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私の自然紀行 − 読者からの投稿記事 バックナンバー

15 Settembre 2003


「大自然からの贈り物
 〜第三回:実際の暮らしの中で〜」


ヴァッレ・ダ・アオスタ州
Valle d'Aosta



市川 照子



“畑にパスタ用のバジリコとパセリをとりにいったらトマトが熟れてきてたよ。間もなく食べごろだ” “去年収穫したフンギ・ポルチーニを使ってリゾットをしよう。もうすぐ今年の収穫時期だね。今年は雨が少ないからどうかなぁ”・・・日常のなんてことない会話。でもミラノで暮らしてたときには絶対口にしない会話!

とうとう、引っ越してきてしまいました。この大自然あふれるアオスタ州へ。確かに私が惚れ込み何度も通いこんだこの場所。でもまさか自分が実際に暮らすとは。しかもこの辺りに住む唯一の日本人として!!自分の行動力に私自身がビックリすることも多々ある中で、この大胆不敵な引越し騒動は、私だけじゃなく回りの人をも驚かせたのは言うまでもありません。
私が暮らすこの村は、クールマユールから車でアオスタ方面にわずか20分ほどのLa Salle(ラ・サーレ)とういう小さな村。家の前にはヨーロッパ最高峰のモンブランが眺め、その山の向こうはすでにフランスという北イタリアに位置します。もちろん360度見渡す限りの山々。その谷間の裏側には数多くの想像を絶する壮大な光景が繰り広げられます。まさに大自然が作り出した自然の姿。その多くが国立公園として指定され、大切に保護・管理された上で常に訪れる人々の心を潤してくれているのです。
イタリア人の友人の一室を借り始まった私の大自然の中での暮らしは日々感動と驚きの連続。今回は私のここでの実生活にスポットをあてながらこの地域の魅力をご紹介します。

〜Val Ferret(ヴァル・フェレット)〜
地図上で見るとモンブラン観光の中心となるLa Palud(ロープウェー乗り場)から右側のValle一帯を指すこの場所は、友人がはるばる私を訪ねて来てくれるたびに連れて行くお気に入りの場所の一つ。私がこの場所を知ったのは偶然の出来事からでした。忘れもしない3年前、初めて訪れるクールマユール。当然私もこの場所を知るよしもなく、確かな情報もないままペルージャで知り合った友人だけを頼りに一人ミラノからバスに乗り込みました。早朝7時ミラノ発。バク睡状態からふと目覚めたそこは既にアオスタ。そのとき隣の座席のスペイン人が“自分はモンブラン観光をするつもりなんだけれども、クールマユールへ到着後ロープウェー乗り場まではどういったらいいんだろう?”と話しかけてきたのです。今考えれば非常に滑稽なことだけれでも、彼が口にするのは英語。私はイタリア語。幸いにもお互い相手が何を言ってるのか理解できるだけのヒアリング力があったために2ヶ国語を用いながら旅の道連れとなったのです。(・・・お互いの母国語からは無縁なその言語を用いて)その日は残念ながら今にも雨が降りそうな曇り空。当然モンブランに登ったとしても何も見えないというわけで私たちは気ままに散歩することにしたのです。そこがまさにこのVal Ferret。
・・・そして3年後。先日フィレンツェに住む友人が遊びに来てくれた際に彼女を連れて行きました。何度も来てはいるけれどもいつも車だったので今回はクールマユールからバスで終点Lavacheyまで行き、同じ道を徒歩でおりてくる散策パターン。モンブラン山脈連の反対側はもちろんフランス。このLavachey前方はスイスといったように2ヶ国を隣接する場所でもあります。マジかに迫るモンブラン山脈連の絶壁とその下に流れる川。この川は周りの山々の山頂に残る残雪が溶け、山肌の滝から流れ込みつくり上げられたもの。道の反対側には小さな小川が見られます。この透明な水はまさに自然が生み出したミネラル。さらに下っていくと牛の群れに出会い、その先にはこの地域の特産品である’Fontina(フォンティーナ・チーズ)’をはじめとした新鮮なチーズを販売している山小屋に出たどり着きます。歩くたびにある意味贅沢な気分と生まれ変わるほどの新鮮さを感じさせられる場所です。ちょっと疲れたら近くのBarで一休み。自然が生み出した絶景とマジかに迫る岩肌を目の前にAperitivo(アペリティーボ)をしてみてはいかが??その澄み切った空気と横たわる大自然が手伝って、きっとイタリアのどの地域でするアペリティーボより爽快な気分を味わえるはずです。
ただ、注意していただきたいのがバスの時刻。この地域とクールマユールを行き来しているバスは1時間に1本程度。そのため“ちょっと疲れたからバスにのろう”なぁんて都会と同じ感覚でいたら大変です。待ち時間の間に目的地についてしまうなんてこともあり。散策の前に、もしくは散策中に自分の体力に語りかけ、バスを必要とする場所と時間の計算を早めにすることがポイントです。


