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私の自然紀行 − 読者からの投稿記事 バックナンバー


15 Aprile 2003


「大自然からの贈り物
〜第一回 Monte Bianco(モンブラン)〜」


ヴァッレ・ダ・アオスタ州
Valle d'Aosta



市川 照子



人は美しいもの・素晴らしいものに出会ったとき、言葉では言い表せないある種の感動を覚える。それは人によって、そしてその人の環境によって異なるものではあるが、私はその感動を大都会の刺激より大自然の作り出した壮大さから得ることが多い。きっと東京・ミラノと都会の中でのあわただしい生活リズムによって、知らず知らずに作り出される大きなストレスが、知らず知らずに忘れさせていた澄んだ空気とのんびりとした時間の流れを欲させるからではないだろうか。
その感動を与えてくれる最高の癒しの場を、ここイタリアでようやく発見することができたのだ。それがこれから紹介する“Valle d'Aosta-ヴァッレ・ダオスタ州”。この地域はまだまだ日本人観光客には馴染みは薄いのだが、ちょっとドアをノックしてみると驚くほどの壮大な大自然が迎えてくれる。それらは訪問者に、今まで忘れかけていた、人間にとって生きるために必要な“何か”をきっと語りかけてくれるはず。私はその語りかけを“人間にとって必要なエキス”と考え、この場所を“癒しの空間”と呼んでいる。
初回は、私がこの地域を知るきっかけとなった山。モンブランの魅力を中心にご案内します。

★ヨーロッパ最高峰!
ヴァッレ・ダオスタはイタリア国内で最も面積の小さく、人口の少ない州。この地域の風景の美しさを代表する“4つの女王”(モンブラン、モンテローザ、マッターホルン、グランパラディーソ)が誇る景観とその澄んだ空気は、自然と一体化した壮大な気分を感じさせてくれること間違え無し!そしてこの小さな州が世界に誇る絶景として第一に掲げられるのが、なんと言っても“Monte Bianco モンブラン”。その高さ実に4,810m。全長50km、幅13kmというスケールをもつこの山は、イタリアとフランス間に雄大に横たわり、ヨーロッパ最高峰の名をいやおうなしにみせつけてくれる。さらに四季ごと移り変わる壮大なパノラマと、ダイナミックなレジャーで訪問者を魅了する。冬はスキーヤーの天国というのは言うまでもなく、夏場になると岩壁を上るロック・クライミングや散策、高山のトレッキング、セスナやヘリコプターでの周遊など、山岳愛好家・スポーツ愛好者をはじめ一般の観光客までを魅了する。


写真説明
上:晴れた日の雄大なモンブラン山頂(イタリア側)
左下:夕暮れ時のまた違った絶景!夕日に映し出されるモンブラン。
右下:手が届きそうなところに大空が。気分は最高!
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モンブランの麓、クールマユール Courmayeur の町からバスで10分ほど。La Palud(ラ・パルド)で降り、そこからロープウェーで山頂を目指す。20分毎ごとに出発するロープウェーに乗り、山頂までは2回ロープウェーを乗り継いでの到着。第一のPavillon du Mont Frety(名称:パヴィロン)までは約5分の道のり。上昇とともに界下に広がる景観に注目!この区間からは地上では理解できないこの地域の地形を満喫できる。右下に広がるクールマユールノ町並み。そして左上に広がるのはValley(谷)のささやき。そして忘れてはならないのが同乗しているロープウェー係員。彼らはガイドではないけれども、時々交わす客との会話や皆に聞かせる言葉にも注目あれ!周りのモンブラン連を代表する山の名前や、そのときの山々の様子。そして時々その姿をのぞかせては人々を魅了してくれる野生動物(鹿やカモシカなど)の発見など。彼らはたった5分弱の短い旅をよりアドベンチャーな旅に変えてくれるお手伝いをしてくれるのだ。

