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ヴァイオリンの町クレモナから
15 Marzo 2014

中編  クレモナ街歩き・歴史地区
Museo del Violino, Cremona



  安田恵美子



北イタリアにあるファッションの街ミラノと水の都ヴェネツィアとの丁度中間辺りに位置するクレモナは、のんびり歩いて観光するのに適した小さな街です。すぐ南を流れるポー川は人々の移動、物資の輸送に最適であったため、ローマ時代より交通要所として重要視され、常にミラノ、ヴェネツィア共和国を始めスペイン、フランス、オーストリア等外部の支配下に置かれてきました。街の気質は農民の気質でありながら、美術的に力の入った建物が多く見られるのも、こうした外部支配の影響によるものということができると思います。
 
写真トップ@クレモナのシンボル、レンガ造りの鐘楼「トラッツオ」からの市庁舎広場の眺め
写真上ABクレモナ市内の貴族の館


川辺の粘土質の土壌がレンガの材料として最適であったため、古代より盛んにレンガ造りが行われ、街の建築に用いられてきました。中心部には、中世に建てられたままの赤褐色のレンガ積みの公共建築や飾りレンガが施された貴族のお屋敷と、1930年代にファシズム政権下に建てられたモダニズム様式の建物が混在して一種独特の雰囲気を醸し出しています。

1.街を散策する
●大聖堂と市庁舎の向かい合う中心広場

街の「へそ」にあたるのは、ヨーロッパの各都市と同様、市庁舎広場 Piazza del Comune です。1206年に建てられた赤レンガ造りの市庁舎の向かい側には、その約100年前に建築が始まった大聖堂と、八角形の洗礼堂、そしてトラッツォ Torrazzo と呼ばれるヨーロッパ一高いレンガ造りの鐘楼(高さ112メートル)がそびえており、広場に堂々とした風格を与えています。    

   写真上左Cクレモナ中心地にあるドゥオーモ   写真上右D市庁舎


このように大聖堂と市庁舎がお互いに牽制するかのように向き合って配置されている広場は、イタリアでは非常に珍しいものです。住民の間ではドゥオーモ広場Piazza del  Duomo と呼ばれ親しまれており、お休みの日には広場のあちこちでくつろぐ姿が見られます。お天気の良い日はぜひトラッツォに登って上から街を眺めてみてください。街の中心部が、屋根瓦の赤レンガ色一色に染まっていることに目を引かれると思います。まるでストラディヴァリのヴァイオリンのニスの色のようだ、と誰かが言っていたのを思い出します。    

写真上左E市庁舎広場(ドウオーモ広場)の八角形の洗礼堂  写真上右Fドウオーモ前でくつろぐ人


●ストラディヴァリの墓石レプリカも
大聖堂に向って広場の左に伸びるソルフェリーノ通り Via Solferinoを進んでいくと、芝生のある市立公園、ローマ広場 Piazza Roma に出ます。この公園には昔サン・ドメニコ教会が建っていて中にはストラディヴァリの墓も納められていましたが、1869年に市立公園を造るために大規模な解体工事が行われ、その結果ストラディヴァリの墓も失われてしまいました。  

現在、このローマ公園には彼の墓石のレプリカが飾られています(オリジナルは市立博物館所蔵)。この広場に面して、以前はストラディヴァリ、グァルネリ等の工房を含む職人街が形成されていましたが、1930年代の町の大改革により一斉に壊されて、現在あるモダニズム様式のアーケードGalleria XXV Aprileが建てられました。

写真上Gローマ公園内のストラディヴァリの墓石のレプリカ   写真上右Hアーケード中心にあるモザイクで描かれたクレモナの紋章  


●モザイクで描かれたクレモナの紋章
このアーケードの中心部の床に、モザイクでクレモナの紋章が描かれています。金の塊をかかげた腕だけが描かれている不思議な紋章のいわれは、11世紀の当時、あまりにも高かった税金の免除(金塊の形で支払われていた)を賭けて、クレモナ市民バルデシオとクレモナを支配していた神聖ローマ帝国ハインリヒ4世が試合を行い、見事にバルデシオが優勝したことを記念したものです。余談ですが、クレモナっ子達の間では「この紋章をうっかり踏むと、翌日学校の授業で先生にあてられてしまう」と言い伝えられています。紋章を重んじろ、と言う大人の教えから来ているものなのでしょうか??

