JAPANITALY Travel On-line


   
編集後記
2019年11月15日
JITRA編集室 大島悦子

●ミラノで特別展「日本がイタリアを発見した時 QUANDO IL GIAPPONE SCOPRI’ L’ITALIA」が開催中です。
ミラノのMUDEC(Museo delle Culture)で10月1日から興味深い特別展「QUANDO IL GIAPPONE SCOPRI L’ITALIA. Storie di incontri (1585 - 1890)」が開催中です。

写真下左:@ミラノ市内の同展ポスター    A同展オープニングを待つ人々 

1585年から1890年に至る時期における日本とイタリアの「出会いの歴史」を具体的事例でさぐる紹介する展覧会です。

第一部では、日本からイタリアを訪れた二つの使節団に焦点をあてています。一つ目は「天正遣欧少年使節団」としてヨーロッパを訪れた日本の四人の少年によるイタリアとの初めての出会いです。同使節団は、イエスズ会により、九州のキリシタン大名の名代として四名の少年たちが派遣されたもので、ヨーロッパ各地で王や諸侯から大歓迎を受け、イタリアには1585年3月1日から8月8日まで滞在しました。ローマ法王と謁見をはたし、同年7月25日から8月3日までミラノにも滞在しています。またヴェネツイアで大画家ヤコポ・ティントレットが発注を受け、息子ドメニコ・ティントレットが完成させた「伊東マンショ」肖像画が、今回、ヨーロッパで初めて展示され注目を集めています。さらに長崎からローマに至る移動行程も世界地図で表示され、この使節団の担った役割とスケールの大きさが改めて浮かび上がっています。

写真下左:Bドメニコ・ティントレット作「伊東マンショ肖像画」を見る見学者  写真下右:C世界地図上に描かれた使節団移動行程 

二つ目は支倉常長による「慶長遣欧使節団」でミラノは訪れていませんが、1615年にローマでローマ教皇に謁見し、日本が全面鎖国に突入する直前のイタリアと日本の重要な出会いを形成しています。

日本では、キリスト教宣教師によるキリスト教普及や西洋文明導入、その後の「禁教」・鎖国の時代、という歴史的な大変換の時代であり、一方、イタリアやヨーロッパにおいては、視野を世界へ広げ行動を拡大していく最初の「グローバル化」といえる時期にあたります。日本とイタリアという当時まったく異質な二つの文化の出会いが、両国の社会や文化にどのような影響を与え合ったのか、興味深いテーマを扱っています。

写真下左:D「支倉常長肖像画」  写真下右:Eミラノ貴族ルチーニ・パッサラックアのコレクションから  

第二部では、開国後まもない1871年に日本を訪れ、日本美術品を多数購入し、自らの邸宅内に日本ミュージアムを設けた、ミラノ貴族ルチーニ・パッサラックアLucini Passalacquaのコレクション等が初公開されています。

なお、会場となっているMUDECは、ミラノのトルトーナ地区、旧アンサルド社工場跡地に、世界各地の多様な文化との交流拠点を目指して誕生したミュージアムです。内部には、ミシェランの星を誇る高級レストランもあれば、気軽なティールーム、品揃えの充実したショップもあります。ナヴィーリオ地域を訪れた際、少し足を延ばして、のぞいてみてはいかがでしょうか。

写真下左:F同ミュージアム内の広々としたティールーム   写真下右:G同ミュージアム内のショップ

展覧会名:「QUANDO IL GIAPPONE SCOPRI L’ITALIA. Storie di incontri (1585 - 1890)」
「日本がイタリアを発見した時 出会いの歴史(1585 - 1890)」

会場:MUDEC(Museo delle Culture) 
住所:via Tortona 56, 20144 Milano
会期:2019年10月1日-2020年2月2日
開館時間:月曜:13:30 - 19:30、火曜・水曜・金曜・日曜 9:30-19.30、木曜・土曜 9:30-22:30
入館料:常設展は無料 (本展も常設展スペース内に設けられているため無料) https://www.mudec.it/  
Tel:.02- 54917
同展詳細は下記URLで
https://www.mudec.it/ita/quando-il-giappone-scopri-litalia-storie-di-incontri-1585-1890/  

●ドロミテの吉田愛さんから昨年同地を襲った『嵐ヴァイア』の記事が届きました。
日本で台風19号をはじめ大雨などの大きな被害が報道され、心配していたころです。JITRA「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載執筆中の吉田さんから、11月15日号として「2018年10月にドロミテ地方で発生した『嵐ヴァイア』について」という原稿と写真が届きました。

私も昨年この地方を襲った大嵐についてはニュース報道としては耳にしていましたが、今回の原稿を拝見して初めてその甚大な被害、そして吉田さんの住むフィエンメ峡谷でも深刻な体験をされていたことを知りました。また有名な「ストラディヴァリの森」でも樹齢200年の銘木が倒木されたとことにはショックを受けましたが、同時に、このような歴史的な危機に直面し、手を取り合って立ち向かっている地元の方々の姿に感銘を受けました。

写真下:HI『嵐ヴァイア』で大きな被害を受けたドロミテのフィエンメ峡谷    

それから少し経った10月22日、ミラノ・トリエンナーレ内に「ミラノ・トリエンナーレ劇場Teatro Triennale Milano」が全面修復を終え再オープンしたニュースを耳にしました。修復にあたっては「持続可能性」を重視し、同劇場の内装板張部分には、『嵐ヴァイア』で倒れたフィエンメ峡谷の「バイオリンの森」の木々が使用されたことを知り、大切な「銘木」の再生の場が設けられたことにほっとするものを感じました。

写真下:Jミラノ・トリエンナーレ内に再オープンした「ミラノ・トリエンナーレ劇場」内部  
(画像:Triennale di Milano) 

日本でも台風や大雨の被害は深刻ですが、イタリアでも、このところ、昨年のドロミテの大嵐だけでなく各地で集中豪雨などの災害がおきています。被災地での復旧が進み、今後の災害に対する備えがより整備されることを願っています。: 吉田愛さん、貴重な記事をありがとうございました。                

JITRA 編集長
大島悦子 Etsuko Oshima


 

編集後記
もっとイタリアを知る アルキーヴィオへ このページのTOPへ HOME PAGEへ

 
http://www.japanitalytravel.com
©  JAPAN PLUS ITALY - MILANO 2013 All rights reserved.