写真説明
上:畑やブドウ畑にまかれる水と、太陽の光が反射してかかる虹。夏、至るところで目にする光景です。
左下:大自然からのミネラル。見てください!!この透明感。感じてください!その冷たさを。
右下:私が住む村’La Salle’。教会のある場所が丁度村の中心に位置します。
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〜Val Veny(ヴァル・ヴェニ)〜
地図上でいうと、上記で紹介したVal Ferretのまさに反対側の左側に位置するValleがこの地域を示します。やはりクールマユールからバスが運行されていますが、1時間に1本程度。
この場所はモンブラン山の真下に位置することもあり目の前には壮大な残雪とそれが溶けて流れ落ちる滝をかいま見ることができます。Val Ferretと変わらない代表的なものといえばやはり山裾を横たわる川。もちろん高山に残された残雪や残氷が溶けて滝から流れ込み出来上がったものです。それを象徴する石灰色に濁った水がしぶきを上げて流れています。この地域の代表的な風景といえるでしょうね。そのすぐ脇には底まではっきり見えるほど澄みきった小川とバーベキューやキャンプができるエリアが広がり、夏には連日賑わっています。バスで訪れた際は終点Visailleで下車。この先はトラッキングコースとなります。荘厳な川の流れと静かで穏やかな小川。そして時々風と語り合う木々のささやきや澄みきった新鮮な空気を身体全身に感じながら同じ道を徒歩で戻る散策を楽しんでみることもお勧めです。

