島の斜塔です。この鐘楼はブラーノ島の唯一のピアッツァであるガルッピ広場PIAZZA GALUPPIにあります。この広場は以前運河だったところを埋め立てて作られ、ブラーノ出身の有名な音楽家バルダッセロ・ガルッピBALDASSARE GALUPPIにちなんで命名されました。

トップ写真@これでもかっていうほどカラフルな家
写真下左Aヴェネツィア干潟から見た傾く鐘楼    写真下右B傾いた鐘楼のシルエットが夕焼けに映える

見上げる方向によっては今にも倒れそうで、ある美術史家の言によると、ピサの斜塔よりも傾きの度合いが強いそう。このままほっといてもいいのだろうかと、几帳面な日本人の性格からするとちょっとはらはらしながら見ているのですが、のんびりのブラーノ人たちは一向気にせず、「ああ、そうだね。ちょっと傾いてるね。子供の頃は登れたんだけどね」などと、いっそう怖くなるコメントをしてくれます。

写真下左C鐘楼:この角度が一番傾いて見えます     写真下右Dさりげない花鉢も見事

この鐘楼は17世紀に建てられた歴史のあるもので、高さは53mもあります。基底部は6.2m四方。ルネッサンスからネオクラシックのスタイルで建設されており、この小さな島になぜこんなに高い鐘楼を建てたのか不思議になるほどの堂々たる貫禄で聳え立っています。島の人たちは、島のどこにいても聞こえる、この鐘楼からの澄んだ鐘の音で時刻を知り、食事の用意をし、ミサに行き、子供を迎えに行き、または結婚式やお葬式のあることもこの鐘の音で知るのです。この鐘楼は普段は意識されること無くとも、島の人たちの生活に欠かせないものなのです。

●サンマルティーノ教会とバルバラ礼拝堂
この鐘楼の隣にあるサンマルティーノ教会CHIESA DI SAN MARTINO VESCOVO は16世紀頃にロンバルディア・バロックの今の形になりました。外見はいたって簡素な作りながら、内部にはティエポロGIAMBATTISTA TIEPOLOの絵画「十字架上のキリスト像LA CROCIFISSIONE」などがある豪華絢爛たるバロックです。

写真下左E豪華な教会内陣    写真下右F堅信式に家族親類一同集合

子供が生まれるとこの教会でBATTTESIMO(命名式)があり、CRESIMA(堅信式)があり、結婚式、お葬式までと、ブラーノ人たちの人生には欠かせない存在です。また、この教会には、数奇な運命をたどったロシアのイコン(聖画像)もあります。お隣の聖バルバラ礼拝堂CAPPELLA DI S, BARBARAには、かわいらしいレース編みの聖女も飾ってあります。カラフルな家並みだけに眼を奪われがちですが、この二つもぜひブラーノツアーの中に組み入れてください。

●広場でレース編みに興じるシニョーラ達
もう一つブラーノ島でしか見られない光景というのが、季節の良い時分に運河沿いのカンピエット(小さな広場)に椅子を出し、おしゃべりしながらレース編みに興じるシニョーラ達の姿です。レース編みはこの地の特産で、16世紀初頭に始まったものです。

写真下左G細かい作業の続くレース編み      写真下右H繊細な総模様  

伝説では海の妖精シレーネの誘惑に打ち勝った若い漁師が、信心深い彼へのご褒美として海の女王から海の水の動きから生まれたベールをうけとり、それを彼の若い花嫁に贈ったのがはじまりとか。その美しさを羨んだ島の若い女性達が、負けじと技術を競い合ってより美しいベールを作ろうとし、より細い糸と針を使ったため、現在のような繊細な編み方になったといわれます。

●レース博物館
島にはレース博物館MUSEO DEL MERLETTOもあり、19世紀に建設されたレース学校の建物がそのまま使われています。16世紀の貴重なレースなどが引き出し式のガラスケースにこれでもかというほど展示されていて、、小さいけれども見ごたえのある博物館です。またカンピエットのシニョーラたちに会えなくとも、この博物館の中でおば様方がここでもおしゃべりをしながらレースワークにいそしむのが見学できます。

写真下左Iメルレットの学校が今は「レース博物館」に   写真下右Jムラーノガラスの中にブラーノのメルレットが。ゴージャス! 

