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15 giugno 2011
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![]() ●イタリアの街 ヴェローナに来てホテルから地図をもらい街にでたときのこと、川岸にある大通りを目指し歩き始めてまもなく、大きな通りに出ることなく川に着いてしまった。もう一度地図をよく見ると大通りは5メートルより少し広いくらいで、普通の道は3メートルに満たないものもありスケール感がかなり違う。銀座通りともいえるマッツィーニ通りでさえ一般的にいうと小路で、しかし部厚い大きなピンク色の大理石が敷き詰められた歩行者専用で、道の真ん中が窪んでいてデザインされた排水路になっている。車が全く通らない設計なので安心感と品がある。 最初のころ街を歩いていると、前庭もなく隙間もなく建物が壁のように続くので、たまに大きな扉が開いて緑豊かな中庭が見えると驚いた。繁華街のどまんなかでも中庭は必ずあって、高い木立に渓谷があり小川が流れていたりすることもあり面食らう。これはヴェローナだけのことではなくイタリアそしてヨーロッパに共通と思えるが。
写真上:ヴェローナ市内の通り
写真下:緑豊かな中庭
●私のアパート 16、7世紀のもので、モーツアルトより前なので、彼が近くの僧院に泊まったとされている旅の折に、この建物を見たかもしれないなどと想像するのは楽しい。入り口の大扉の高さは3メートル以上、ふだんは扉についている小扉から出入りする。扉を開けると昼にも暗い3階ぶんくらい吹抜けエントランスがあって中庭に続いている。
この大扉と大層なアプローチは馬車の時代に中庭に馬車を回すためのものかもしれない。 あるとき見知らぬ女性から電話があり家を見せてほしいという。訪ねてきて語るには、この家で彼女の父親が生まれ育ったとのこと。そして裏に1930年と手書きしてあるモノクロの外観写真を見せてくれたが、今は地中に埋設されている電線が空中を舞っているだけの違いであった。こちらでは当たり前のことだが。
しかし間取りはまったく違っているらしく、昔は2つのアパートであったらしい。道なりに建っているので部屋は直角な部分が少なく、トイレと洗面所の奥に3畳ほどの浴室があるという面白い間取りである。
●貸アパート
こちらのアパートではビデは必ずあるが浴槽付きは少なく、浴槽といってもどうやって使うものか足をのばせない浅いものもある。ホテルでもシャワーのみが一般的である。日本のウオッシュレットに比べてビデはスペースも要るしお金もかかるのに、きっと文化なのだろう。
シャワーといえば3ヶ月住んでいたペルージャの大家は大変な倹約家で、シャワーには弁当箱を少し大きくしたくらいの極小湯沸器がついていて、最初に使ったときのこと、体をざっと洗い髪にシャンプーを注ぎかけ泡立てようと思ったらもう既にお湯がなく,水で震えながら洗い流すことになった。お湯の温度を上げようと思うと,38度以上にはならぬようしっかりビスで留めてあった。それでも日本人は毎日シャワーを使うという理由で,最後の支払いのときに家賃に含まれているはずの光熱費を別にとられたのである。
ヴェローナは大理石の大産地なので,階段や床などに分厚い大理石がふんだんに使ってある。しかし不動産市場では寝室はフローリング貼りがグレードが高いとされている。
空調はあまり普及していないが、イタリアも地球温暖化による異常気候で、冷房なしではかなりきつい。2003年の異常な夏で懲りたので、私は寝室に冷房をつけたが、ここは世界遺産の街、室外機を外壁につけられなくて、中庭側の屋根に載せる大工事になってしまった。世界遺産の維持は大変で、近所での屋根の修復も,わざわざアンティークの瓦を取り寄せて、以前と変わらぬ外観に仕上げている。
イタリアのアパートの天井は高いので、標準の家具の高さ2.6M が余裕で置ける。網戸はどういう訳かあまり普及していない。ゆえに日本ではあまり見かけない蠅や蚊で苦しめられる。日本人は蚊によくさされるが、蚊も珍しいもの好きなのか。
キッチンのシンクは一般的に小さい。大きなお鍋も入らないくらい、家のは幅33cm奥行き40cmが1個所で信じられないサイズである。オーブン料理が主であまり大きな鍋を使わないためか、それでも大皿を洗うときなどは不便だろう。
著書プロフィール |
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