●ストラディヴァリの家と結婚式をあげた教会
このアーケードを通って街の目抜き通りコルソ・カンピCorso Campiを進み、更に斜め左に折れてコルソ・ガリヴァルディ Corso Garibaldiをしばらく進むと、右手にストラディヴァリが最初の妻フランチェスカと暮らした家があり(壁にプレートが貼ってあります)、そのすぐ先には2人が結婚式を挙げたサンタガタ教会 Chiesa di Sant'Agataがあります。

 写真上左Iストラディヴァリの暮らした家   写真上右J結婚式を挙げたサンタガタ教会  


2.ヴァイオリンの街 クレモナ
●ヴァイオリン制作学校と弦楽器工房

1938年にクレモナに創立されたクレモナ・ヴァイオリン製作学校 Scuola internazionale di liuteria Cremona には、2012年にユネスコ無形文化遺産にも指定されたクレモナ・ヴァイオリン製作技術を学ぶために、毎年世界中から若者が集まってきます。

写真上KLクレモナ市内の弦楽器制作工房  


学校を卒業した後に、街に工房を開く方も大勢います。現在この小さな街に実に140もの弦楽器製作工房が開かれているのです。街中には、ヴァイオリンをぶら下げたショーウインドーを持つ工房をいくつも見かけることが出来ます。前回ご紹介したヴァイオリン博物館 Museo del Violino を見学した後に、ぜひ街を散策して「ストラディヴァリの子孫たち」の息吹を感じ取ってください。


ヴァイオリンの町クレモナから   著者プロフィール
安田恵美子 Yasuda Emiko

ヴァイオリン職人の夫(日本人)とクレモナに住んで今年で18年目になります。2013年9月よりヴァイオリン博物館で日本人スタッフとして働いています。皆様のお越しを心からお待ちしています!

データ

Dati

■交通アクセス
<クレモナへのアクセス>
ミラノからマントヴァ行き列車で約1時間(ほぼ1時間に1本)
 www.trenitalia.it

■クレモナ観光局  
  Piazza del Comune 5
Tel. 0372-406391, fax. 0372-30027
e-mail: info.turismo@provincia.cremona.it
www.turismocremona.it
開館時間:月曜から日曜日まで9.30-13.00、14.00-17.00
7,8月の日曜、祭日は9.30-13.00
(昔の薬局の内装をそのまま使ったオフィス。一見の価値があります!)

■中心部の見所
クレモナ大聖堂 La cattedrale di santa Maria Assunta

Piazza del Comune
月曜日から土曜日 8.00-12.00, 15.30-19.00
日曜祭日 7.30-12.30, 15.30-19.00
入場無料

洗礼堂 Il Battistero
Piazza del Comune
毎日10.00-12.30, 14.30-17.40
復活祭(移動祝日)、8月15日、12月25日を除く)
入場料:3ユーロ

トラッツォTorrazzo
Piazza del Comune
毎日10.00-12.30、14.30-17.40
復活祭日曜日、12月8、25日休み(悪天候の場合閉鎖)
入館料:5ユーロ

■博物館
ヴァイオリン博物館  Museo del Violino    

Palazzo dell'Arte, Piazza Marconi 5、 Cremona
Tel. 0372-801801, Fax. 0372-801888
www.museodelviolino.org   email: info@museodelviolino.org
Biglietteria/Tickets  Tel. 0372-080809
日本語館内ガイド、Audizione予約:  marketing@museodelviolino.org

開館日: 火曜日から日曜日まで(1月1日、5月1日、12月25日を除く)
開館時間: 10.00−18.00
入館料: 10ユーロ、学生、65歳以上、団体割引7ユーロ(6歳まで無料)

・展示室内には、案内係が配置されています。ご不明な点はご遠慮なくお尋ねください。
・前もって予約をしていただくと、博物館全室のガイド(有料)(イタリア語、英語、ドイツ語、フランス語、日本語が可)も行います。
館内ガイド: 1-15人まで30ユーロ、16人以上50ユーロ (混雑のないウィークデイは予約なしでも受け付けます)
・ミニコンサートAudizione:  25人以上からの予約でお一人5ユーロ(予約なしでも席に空きがあれば入場できます)

クレモナ市立博物館 Museo civico "Ala Ponzone"
Via Ugolani Dati 4
Tel. 0372-407770
火曜から土曜日まで9.00-18.00、日曜日は10.00-18.00
入館料7ユーロ(学生、65歳以上、団体割引5ユーロ)
(カラヴァッジョを始めとした歴史的画家達による絵画コレクション、磁器陶器コレクション、ギター・リュート・マンドリン・コレクションを見学できます)



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