JAPANITALY Travel On-line


   
編集後記
2015年10月15日
JITRA編集室 大島悦子

●ミラノ万博を機に、福島県の食品安全を発信するイベントが実施されました。
ミラノ万博日本館では、10月11日から14日まで福島県の食品安全をPRする「ふくしまウイーク」イベントが実施されました。この機会、10月12日にミラノ市内で開かれたプレス関係者向けの「Fukushimaセミナー」に参加してきました。

写真下左:@ミラノ市内の「Fukushimaセミナー」 会場    写真下右:A福島の現状を紹介する福島県の内堀雅雄知事 

同セミナーで福島県の内堀雅雄知事は、福島の被害の実態、福島の復興に向けての努力、特に米や野菜、果物の検査や農地の除染など、食品の安全に対する具体的な取り組みを紹介しました。市場に出す農産物はすべて厳格な検査を通ったものであることも強調され、さらに福島の特産物としてコメや日本酒、野菜や果物、特に桃の魅力をアピールしました。

興味深かったのは今年7月に福島県を訪れたミラノ国立大学の教官や学生と同知事の意見交換でした。イタリアの若者に福島の現状を実際に見てもらい、見てきたことを伝えてもらおうという企画で、福島県の復興の実情を知ってほしいという熱意が伝わってくるように思いました。

写真下左:B福島県を訪れたミラノ国立大学の教官や学生と同知事の意見交換     写真下右:C福島県の特産品の紹介

同県知事のまだ解決すべき課題は多いものの「福島の誇り」をできるだけ早く回復することがこれからの挑戦というメッセージが心に残りました。

●ウンブリア州グッビオの「中世フェスティバル Festival del Medioevo」を訪れました。
ウンブリア州、中世の街並みを色濃く残す小都市グッビオで9月30日から10月4日まで開催された「中世フェスティバルFestival del Medioevo」を訪れました。ヨーロッパの中世といえば紀元476年の西ローマ帝国滅亡から1492年のコロンブス・アメリカ大陸発見まで約1千年にわたる期間にあたります。皆さんはこの時代についてはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

写真下:Dグッビオのグランデ広場と「コンソリ館」  写真下:E中世の建物で開催された「中世フェスティバル」講演会場風景

このフェスティバルでは、ゴート族やロンゴバルド族などの侵入、カール大帝の帝国、ローマ教皇と神聖ローマ帝国皇帝との対決、十字軍、聖フランチェスコ、自治都市コムーネの時代、そして中世の食文化やラテン語書物の変遷など、中世をめぐる様々なテーマがとりあげられ、この分野を代表する30余名の研究者による講演が朝から夜まで繰り広げられました。講演会場となったのは、プレトリオ館やサン・フランチェスコ教会修道院など中世の建物。回廊では、薬草工房、絵画や製本など職人工房などの実演展示、テンプル騎士団パフォーマンスなども行われました。

写真下:F講演会会場の回廊での職人工房の実演展示     写真下:G「I Cantori di Assisi(アッシジ合唱隊)」のコンサート      

期間中、毎晩市内の教会やパラッツオで特別コンサートが開催されました。サン・フランチェスコ教会では隣町アッシジから招かれた「I Cantori di Assisi(アッシジ合唱隊)」によるコンサートがあり、その澄みきったハーモニーに観客は魅了されました。市内では、関連イベントとして「中世市場 Mercato Medievale」も開催され、まさに「中世」世界に浸ることのできるフェスティバルとなりました。

●奥山陽子さんの個展「水と戯れて」が10月18日から銀座で開催されます。
ヴェローナ在住のアーティスト、奥山陽子さんが、10月18日から銀座で個展を開催されます。
奥山陽子さんには、JITRAで2010年から2011年にかけて 「奥山陽子のハラハラ、イタリア日記」を連載していただいています。 http://www.japanitalytravel.com/back/archivio_05.html#okuyama