〜Chamonix(シャモニー)〜
クールマユールからモンブラントンネルを通過しバスでわずか45分。フランス側モンブラン麓街のChamonix(シャモニー)にたどり着きます。私が一番に驚かされたのが言語。もちろんフランスだからフランス語が話されるのは当たり前。でも、たった一つ山を隔てただけでそのすぐ裏にある国の言語(イタリア語)があまりにも通じないことにビックリ!!というのもクールマユールのBarやレストラン、もしくは住民までもモンブラン山の反対側(いってみれば国は違うけど隣近所の距離)フランス語は通じます。例え話せなくても聞いて理解することはできます。それが当たり前だと思っていた私はここシャモニーで一苦労しました。
 まず、バスでモンブラントンネルを越えフランスへ入国。国境にてその日はたまたま〜〜(陸から簡単に行き来できるEuropa。国境を越える際は必ずパスポートを持参してください。ただ、必ずしも毎回コントロールがあるとは限りません。その日の係員次第?! 実際、2度目には全くコントロールがありませんでした)〜〜バスの中に係員が入ってきていわば入国審査といわれるべきコントロールが行われたのです。“あっ、しまった。忘れないように出しておいたパスポートを机上に忘れた!!”・・・ここで降ろされたらどうやって帰ろう・・・なんてあせっている私の席へ係員が。“???”彼はフランス語で何かを問い掛けてきたのです。もちろん、私はイタリア語と英語にて忘れてきてしまったことを説明したものの両語とも通じない?!やけっぱちで“私は日本人だ!!パスポートは忘れたけど日本の運転免許証がある”と訳分からない言い訳で日本の免許証を提示。彼はしばらく考え込んだのち“日本人、オッケー!”・・・・・運転免許証には確か日本語しかかかれていない。私の席の前では韓国人家族が念入りにチェックを受けていた。いったい何を根拠に私が日本人だって理解できたのだろう。というよりも日本人というのはこれほどまでに時には国境顔バスになろうとは。
 さておき、とにかく入国成立。ここシャモニーは同じモンブラン麓町とはいえクールマユールに比べ日本人観光客の知名度が高い町です。そのため至るところに“レンタルスキー”といったような日本語で表示された看板を目にしました。またイタリア側から望むモンブランとは違った姿を見せるその光景にひとたび夢中にカメラを回し、そしてフランスらしい、でも観光化されたその町並みに没頭しながら歩くこと2時間。当然おなかも空いてきます。ふと入ったマクドナルドのレジにて、これまたよせばいいのに“郷に入れば郷に従え”という言葉に必要以上に感化されてる私は(というより単なるチャレンジャー)知ってる唯一のフランス語をさも得意げに使ってみました。もちろん満面な笑顔付で。“ボン・ジュール!”・・・・“(レジ係員)ボン・ジュール〜〜〜〜”とりとめなく続くフランス語攻撃に顔を引きつらせながら、ひらきなおってジェスチャーにて何とか空腹を満たす食事をGet。だって、トライしたものの英語もイタリア語も通じない。これじゃぁ、ジェスチャーしかないでしょう。(使えないフランス語をさも得意げに使ったことに関しては反省の余地なし!!この図々しいほどの度胸と行動力は今や私のチャームポイントです♪)
さて、お勧めの一品があります。是非試してください。“Mont Blanc”といわれるモンブラン地ビール。白・赤とありますが私は白ビールを試しました。なかなかさっぱりしたのみ心地でお勧めです。


写真説明
左下:Val Venyの風景。ここアオスタはこのようななだらかなValleyに囲まれています。
右下:山すそに広がるバーベキューエリア(Val Veny)
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〜(余談)中田選手!!〜
私が住む隣村、Morgexに今年も中田選手の所属するパルマがキャンプをはりました。今年は7月中旬以降。ご近所だからこそ行って来ました、練習スタジアムへ。
その日、午前の練習を見終わった私は選手が出てくる場所に待機。しかし、イタリアのサッカー選手は本当にフレンドリーですね。気軽に写真やサインに応じてくれるほか、ファンが“今年はやってくれるよね!”なぁんて言葉にも笑顔で応えてくれてます。そんな中で唯一の日本人である私は、それをいいことに中田選手が出てきた際にベタベタの日本語で“中田選手!!”と一声。もちろん写真とサインをもらいミーハーな私は午後の練習も翌日もこのスタジアムへ足を運んだことは言うまでもありません。
これを書いてるときは丁度、ラッツィオへの移籍が噂されている時期。もし、残留するならば来年も必ずこの場所でのキャンプに参加するでしょう。是非是非、来年の7月この場所を訪れるならば旅行に花を飾る思い出としてサッカー練習見学っていうのもいかがでしょうか?!
〜ちなみにキャンプ中の滞在地は私が住むこの村の4ッ星ホテルです。その名も“Hotel Monte Bianco”〜