●若いアーティストによる「家のミニチュア」のお店
芸術作品といえば、もう一つこのお店。若い二人のブラーノ出身のアーティストが一つ一つ手作業で作っているのが、このミニチュア。ブラーノのカラフルな家をモチーフとして、こんなかわいい作品が店内いっぱいに展示されています。

写真下左Kブラーノのカラフルな家をデザイン   写真下右L絵付けにいそしむアーティスト。坂本龍一のファンだそう!  

レース編みは高価で手が出なくても、これならブラーノ島の思い出にぴったり。アーティストらしく気まぐれな二人のお店は、オープニングアワーもお休みもその時々によって変わりますが、あいているのを発見したら、気軽に「チャオ」といってお店に入ってみてください。きっとお気に入りのカラーのおうちが見つかることでしょう。
お店には名前すらついていないのですが、ヴァポレット(水上バス)の駅からピアッツァに向かって歩いていって、古い石橋を渡ったところにあるので、すぐわかります。定休日、オープニングアワーともに不定。ハイシーズンの5月から8月以外は午後からの営業となり、11月半ばから12月半ばまでは閉まっている可能性が高いです。これはブラーノのお店やレストラン全体にいえることで、この時期はカーニバルから始まる長いシーズンの営業を終えバカンスに行く店主が多くなります。

写真下M時折訪れる白鳥たちもブラーノ島のアトラクションの一つ!?  


この後ながーい冬がやってきますが、観光客が少なくなるこのシーズンに静かなブラーノ島を散策するのもまた夏場とは違った楽しみがあります。


ヴェネツイアのブラーノ島だより案内人プロフィール
宮崎 亜矢子(Miyazaki Ayako)

イタリア在住15年、ナポリ、ローマ、ミラノ、ヴェネツィアと流れ流れて行き着いた先が、ヴェネツィア人からも「ISOLA CHE NON C'E (存在しない島)」と呼ばれる、人口3000人を切る小さな漁師の島ブラーノ島。ヴェネツィアはサンマルコ広場の超有名ブランド宝飾店勤務から、島で唯一の魚屋の妻兼経理担当として、生粋のブラネッロらしく超のんびりな夫を叱咤激励しつつ、時に前掛けつけて売り場にも立つブラネッラに、華麗なる転身をとげました。元スチュワーデスとして世界中を旅行した経験を生かし、ホームステイのおっかさん役+個人旅アドバイザーとしても活躍中。21世紀とは思えぬゆるーい時間の流れる島の生活を、毎日更新のブログで綴ります。
B&Bサイト:http://ayaburano.web.fc2.com/   http://ameblo.jp/ayadiburano/ 


関連データ 
 

レース博物館 Museo del Merletto
Piazza Galuppi 187, 30142 Burano
Tel. +39 041 730034 Fax +39 041 735471
museo.merletto@fmcvenezia.it     http://museomerletto.visitmuve.it/
入場料 5ユーロ
開館時間
4月1日から10月31日: 10.00 - 18.00 (切符販売 10.00 - 17.30)
11月1日から3月31日: 10.00 - 17.00 (切符販売 10.00 - 16.30)
休業日:月曜日、12月25日、1月1日、5月1日

サンマルティーノ教会 CHIESA DI SAN MARTINO VESCOVO+聖バルバラ礼拝堂CAPPELLA DI S, BARBARA
開館時間: 8.00 - 12.00/15.00 - 19.00)


http://www.japanitalytravel.com
©  JAPANITALY.COM srl - MILANO 2000 All rights reserved.