さぁ、Pavillon(パヴィロン)に到着。標高2,173mに位置するこの駅は、ロープウェーの最初の乗換え地。さらに上に位置する駅に比べ、最も大きく、設備が整っている。レストランや土産屋、その裏側に広がる高山植物園(別枠:その他インフォ欄を参照)。そしてイタリア側クールマユールを見下ろす場所に位置する大きなテラス。きっと、澄んだ空気と壮大な景観、そして大きなリラックスが与える小さな小旅行(エクスカーション)を楽しんでる気分になるだろう。そして界下に高山植物園を見下ろしながら第二の乗り換え駅 Refuge Torino(名称:トリノ)へ。ロープウェーから降り立ったとき、そろそろ空気の薄さを感じてくるのでは??というのもこの地点で既に3,375m。出発地からPavillonまでの風景とはまた異なり、この区間で目につくのが夏でも残る残雪と残氷の姿。最終地点(山頂)まであと一区間。さらに小さなロープウェーに変わり、同乗する係員もなし(乗り降りの手伝いのみ)。この区間わずか1分という短い時間で到着したのが Point Helbronner!そう、高さ3,462mのこの地点はイタリア側モンブランの最高地点だ。今にも手が届きそうな真っ青な空と澄んだ空気。そして目の前に広がる雄大なモンブラン(4,810m)!さぁ、このモンブランの代表的なレジャー体験へ出発!

★In Estate(2003年夏シーズンは6月1日〜11月2日まで)
夏真っ盛り。イタリアのみならず全世界のバカンスシーズン到来!モンブランの麓クールマユールが特に混みあうのもやはりこの時期。というのも、日本と異なり欧州型のバカンスの過ごし方は“海または山”への一箇所滞在型が主流となる。特に大都市(ミラノ・ジェノバ・フランス・ドイツなど)から訪れる滞在派の人々にとっては、自然から贈られる澄んだ空気と青い空が造りだすゆっくりとした時間の流れを贅沢に満喫するのが目的なのだ。ここに起点をおくからにははずせない第一の観光名所、それが“ヨーロッパ最高峰のモンブラン探索”!!しかも夏のこの期間のみ、イタリア側最高地点 Point Helbronner からフランス側最高地点の Aiguille de Midi(3,842m)までモンブラン国境越えゴンドラが運行される。このモンブランのたくましい姿と調和される周りの見事な景観を眺めながらの贅沢な空間。ただでさえ時間の流れをゆっくりと感じさせてくれるこの地域のなかで、目の前に繰り広げられるモンブランの移り行く姿・・・イタリア側とフランス側から見るモンブランの違った顔をじっくりと堪能できる。

***夏期間:ロープウェー往復料金(大人一人あたり)***
La Palud (出発地)- Punta Helbronner(最高地点)30,50ユーロ
La Palud(出発地) - Refuge Torino (第2乗換駅) 27,00ユーロ
La Palud (出発地)- Pavillon (第1乗換駅) 11,50ユーロ
※0〜4歳まで全て無料。5歳〜11歳まで50%オフ。12歳から15歳まで25%オフ。
※何時間でも滞在可能。モンブラン山頂を楽しんだ後は日光浴や食事などを満喫できる。

Punta Helbronner(イタリア側最高地点)−Aiguille Du Midi(フランス側最高地点)17,50ユーロ
Punta Helbronner(イタリア側最高地点)−Cahmonix(フランス側モンブラン麓町)39,00ユーロ
※上記チケットはPunta Helbronnerにて購入。

***夏期間:ロープウェー運行時間***
夏期間でもさらに細かく分けられている。下記を参考にしつつ、訪問日によってのスケジュールを再度確認要!
●夏期間中:トップシーズン(7月26日〜8月24日)
La Palud(昇り) 始発7時20分。(その後20分毎に出発)
Helbronner(降り) 最終17時30分(天候によっては最終が17時となる場合もある)


写真説明
左下:スキーにてモンブラン超えをすると、このような別の姿も見られます。
下部に見えるのは氷でできたクレパス。
右下:モンブラン全体図。ロープウェーチケットを購入の際にもらえます
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photo3

★In Inverno(2003-2004年冬シーズンは02年11月3日〜03年5月31日まで)
スキーヤーには特だね情報!このモンブランの山をイタリア側から始まりフランス側へスキーまたはスノーボードで滑り降りるダイナミックなヨーロッパ最高峰国境越えスキーがここで体験できる。これは Fuori Pista (通常の整備されたゲレンデとは異なり、山の斜面をそのまま滑り降りるまさに大自然と一体化した贅沢なスキー)と呼ばれ、ここモンブランでは Vallee Blanche (ヴァッレ・ブランシェ)の名称で有名。イタリア側モンブランの最高地点 Helbronner(3,462m)から滑り始め、フランス側モンブラン麓の町 Chamonix(シャモニー:1,030m)へ到着する全長24km!のロングコース。ここでは通常目にすることのできないモンブランの裏・奥の神秘をかいま見ることができる。強風によって変形した岩やあちこちに顔をのぞかせる氷山(?)の深い裂け目。そして真っ青な空から夕暮れの黄昏色に変わるとき、ところどころに連なる高く尖った山脈がパステル調に移りゆくその色彩の変化。まさに人間の想像をはるかに越えた壮大な絶景が映し出される。これらの自然から贈られる雄大な舞台セットを背景にスキーをしたら・・・想像してみて!きっと忘れられない素敵な風景が心の中に刻まれるはず。
ただし、これらのFuori Pistaには必ずガイドをつけられることを強くお勧めする。何故なら、設備されたゲレンデではない以上、予想不可能な出来事も発生しかねない。プロのガイドは的確にどの場所が危険かを熟知しており、安全な道に導いてくれるし、その自然の神秘がもたらす絶景を名称とともに説明してくれる。

