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15 maggio 2009

第4回 優れもののイタリアの土鍋

長本和子



イタリアの土鍋が重宝している。
高さ10センチほどで幅20センチくらい、ちょっとお腹の突き出たような感じのふくらみ、両サイドの取っ手とぴったりとはまる蓋がついている。形も可愛らしいが、真骨頂はこのままオーブンに入れられるということ。材料を次々と置いて蓋をしてオーブンに入れると、それだけで立派な料理が出来、「簡単」「旨い」のだから文句のつけようが無い優れモノだ。

誰かに料理を食べさせたいと思うと、どうしても手の込んだものを作らなければいけないような気がしてしまう。でも、ちょっと待ってよ。イタリアの郷土料理が成立した頃のマンマたちの生活は、朝から晩まで野良仕事で、ゆったりと台所に立つ時間も無かったはず。だから無駄がなくて、合理的な料理がたくさん生まれている。

ではそんな料理を探してみようじゃないかと考えているうちに、思い出したのが15年ほど前に訪れたカラブリアの市場でのことだ。現地の友人に連れて行ってもらった青空市場に、台の上にそまつな土鍋を並べて売っているところがあった。いかにも職人の手作りといった素朴さに、土地の匂いがプンプンとしてきそうな風合い。売っている人も真っ黒な髪の毛と濃い眉、力強いまなざしのカラブリア女だった。「これを使うと美味しい料理ができるよ」有無を言わせぬ自信に満ち溢れた言葉。訳も分からず納得して、そして日本まで持って帰る労力と秤にかけ・・・・ついに買いそびれてしまった。

その後、レシピを訳したり各地の郷土料理を見ているうちに、あの時買っておけばと私の中での後悔の感情がだんだんと膨らんできた。例えば豆のズッパを作る時に、アルミやステンレスの鍋だと、こっくりとしたトロミが出ないで、豆がシャキシャキとしてしまうことがある。ところが土鍋を使うと、ただの豆を煮て、塩とオリーヴ油で味付けしただけで、こうもおいしくなるかと感激するほどの味になる。

そういえばお風呂だって、火の性質によって全然違うというじゃありませんか。昔、薪で炊いたお風呂に入っていた友達がガスで沸かした湯に入ると肌触りが違うと言っていたし、炭屋の娘はもっとはっきりと「ガス釜は、肌に刺さるようで痛いの」と言っていた。熱の伝わり方で料理の味が変わるのも、さもありなん。

あれから幾度かイタリアで土鍋を探したが、これというものも無く時が過ぎてしまい、思わず手が伸びてしまうものに出会ったのが今年のこと。懇意にしているイタリア製品専門のお店に寄った時に、梱包をはずしたばかりの土鍋が、段ボールの上に置いてあるのを発見したのだ。「これって、オーブンにも入れられるんですか」「もちろんです」売るための方便など絶対言えないようなスィニョーラが言うのだから、間違いはない・・ということで、この土鍋を手に入れてから、楽に作れる料理に手を染めるようになってしまった。
1、豚肉の塊とリンゴを刻んだものを入れて、オーブンに。
2、ジャガイモ、タマネギ、羊肉、トマトホールを重ねて、オーブンに。
3、豚肉とキャベツ、牛乳を入れて、オーブンに。
もちろん豆の煮込みに、トマトソースにも
レシピを訳せば、まだまだ無尽蔵に出てくるような気がする土鍋料理。いずれまたご紹介しましょう。

 [カラーブリア州]

コーリリア風仔羊のヴィネガー煮込み
Agnello alla cogliana
アニェッロ アッラ コリーアナ

材料:4人分
仔羊骨付きロース 8本 ニンニク  1片 オレガノ 2枝 イタリアパセリ 2本
白ワインビネガー 100cc 唐辛子 1本 塩 適宜

作り方
@ ニンニクとイタリアパセリをみじん切りにする。
A 塩をふった仔羊の骨付きロースに@をまぶす。
B 土鍋に仔羊、オレガノの枝を入れ、白ワインビネガーを注ぐ
C 蓋をして、180度のオーブンに40分間入れる。
D 塩で味を調整し、土鍋のまま食卓に出す。


著者プロフィール
長本和子 (Nagamoto Kazuko)
仕事で外国に行き、イタリアに魅了される。イタリア料理を学ぶために国立ホテル学校に留学。その後イタリア料理関係の通訳等を経て、1997年、ict食文化企画を設立。イタリア・トリノにあるICTと共に、現地でのイタリア料理・ワイン研修を企画。国内ではイタリア食文化に関する講演、執筆活動を行う。2006年東京白金台にリストランテ カシーナ・カナミッラをオープン、その後2008年中目黒に移転。著書に「イタリア野菜のABC」(小学館)「シチリア海と大地の味」(文化出版)などがある。2008年11月30日に「いちばんやさしいイタリア料理」(成美堂出版)を刊行。
ictホームページ:http://www.ict-ict.com
リストランテ カシーナ カナミッラ http://www.canamilla.jp

参考資料:土鍋
ウンブリア・ペルージャ産「ガストロノミア キャセロール」
ペルージャの職人の手作りで、電子レンジ、オーブン、直火なんでもOKです。
文中のスィニョーラのいる店
ジラソーレ(目黒区上目黒1-18-4-101) TEL: 03-3712-6810  


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