開催によせての奥山陽子さんのメッセージには、「定年後、新世界を求めて旅立ち、ひよんなきっかけで北イタリアの都市ヴェローナに住むことになった。建築のデザイン、設計で培った感性とアートへの憧憬から、日本が誇る和紙の素材こうぞをマテリアルに始めたアートが評判になり、イタリア内外での個展や展覧会に招かれるようになった。こうぞを独自の手法で扱い、筆は使わず水の流れ、水との対話でフォルムが決まるというもので、絵画およびオブジェ、光のオブジェに展開している」とあります。

写真上:HI奥山陽子さんの作品から

2012年には、古来の素材を現在のモダンアートにつなげたという評価によって、ヴェネツィアの東洋美術館に個展のため招かれ、ワークショップも行っています。 日本での初めての個展を是非お見逃しなく!

<開催概要>
イタリア発 紙がアートへと華麗に変身
奥山 陽子 展  「水と戯れて」 
会場:銀座第7ビルギャラリー 東京都中央区銀座7丁目10番16号 п@050-3531-0425  
会期:2015年10月18日(日)- 24日(土) 11:00-19 : 00まで 
ただし初日は15:00より  最終日は16:00まで オープニングパーティー: 10月19日(月)16:00-

<奥山陽子 プロフィール>  
昭和15年生。北海道大学工学部建築工学科卒、丹下健三のもとで学んだ 後、創成社建築設計事 務所を主宰、住宅、住環境の計画に携わる。2000年よりヴェローナ市在住。個展、展覧会歴はニューヨーク、サンディエゴ、ロンドン、ミラノ、ヴェネツィアなどイタリア各地。
www.yokookuyama.com

●ナポリ建築王国 「悪魔の棲む天国」をつくった建築家たち、が発刊されました
JITRA当号でもイタリア世界遺産の旅を執筆して下さっている牧野宣彦さんから、興味深い新刊のご案内が届きました。

「日本で今までナポリの建築に関する本は執筆されていないので、画期的な本です。是非多くの人に読んで頂きたいと思います」という牧野さん。当書出版にあたって牧野さん御自身が「誕生の父親」的役割を果たされて、また当書の写真も牧野さんが担当されています。


ナポリ建築王国 「悪魔の棲む天国」をつくった建築家たち
河村 英和(著/文 他) 
発行鹿島出版会
A5判 256頁
定価3,600円+税

「悪魔の棲む天国」を跋扈する怒涛の建築美。バロックの祝祭、ロココの可憐、新古典主義の静謐が太陽に照らされる。「ナポリを見て死ね」といわれてきた風光明媚の地、その黄金期を築いた王国と建築家たちの一大絵巻。

<著者プロフィール 河村英和(かわむら・えわ)> 東京大学特任准教授/イタリア建築・都市・美術史、ホテル・観光史1972年生まれ。東京工業大学工学部建築学科卒、ナポリ・フェデリコ2世大学建築学部建築史科・phD博士号修得。現、東京大学大学大学院人文社会系研究科特任准教授、東京工業大学外国語教育研究センター・イタリア語担当、イタリア観光学会(SISTUR)会員、イタリア観光史年刊(Storia del Turismo Annale)査読委員など。主著に『カプリ島──地中海観光の文化史』白水社、『イタリア旅行──「美しい国」の旅人たち』中公新書、『観光大国スイスの誕生──「辺境」から「崇高なる美の国」へ 』平凡社新書、『タワーの文化史』丸善出版など。

本書誕生の経緯については、メルマガ「イタリアへ行こう」で詳しくご紹介する予定です。

JITRA 編集長
大島悦子 Etsuko Oshima


 

編集後記
もっとイタリアを知る アルキーヴィオへ このページのTOPへ HOME PAGEへ

 
http://www.japanitalytravel.com
©  JAPAN PLUS ITALY - MILANO 2013 All rights reserved.