さて、無事にシャモニーに到着したらバスにてモンブラントンネルを通過しイタリアへ。私は3時間かけて滑り降り、このモンブラン国境越えスキーを満喫した。こんな経験もまた楽しい。

***冬期間:ロープウェー料金(大人一人あたり)***
La Palud (出発地)- Punta Helbronner(最終地)  往復 29,50ユーロ 14時以降の出発 24,50ユーロ
※0〜7際までは無料。8〜15歳までは50%オフ。
La Palud (出発地)- Punta Helbronner(最終地)  片道 23,00ユーロ

**冬期間:ロープウェー運行時間***
La Palud(昇り) 8時20分〜12時40分 / 14時〜16時 (20分毎に出発)
Helbronner(降り) 8時40分〜12時40分 / 14時〜16時30分 (20分毎に出発)

♪次回はアオスタ→クールマユール間の旅をお届けします♪

【市川 照子(イチカワ テルコ)日本では7年間旅行会社に勤務。主に海外(特にヨーロッパ方面)を担当。退職後、単身イタリアへ渡り、旅行業ランドオペレータとして勤務。現在、自身が魅せられたこの地域を日本へ紹介するために活動中。ミラノ在住。】

※市川さんにはこのコーナーの2003年2月17日号「念願かなった3年越しの海外初スキー」でも寄稿していただきました。イタリアアルプスに魅せられ、ご自身の職歴も生かし、アルプスの自然の魅力を広めるために活躍されています。次回も市川さんの投稿の続きです。お楽しみに!
 


私の自然紀行 紹介データ

■アクセス

■モンブラン
◆モンブランロープウェー
Funivia Monte Bianco S.p.a 
Fraz.La Palud Tel:0165-89925 Fax:0165-89439
www.montebianco.com info@montebianco.com

◆アクセス
ミラノ及びトリノからアオスタまで高速バスが運行。そこからバスに乗り換えて1時間。(ミラノからはガリバルディ発着。一日3本クールマユール直行がある。所要時間:3時間半) アオスタ-クールマユール間は1時間に1本。クールマユールからはバスが運行。そこからLa Paludまで約10分で到着。切符はクールマユールのバスターミナル脇の切符売り場にて購入。 Savda (Pullman) P.le Monte Bianco 3 Tel:0165-842031 Fax:0165-841237

◆ツーリストインフォメーション Azienda di Informazione Turistica
Piazzale Monte Bianco 13 Tel:0165-842060 Fax:0165-842072

◆個人で旅行される皆様へ
現地ガイド協会及び、ツーリストインフォメーションにおいては英語かイタリア語が必要。そのため、夏・冬のアクティビティに関して、または目的別レジャー(スキー&スノボー、ロック・クライミングなど)に関してプロのガイド必要とされる場合は、私が日本語にてガイドの依頼から紹介までお手伝いを致します。また、この地域を訪問するにあたってのご質問に対しても、できる限りご協力させていただきます。何なりとご連絡ください。
連絡先:市川 照子(イチカワ テルコ)  terurinteruteru@hotmail.com

■その他情報
◆Il Giardino Botanico Alpino Saussurea(高山植物園)
第1乗換え駅:Pavillonで下車。その裏手に広がる高山植物園は2,175mに位置し、ヨーロッパで一番高い場所にある植物園。800種以上もの高山植物が育成され、全世界120もの大学と科学的情報交換を持っている。モンブラン山脈の素晴らしい風景と共に、ちょっとした散策や日光浴を楽しむことができる場所。

◆La Mostra Permanente dei Cristalli(天然クリスタル展示館)
最終地点:Punta Helbronnerで下車。その脇に設置されているこの博物館は、モンブランで収集された天然のクリスタルが展示されている。その神秘的な美しさにきっと魅了されるでしょう。入場無料。




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