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編集後記
2018年3月15日
JITRA編集室 大島悦子

●二つの新連載「アブルッツオのまちめぐり」「大理石の里カッラーラに生きる」が始まりました。
新連載の一つ「アブルッツオのまちめぐり」のユニークなところは、東京在住の阿左美綾さんと、大阪在住の保坂優子さんと、執筆者がお二人いることです。住まいも経歴も異なるお二人ですが、共通しているのは「アブルッツオ州」への大きな情熱。以前からそれぞれにアブルッツオの魅力を日本の方々に伝えるための活動をされていましたが、2016年4月からは「アブルッツォ通信」を共同発行し、協力しての活動も展開されています。

写真下左:@ボミナーコのサン・ペレグリーノ教会    写真下右:Aハート型のスカンノ湖

「アブルッツオのまちめぐり」ではこのお二人に交互に、日本ではあまり知られていないアブルッツオ各地のとっておきの町について紹介していただきます。第1回は阿左美綾さんによる『「松並木の海岸「ピネート」と古代都市「アトリ」』です。 なお、お二人には、すでに、メルマガ「イタリアへ行こう」でも2月25日号から、月1回エッセイ「アブルッツオに魅かれて」の執筆もお願しています。

もう一つの新連載は、トスカーナ州カッラーラ在住の大木和子さんによる「大理石の里カッラーラに生きる」。古くから大理石の山として知られ、多くの彫刻家がしげく通ってきたカッラーラ。この町で彫刻家として活躍されていたご主人と日本で知り合い、1998年に結婚された大木和子さん。結婚わずか3年でご主人を亡くされ悲しみにくれた日々の後、改めてカッラーラにいらして、大理石のパノラマを背景とした素晴らしい場所にご主人の作品のギャラリーとB&Bを建設し、運営されています。同時に葡萄栽培・ワイン作りにも励まれています。   

写真下左:B大木和子さん運営のギャラリー&B&B「Ars Apua」と葡萄畑   写真下右:C大理石のパノラマを背景にご主人の彫刻家大木達美氏の作品

大木和子さんにとって、今年は結婚して20年という節目にあたる年ということで、カッラーラでの日々の生活やお仕事、印象に残るエピソードなどをJITRAで紹介して下さることになりました。第1回「なぜ今、カッラーラに」では今日にいたるまでの20年間の経緯を語ってくださっています。

●ミラノ市内で開催された「手作りワイン」のイベント「Live Wine 2018」に行ってきました。
ミラノでプロのソムリエとして活躍している日本人の友人の勧めもあり、3月3日から5日までミラノ市内で開かれたワインの国際サロン「LIVE WINE 2018」をのぞいてきました。

正式名は「LIVE WINE 2018 :Salone Internazionale del Vino Artigianale」。 ところで、『ヴィーノ・アルティジャナーレ Vino Artigianale』は、「手作りワイン」とも訳すことができますが、具体的には一体どのようなワインを示すのでしょうか。   

写真下左:D「Live Wine」会場入り口の看板         写真下右:E「Live Wine」会場内

主催者側の説明では、(1)ぶどう栽培から醸造、瓶詰めまでの全段階を生産者自らが行って生産されたワインであること。(2)ぶどう栽培の段階で化学肥料などが使用されていないこと。(3)使用する葡萄はすべて手摘みによるものであること。(4)ラベルに記載されていない添加物は一切含まれていないこと、とあります。一言でいえば最大限に自然のままの製法で作られたワインで、少量生産のワインといえましょう。

当国際サロンにはこの基準を満たすワイン作りを行っている小規模ワイン生産者が、イタリア各州はもちろん、フランス、ギリシャ、チェコ、スロヴェニアなど欧州各国からあわせて約150社が出展しています。

写真下左:F「Live Wine」会場内の展示ブース。後ろに見える赤いスペースでは、セミナーや特別試飲会が開催。 写真下右:G展示ブース  

サロンの入場料は1日20ユーロ。入場料を払うと、参加ワイナリーのカタログとともに、ワイングラスが一つプレゼントされ、会場内のあらゆるブースで試飲が自由にできます。気に入ったワインもその場で生産者から購入が可能です。会場には、かなりこだわりのあるワインファンや専門ソムリエ、エノテカ関係者などが多数訪れていて、生産者とじっくり話し合ったり、試飲を重ねて交流する姿が目立ちました。

今年で4回目になるこのサロンは、国際的連携にも力をいれており、今回は近年この分野で成長の目覚ましいオーストリアとスペインのニケ国の出展者にフォーカスをあてていました。会場中様々なセミナーも開催されていて、ワイン界の世界的権威によるテーマ別特別試飲会も別料金で開かれていました。ワイン以外にも、同様のコンセプトで生産されたチーズや肉加工品など食品メーカーのブースも設けられていました。

ワインといえば、大手・中規模ワインメーカー製品を大型流通店舗を通して広く普及という仕組みがイタリアでは定着していますが、その流れとは対局にある別のトレンドとして注目していきたいと思いました。

LIVE WINE 2018 :Salone Internazionale del Vino Artigianale
http://www.livewine.it/il-salone-live-wine-2018/   

●イタリア語で読むウンベルト・エーコの『いいなづけ』(対訳版)が出版されました。  
イタリア人に、イタリアの国民文学は?と問えば、ダンテの神曲と並び、必ず称されるのが「いいなづけ」(原題『I Promessi Sposi』)です。17世紀スペイン統治下のミラノとロンバルディア地方を舞台にした「いいなづけ」、日本でも日本語訳が出版されてはいます。とはいえ、かなり厚い本で登場人物も多く、時代背景も特有で筋も入り組んでいるため、日本人にはとっつきにくい本の一冊ともいえましょう。

写真下左:Hイタリア語で読むウンベルト・エーコの『いいなづけ』 表紙   写真下右:I同書の1ページ  

このA.マンゾーニの『いいなづけ』を、知の巨人ウンベルト・エーコが平易に語り、イタリア語学習者から文学好きまで楽しめる1冊として、「イタリア語で読むウンベルト・エーコの『いいなづけ』」としてこのほど出版されました。NHKラジオテキストの2015 年10月号から2017年3月号まで、対訳の形で連載されていたものを、再編集して白崎容子さんの名訳・解説で単行本として刊行されたものです。イタリア語朗読音声がダウンロードできるパスコードも付いています。

これまで「いいなづけ」に挑戦しながらも挫折した経験のある方も、この機会に「エーコ」が自らの言葉で語った『いいなづけ』を試みることでこの本への理解が深まるかもしれません。

「イタリア語で読むウンベルト・エーコの『いいなづけ』」
著者 ウンベルト・エーコ (著)、白崎 容子 (訳・解説)
発売日:2018/02/17
出版社: NHK出版
税込価格 2,052円
詳細:下記URLでどうぞ
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-14-035155-0&Sza_id=MM  
https://honto.jp/netstore/pd-book_28879875.html  

JITRA 編集長
大島悦子 Etsuko Oshima


 

編集後記
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