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イタリア・オリーヴオイル紀行
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15 marzo 2008
Viaggio per scoprire l'olio d'oliva


第3回
良質のオイル作りに情熱をかける
モンテッキア(ディ・パスクアーレ)



アブルッツォ州 Abruzzo


中村ゆき子

■オリーヴオイルの恩師、モンテッキア氏
私がオリーヴオイルの仕事を始めて8年目になりますが、それ以前からお付き合いのある「モンテッキア社」。以前はディ・パスクアーレ社といっていました。
イタリアのアブルッツォ地方にあります。
アブルッツォは、観光地というよりオリーヴオイル、ワイン、パスタなど農業が盛ん。美味しいものがあるところで有名です。恐らくモンテプルチャーノ・ダブルッツォというワインを飲んだことがある方は多いかと思います。これはモンテプルチャーノ種(葡萄の品種)で作った「ダブルッツォ=アブルッツォ地方の」ワインということです。けっこうお安く手に入るので、よろしかったらぜひお試しになってください。

ボローニャからアドリア海側に向かって下り、マルケ州を抜けてさらに南下。ユーロスターで約3時間ほどでペスカーラに到着。畑はそこからさらに内陸に1時間ほど走ったモーロ・ドーロという町にあります。
アドリア海からの海風と2000m級のマッサ山からの冷たい風が交差するこの地方独特の気候が、オリーヴオイル作りにとても向いた土地といわれています。

この「モンテッキア社」でオリーヴオイルの管理を一手に担っているジェンナーロ・モンテッキア氏は、まだオリーヴオイルについて何も知らない私に懇切丁寧にいろいろと教えてくれたいわば私の師匠、恩師の一人です。
ひげもじゃで強面だけど、ものすごく優しくて、行動力があるジェンナーロ。家族思いで、オリーヴオイル作りに並々ならぬ情熱を持っています。


写真トップ:除草剤、農薬を撒かない健康なディ・パスクアーレの畑
下左:モンテッキ氏とマッシモ君とマルコ君兄弟、右:搾油所で食事。疲れているけど、ウレシそうなみんな。

■搾油まで12時間以内!
畑の摘み取りは、機械式。振動機でいっぺんに振り落とします。彼にとって手摘みとは、「時間と人件費がかかる上に、大切なオリーヴ実を足で踏みつけてしまう最悪な方法!」なのだとか。これには、土地の条件(あまり急勾配ではない、樹の間隔があいているなど)が関係しますが、私も納得しているところ大。

摘み取ってすぐにふもとの搾油所に運び、まもなくオリーヴオイルにしてしまう。この、摘み取りから搾油までの時間が短ければ短いほど良いオリーヴオイルを作るのに欠かせない条件なのだそうです。イタリアでは、72時間などとされていますが、モンテッキア氏によるととんでもない!とのこと。24時間だって本当は長い、うちじゃぁ6〜12時間後にはオイルになっているよ!彼のオリーヴオイル作りの哲学のひとつです。

収穫期には24時間体制で収穫&搾油を繰り返します。寝ないで働くFrantoiani(フラントイアーニ・搾油人たち)のつかの間の楽しみは、食事。現場を離れられないので、この期間は皆搾油所で食事を取ります。ジェンナーロの奥さんも寝ないでマカナイを作ります。こういうところでも、ちゃんとプリモとセコンド、ワイン付、カッフェまで。イタリアは食に手を抜きません^^

モンテッキア社は、「シノレア方式」いわゆるパーコレーター式という方法でオリーヴオイルを搾っています。シノレアは、搾油中に一切プレスをかけたり、空気に触れる工程がなく、非常に良質のオイルをつくることが出来る方法です。
それまで、石臼などを使った伝統製法が良いのでは?と思っていた私には、この搾油方法を見たときは衝撃的でした。良いオリーヴオイルを作るためにはいかにいろいろなことを知らないといけないか、そんな気持ちにさせられたのです。まだ、今の仕事を始める前の話でした。

ディ・パスクアーレの畑では5種類のオリーヴの実を育てています。搾るとそれぞれ色が違います。味も香りも違います。おもしろいでしょう?でも、オリーヴオイルは色によって判断しませんから、この違いは良し悪しの材料にはなりません、あしからず。


写真左:それぞれ色の違うオイル、中:出来たてのオリーヴオイル
右:オリーヴの木の間に見える茶色の物体がオリーヴの搾りかす


■種も有効活用
彼らの畑には、搾られた後のオリーヴの搾りかすが、肥料として撒かれます。
かすの中にも多少の油分が含まれているので肥料としては抜群。畑の土壌改良に役立ちます。オリーヴって無駄なところがないのです。

しかも、数年前から、搾りかすの中から種を取り出す技術に成功!この種がストーヴの燃料としても大活躍しています。
モンテッキア氏宅では、木材片を使用するタイプのストーヴを使っていましたが、これにオリーヴの種をくべたところ、ものすごく調子が良いのだとか。一度くべると温かさが長持ちし、3LDK(といってもかなり広い)の彼らの家全体を暖めるのに充分で、18時間以上燃えているのだそうです。これで、燃料もかなり節約!美味しいだけじゃなくって、オリーヴって本当に役に立つ植物なんですねぇ。

オリーヴオイルは植物油ですが、他の植物油と違うところは農業製品だという点でしょう。
普通植物油は種からとりますが、種は輸入も可能ですし、ストックして1年中搾ることが出来ます。でも、オリーヴの実は長い輸送に耐えない、ストックも出来ないという特徴を持っているので、その場ですぐに搾らなければいけないのです。収穫期(10月の後半〜12月半ば。地方によって、天候によって違う)の約2ヶ月間に、1年分のオリーヴオイルを作ります。
もちろん、年によって味も香りも変わりますし、搾油量も違います。日本では、毎年ワインの出来不出来を語る習慣があるのに、オリーヴオイルについてはまだ語られることはあまりないようです。早くそんな日が来ることを夢見て!います。

今ではオリーヴオイルを追い掛け回して、いろいろな人と出会いますが、モンテッキア氏は、私がこの「グルグル追いかけ仕事」を始めた最初の頃に出会った大切な恩師。これからもいろいろな話を聞けることを楽しみにしています。

フラントイオ・モンテッキア(ディ・パスクアーレ)
Frantoio Montecchia (di Pasquale)

C/da Case di Pasquale, Morro d'oro (Teramo)
Tel: 085-8958021
http://www.frantoiodipasquale.com

著者プロフィール
中村ゆき子(なかむら ゆきこ) 
東京生まれ。日本オリーブオイル協会副会長。ルナ・エ・ソーレ代表ゼネラル・マネージャー。イタリアのオリーヴオイル専門の輸入を手がける。貿易の仕事をするかたわら、イタリアの食材輸出会社へのインターンシップに行き、現地のオリーヴオイルの虜になる。帰国後ルナ・エ・ソーレを立ち上げ、オリーヴオイルを専門に輸入し、カルチャー・スクール、日伊協会、スローフード協会、百貨店のイヴェント、各地のお料理教室、東京ドームなどでセミナー活動も行っている。www.luna-e-sole.co.jp

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