JAPAN-ITALY Travel On-Line

私の自然紀行 − 読者からの投稿記事 バックナンバー

20 Marzo 2002




アルプスの山小屋で自然体験


ヴェネト州 − ヴィットーリオ・ヴェネト
Veneto - Vittorio Veneto



梅原 大輔



この記事は以前メールマガジン【イタリアへ行こう】にも掲載されたものを再寄稿していただいたものです

Pizzoc 山頂付近からの景色





去年の8月にヴィットーリオ・ヴェネトの山小屋Rifiugioでワーキングホリデーを経験しました。たまたま、インターネットで「手伝い募集」の広告をみて、応募したら返事が来たのです。 ヴェネツィアの北約60km、ヴェネト州とフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の境にあるピツォック Pizzoc 山の頂上、標高約1500Mのところにある山小屋です。北に目をむければドロミテ等のイタリアアルプスの峰々が広がっていました。昼でも20℃ぐらいと涼しいため、近郊のコネリアーノやヴィットーリオ・ヴェネト、また、遠くはヴェネツィアから避暑にくる人々でにぎわう場所です。涼しくても日差しは強く、納涼兼日光浴(?)をする人も多く見かけました。僕も一ヶ月で真っ黒に日焼けしました。

山小屋には2つの大部屋があり宿泊もできるのですが、むしろレストラン兼バールとして知られています。食事のメニューは肉料理中心。日曜日には、朝から4時間かけて暖炉で名物の肉の串焼きを作ります。アバラ骨付きの豚肉にサルビアの葉を巻いたラードを交互に刺した大串を直火で焼きます。とても香ばしくて食べごたえ充分! ある日のフェスタでは、同じ暖炉で「ブタの丸焼き」を作りました。昼間は手伝いで忙しく食べそこねたのですが、夜に最もおいしいといわれる、ほほ肉の部分をいただきました。他にも手作りのサラミや骨付きステーキ、ソーセージ、チーズ、ポレンタの鉄板焼があります。バールにはきちんとプロ用のエスプレッソマシーンがあり、発電機の電源さえ入れれば、山頂にいながら「バールのカフェ」が楽しめます。コップ一杯約80円とお手軽な地物のワインや、10種類以上あるハーブやフルーツの自家製のグラッパもよく飲まれます。エスプレッソにグラッパを加えるカフェ・コレットも人気がありました。このバールでカフェを作らせてもらったことは貴重な経験でした。普段からバールでカフェを飲むたびに「一度自分でつくってみたい」と思っていたからです。意外と単純な仕組みの割には、水の量の加減等にコツが必要で、慣れないうちは薄すぎたり濃すぎたりと苦労しました。

photo2
山頂から湖を望む
photo3
これが暖炉の串焼き料理!

仕事の手伝いは土日祝だけだったので、平日はキノコ狩り、山歩き、小旅行、読書、勉強などをして過ごしました。キノコは直径20cmぐらいのマッシュルームに似たプラタイヨーロというものが採れるのですが、最初の2,3回は一個も見つからず(毒キノコは見つかりましたが…)筋肉痛だけが残ったものでした。その後はちょうど「時期」になったようで、毎回かなりの数を見つけました。リゾットにするとなんともいえない香り!また、生でサラダにしてもおいしかったです。そのようなめぐまれた食生活を送っていたので、太らないようにと、電気が通じている一番近くの村までよく往復15kmを3時間近くかけて歩きました。北イタリアめぐりの小旅行からの帰りの際に、一度ふもとからピツォック山に歩いて登りました。途中道を間違い、深い森の中をクモの巣だらけになりながら這うように登ったりもしましたが…最後に見覚えのある場所にたどりついた時はホッとしました。

ナポリに住んでいる私にとって、この滞在中に南北イタリア文化の違いを感じずにはいられませんでした。言葉、人々の気質、そして食習慣、あらゆるものが違うようでした。ナポリ方言(ナポリ語)も標準語とはだいぶ違いますが、ヴェネト方言も随分違います。何かアクセントは日本の東北の方言をほうふつさせるものがありました。ヴェネトの人はナポリの事を、日本人がそう聞いてくるように、「危ないところなんでしょ?」とよく聞いてきました。一緒に働いていた山小屋の主の甥っ子たちは、ローマにすら行った事がないと言っていました。実際、親戚でもいない限り、南イタリアに旅行をするような事は非常にまれなようです。食事の違いは、ポレンタを料理の付け合せとしてよく食べるということ。でも、南北かかわりなく同じなのは、「ふっくらしている人」の割合が高いこと…とにかくよく食べるし、元気な人が多いのは、南北変わらないようです。

【寄稿:梅原 大輔 東京都出身 29歳 在イタリア歴2年8ヶ月 ただいまナポリにて人生勉強中】  




私の自然紀行 紹介データ

アクセス:(車利用)Vittorio Veneto より国道422号線でFregonaを経由し、La Crosettaの町を過ぎたところの分岐点でMonte Pizzocの山道に入る。車で約40分。
(鉄道)国鉄Vittorio Veneto駅からタクシーを利用するのがよいでしょう。 *ちなみに私はFregonaからヒッチハイクを試みました。なんと生まれて初めて指を立てた車が、山小屋のすぐ近くまで送ってくれました!
物件:Rifugio Città di Vittorio Veneto
電話:ヴィットリオヴェネト登山協会 (国番号39)0438-500099
営業期間:例年5月〜11月の週末、7月〜9月の中旬までは毎日営業(気候により営業期間は前後しますので、事前に確認されることをお勧めします)

日本人観光客へのアドヴァイス:正直、山小屋までの道のりは少々不便で遠いので、車で行くのが理想的です。登山のお好きな方であれば、登山用地図を片手にVittorio Venetoからバスで行く事のできる町、Fregonaなどのふもと町から歩いていくのも面白いかもしれません。ワーキングホリデーはイタリア語が話せなければできませんが、山小屋での食事や宿泊の参考にしていただければと思います。



◆◆ 投稿募集 ◆◆
読者の皆さまもイタリアでの自然体験談を載せてみませんか?


アグリツーリズム、海水浴、スキー、乗馬、トレッキング、登山、自転車、バイク、または、ただ単に自然に囲まれてボーっと過ごした、そんなイタリアでの体験談をお待ちしています。 

投稿に際しての注意事項
◇掲載は実名でお願いします
◇掲載写真については、採用決定後に編集部からご案内いたします
◇原稿はメールに直接書いて(ワードなどの添付ファイル不可)JITRA編集部 jitra@japanitalytravel.com 私の自然紀行係までお送りください


〜 皆さまの楽しい体験談をお待ちしています 〜





http://www.japanitalytravel.com
©  JAPANITALY.COM srl - MILANO 2000 All rights reserved.