〜モンブラン観光最新情報〜
最大のバカンスシーズンである8月が終わりに近づき、この地域にもようやく穏やかで落ち着いた普段通りの生活が戻りつつあります。クールマユールは当たり前ですが私が住むLa Salleも夏の間は本当に賑やか!!人口が何倍にも膨れ上がり、そのほとんどが観光客で埋められます。フランス、スイス、ドイツ人をはじめとした欧州人。イタリアからもミラネーゼ、ピエモンテーゼ、トリネーゼなどなど。当然この村の人にとっては同じ時期から突如現れ、村中に出没する不思議な東洋人(私)をその観光客の一人だと思ったようです。

さて、9月8日からこの地域はシーズンオフとなります。それにともないモンブラン観光をする際のロープウェー運行時間、及び料金も変わりますので下記を参考にしてください。再びこの地域が賑わうのがもちろん冬。今年は12月7日から各スキー施設がオープンする予定。ダイナミックなスケールでの冬スポーツが待っていますよ。

☆Mt.Bianco(モンブラン山)〜オフシーズン〜☆
08Sep’03〜02Nov'03

*ロープウェー運行時間:08:20〜16:40(但し13:00〜14:00除く)
*料金:La Palud⇔P.ta Helbronner(往復)→ 大人一人30,50ユーロ
          ;              → 家族割引 大人二人+子供二人(4歳から15歳)85ユーロ
*モンブラン越えロープウェー(イタリア側→フランス側)の運行は9月末までとなります。

食欲の秋到来! この時期近くの森でフンギポルチーニが採れるんです。今年は私も挑戦!次回は秋ならではの旬の味覚を取り入れた魅力あふれる内容でここアオスタ州を紹介します。
おたのしみに♪♪

**個人で旅行される皆様へ
現地ガイド協会及び、ツーリストインフォメーションにおいては英語かイタリア語が必要とされます。そのため、夏・冬のアクティビティに関して、または目的別レジャー(スキー&スノボー、ロック・クライミングなど)に関してプロのガイド必要とされる場合は、日本語にてガイドの依頼から紹介までお手伝いを致します。また、この地域を訪問するにあたってのご質問に対しても、できる限りご協力させていただきます。何なりとご連絡ください。(下記参照)
連絡先:市川 照子(イチカワ テルコ)  terurinteruteru@hotmail.com
〜これからの季節、特に下記の要望にお答えします〜
*モンブラン観光・・・お任せください!!現場モンブランロープウェーと唯一且つ直接的なパイプがあります。山の天気は変わりやすいとはいいますが、まさにその通り。観光に必要な事前情報を生でお伝えできます。
*Valle Branche (モンブラン越えスキー;ガイド手配)・・・スキー大好きな方。お問い合わせください。
*モンブランの麓。大自然の中での生活〜日本人とイタリア人との家庭に滞在〜 一泊最大2名様から手配可能です。朝食&夕食込み。  

【市川 照子(イチカワ テルコ)日本では7年間旅行会社に勤務。主に海外(特にヨーロッパ方面)を担当。退職後、単身イタリアへ渡り、ミラノにて旅行業ランドオペレータとして勤務。現在、自身が魅せられたこの地域へ移り住み、ここの魅力を日本人観光客へ紹介するために活動中。アオスタ州La Salle在住】  


私の自然紀行 紹介データ

■クールマユールまでのアクセス
ミラノ及びトリノからアオスタ経由クールマユールまで高速バスが運行。
電車の場合。Chivasso(キバッソ)乗換えにてアオスタへ。アオスタ→クールマユール間はバスが運行。(1時間に1本程度)このバスの所要約1時間ですが、前回の記事でも書いたように途中の村中をゆっくりと巡回していきます。車で国道を通ると30分程度の距離です。

Savda (Pullman) P.le Monte Bianco 3
Tel:0165-842031 Fax:0165-841237

*ツーリストインフォメーション(Aosta)
Piazza Chanoux, 8
Tel:0165-236627 Fax:0165-34657
*ツーリストインフォメーション(Courmayeur)
Azienda di Informazione Turistica
Piazzale Monte Bianco 13
Tel:0165-842060 Fax:0165-842072




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