JAPANITALY Travel On-line


   
編集後記
2020年9月15日
JITRA編集室 大島悦子

●9月13日(日)の晩、ミラノのドゥオーモ広場で「CONCERTO PER L’ITALIA」が開催されました。
このコンサート、コロナ禍でスカラ座交響楽団の活動も大きな制約を受けていた中、フルオーケストラの形で、ミラノ市民の前に登場する最初の屋外公演となりました。

写真下:@ミラノのドゥオーモ広場の「CONCERTO PER L’ITALIA(イタリアに捧げるコンサート)」 (画像:La Repubblica)

ドウオーモ広場に大きな架設舞台を構築し、広場全体を観客席とするスカラ座のコンサートは、実は毎年6月に「Concerto per Milano(ミラノに捧げるコンサート)」という形で実施されてきました。しかし、第8回目になる今年は、コロナ禍で6月の公演は延期となり、今回「「Concerto per L’ITALIA」として実施されることになったのです。日本語では「イタリアに捧げるコンサート」と訳すことができるでしょうか。

例年であれば広場一杯に3万人もの観客が集まることもありましたが、今回は、座席数を2600席に限定し、事前のネット予約者(無料)のみが入場できる仕組みとなりました。

写真下左:Aコンサート当日のお昼ごろ 赤い座席の設置も半分ほど済んだ頃  (2020年9月13日正午ごろ撮影)
写真下右:B「CONCERTO PER L’ITALIA」表示 

この日の正午ごろ、ドゥオーモ広場を通ると、架設会場もできあがり、真っ赤な座席も広場半分ほどまですでにセッティングされていました。 ドゥオーモ広場脇のポルティコでは、毎月第二日曜日恒例の「古本市」も開かれていて、本好き市民が思い思いに古本屋の店先をのぞいていました。ミラノに普通の生活が戻りつつあることを感じる風景でした。

写真下左:Cドウオーモ広場の通行人   写真下右:D毎月第二日曜日恒例の「古本市」

さて、この晩、私は「RAI5」の生中継で同コンサートを鑑賞しました。 コンサート第1部は、世界的バイオリニスト、シベリア出身のロシア人、マキシム・ヴェンゲーロフによるメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲で幕開けし、その類稀な音色と演奏ぶりには大きな拍手が舞い上がっていました。第2部は、ベッリーニやヴェルディ、プッチーニなど明るいイタリアオペラの名曲の数々が続き、ロッシーニの「ウイリアムテル」で締めくくりとなりました。なお、この「ウイリアムテル」は、1943年夏の爆撃でスカラ座がほぼ全壊したあと、1946年5月のスカラ座再建を祝う歴史的な記念コンサートでトスカニーニ指揮のもと演奏されたということで、スカラ座およびミラノにとっては特別な意味を持つ演目であることを知りました。

ところで、このドゥオーモ広場コンサートに先立ち、スカラ座オーケストラは、9月4日にはミラノのドゥオーモ内部でヴェルディのレクイエムを演奏し追悼コンサートを行っています。また9月12日(土)にはスカラ座で、コロナ禍クローズ後、最初のオーケストラ公演として、「ベートヴェン第九」が、医療関係者を招いて客席670席に限定し、演奏されました。今秋のスカラ座は座席数は限定するものの、ズービン・メータ指揮によるコンサート方式でのオペラ公演「トラビアータ(椿姫)」をはじめ、各種バレエ公演やオーケストラ演奏など様々なプログラムを用意しています。

写真下左:Eミラノのスカラ座   写真下右:Fスカラ座今秋のプログラムポスター 

ミラノに、スカラ座とドゥオーモがあってよかったなと思いました。コンサート前にミラノ市長が、「スカラ座は常にミラノのシンボル」といっていました。実際、困難な時期、再出発にむけてミラネーゼの気持ちを一つにするパワーを持っています。そして今回はそれをミラノだけでなく、「イタリア全体に捧げる」ことができたような気持ちがしました。

●ミラノの街をテーマとした写真展「Milano, Citta’ Aperta (ミラノ、オープンシティ)」を見てきました。
ミラノのレオナルド・ダヴィンチ科学博物館開催中の写真展「Milano, Citta’ Aperta (ミラノ、オープンシティ)」を見てきました。女流写真家エレナ・ガリンベルティさんのミラノをテーマとしたユニークな写真展です。

写真下左:G写真展「Milano, Citta’ Aperta (ミラノ、オープンシティ)」   写真下右:H同展エントランス 

エレナ・ガリンベルティさんは、元もとはランドスケープ・アーキテクトで、趣味の写真熱が高じて、現在はプロのフォトグラファーとして活躍されています。

写真下左:Iドウオーモテラスからのスカイライン 写真下右:J高所から見た広大な「木の図書館(Biblioteca degli Alberghi)公園」

「ミラノ・チッタ・アペルタ展」は、最初は、高所から見たミラノ発見に始まり、次は視点を下げ、街並みに。そして町中にありながら、ひっそりと隠れるような空間や人々の姿へとカメラワークは展開していきます。建築家としてのインプリントが強く感じられる都市空間への独特で力強い観察力に魅了されました。同時に、デイリ―ライフや光と影を丁寧にとらえて、ミラノの今をクリヤーかつ情緒豊かに表現しているように感じました。

写真下:KL同展を見る人々
 
このコロナ禍で突然止まってしまったように見えるミラノの「日常生活」。とはいえ実際は、決して止まっていない、ミラノの生活を構成する小さな瞬間の中にある静かな思索や思いがけない美しさを表現したかったとエレナ・ガリンベルティさんは語っています。コロナ禍を機に、日々の生活や都市の在り方を見つめなおしている私たちにとって、貴重な視点や感動を与えてくれる写真展だと思いました。

写真上:Mミラノ中心部にある邸宅美術館「バガッティ・バルセッキ博物館」エントランス  

9月14日(月)から、イタリアでは6ケ月ぶりに、小・中・高校が再開しました。毎朝の検温、マスク着用、ソーシャルディスタンスなど厳密な規定のもとでの通学・授業となりますが、久方ぶりの仲間との再会・一緒に過ごせる時間はかけがえのないことだと思います。子供たちが元気に無事に学校通えることを願っています。                

JITRA 編集長
大島悦子 Etsuko Oshima


 

編集後記
もっとイタリアを知る アルキーヴィオへ このページのTOPへ HOME PAGEへ

 
http://www.japanitalytravel.com
©  JAPAN PLUS ITALY - MILANO 2013 All rights reserved.