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奥山陽子のハラハラ、イタリア日記
15 Luglio 2011
第9回
イタリアとは


奥山陽子

●都市国家のなごり
イタリアは統一されて150年後の今も、中央集権国家と違ってそれぞれの都市の特徴が生かされている。建築様式から、名物料理、方言、風習などが車で30分も走るとまったく変わる。

方言は北イタリアでは誇りであって,就職のときの条件になっているところもあるとか。また、旅先の小さい街で素敵な洋服や小物、家具などが見つかる。近ければ買って帰るのに、と悔しい思いをするのもたびたび。料理もしかり、ヴェローナから1時間弱のマントヴァはカボチャや肉入りのリゾット、ヴィチェンツァはバカラという塩鱈料理が有名であり、ヴェローナはペアラという各種の肉やソーセージなどをボイルしたものに特製ソースをかけて食べるのが御馳走である。

イタリアの標準語を学びたいと思い、どこの地方でならと聞いたところ、そのような地域は無くて、テレビのNHKのようなRAIという放送局のニュースが一番近いとのこと。

 写真上:ヴェローナ市の中心 エルバ広場
写真下左:ヴェローナ ブラ広場がエジプトに? 野外劇場用の大道具置き場になっていて,クレーンで毎日吊りあげて背景を変える。これは”アイーダ”用の背景    写真下右:この薔薇は、セビリアの理髪師の背景

●イタリア人は話し好き
電車で親しげに話し合っている人が、別々のところで降りてゆくのに驚いた。あたかも親友か家族のように見えたのに、、。 イタリア学校でも会話のクラスの先生が、“あなたたちどうして話さないの、話さないと上達しないわよ”とよく云っていたが、先生が立て板に水で話つづけるので口をはさめなかった。私たち日本人は人が話しているときには待つようにとしつけられていたので。他の国の人たちさえも話せないでいた。 テレビの討論会では3人や4人が同時に話していることもざらである。ずっと見ていると声の大きさで勝ち残るみたい。 ある人がイタリア人に“どうしてそんなに速くしゃべるの”と聞くと、“速ければより多くのことが話せるでしょう”と云った。

●イタリア人は人情深い
何か困ったことがないかと気にかけてくれる人が多い。 いろいろなことを頼んでもお金を受け取ってくれない。例えばパソコンを直してもらったり、教えてもらったりしても絶対に払えないし、贈り物をあげてもおこられる。無料だと次が頼みにくいし、教えてもらいたいときなど、図々しそうに思えてほんとに困るくらい友達になると情があつい。
●イタリアはカップル社会
ディナーのお呼ばれはカップルが原則。友人を夕食に呼ぶときには4人呼ぶと8人になる。家がそんなに広くないので8人から10人が限度。配偶者とお知り合いになるのはいいが、話題が一般的になってしまい物足りない面がある。日本に居たときは友達は友達、配偶者は別ものという感じで、長年の親友も配偶者には会ったことがない。こちらではディナーの約束は大変、夫が妻が、、と両方の都合が合わないと欠席になるのが普通。一人で来た時から彼らの関係が怪しくなっているのが今までの私のつたない経験。

写真下:エルベ広場とはローマ時代の野菜、果物市場のこと今でも一部には野菜が。

私の高校時代の同級生が5人ヴェローナに遊びに来た。女性3人男性2人で、男性一人を除いて配偶者が居るのに全員単身で、2週間以上滞在した。イタリア人はびっくり、みんな家庭内離婚(こちらにもよくある)なのか、心配ではないのか、、など。彼らは家庭円満なためお互いに好きなことができる、などとは考えられないのである。
そのため離婚をするとカップル社会から女性ははじき出されるそう、なぜかというと妻たちが夫を奪われると戦々恐々になるからだとか。ああ恐ろしい。その面日本はよかった。

●イタリアのママは偉大
世界中の子供たちにとってママはみんな太陽だけれども、イタリアのママは特別。20代の男の子が一日に何度もママと話していたりする。マンモーネという言葉があるが、これは男の子にとってママが理想でありすぎて自立できない症候群である。また就職しても親元に住んでいる若者も多く、親元で同棲していたりする。日本ならふつうは家に食費などを入れるけれども、、と聞いてみると、飛んでもない、子供からお金を取るなんて、子供である限り、いくつになっても私の庇護のもとよ、という答え。親子関係も情が深いというか子供が甘えているというか。

しかし老後に老人ホームに親を送るのは恥という感覚があるようである。ここではバダンテといって、東欧やロシア近辺などから老人の介護を専門にする女性を受け入れているので、別居しながら老親を看ることができるためでもある。

●イタリアは個性を尊ぶ
人と変わっていても困らない世界、むしろ認められる。一列縦隊にならぶなんてもってのほかという世界である。いじめは人間社会ゆえ無くはないが、陰湿ではないようである。自分の自由も人の自由も尊重される。人は人、私は私で、過ごしやすい。

著書プロフィール
奥山陽子 (Okuyama Yoko)

東京に生まれ、北海道大学工学部建築工学科卒、丹下健三のもとで東京カテドラルのコンペ、広島平和公園聖火台、聖心女子大学などのプロジェクトに参加。その後、創成社建築設計事務所を開設し住まいと住環境をテーマに住宅や集合住宅の設計、住宅地域計画などを行う。1990年代には日本建築家協会理事もつとめた。  

それまでに培ったアートへの素地と憧憬は、独自の手法によるアート作品制作へと向い批評家や愛好家の支持を得て、イタリア国内および国外での個展などへの参加となった。その作品はイタリア以外にも、アメリカ、フランス、イギリスなどで収集されている。1999年よりイタリア在住。
「奥山陽子のアート」サイト  http://www.yokookuyama.com
「旅のサイト」  http://www.northitaly.net/
(写真右上:筆者、ニューヨークでの展覧会会場で)            




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