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イタリア・オリーヴオイル紀行
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15 maggio 2008
Viaggio per scoprire l'olio d'oliva


第4回
シチリアの山の上で
香り豊かなオイルを生産、
アグレスティス



シチリア州 Sicilia


中村ゆき子

■シチリアの山の上で活動する、"畑のスペシャリスト"
カターニア空港から車で約1時間、シラクーサやラグーサからも車で約1時間、要するにシチリアの東南地域からはどこからでも1時間近くかかってしまう、内陸の山地、ブッケーリという町で、お目当てのオリーヴオイルは作られていました。
道は、途中からどんどん上っていきます。シチリアって、こんなに斜面があったっけ?と思わせるほど上っていきます。
シチリアというと青い海と乾いた大地がそれまでのイメージ、が、ここブッケーリは青々とした緑に囲まれた山の上、標高800m。シチリアにもこんな風景があるのねぇ、そう思わせられた第一印象。

生産者は、TEAM 4×4という珍しい名前の会社でした。
志を同じくする違う分野の4人と農家やチーズの生産者の4人が始めたオリーヴオイル&チーズの会社。なので4×4。4人と4人ってことらしいです。ここの会社が作る「テレオ」というオリーヴオイルは、日本でもたいそうな人気です。ところが、去年の暮れに、オリーヴオイル生産だけに専念したい、という理由で、オリーヴオイルのチームは会社を出ました。新しい名前は「アグレスティス」。舌をかむようなその名前の意味は、ラテン語で「畑のスペシャリスト」という意味です。前よりもかっこよくなったかな。
いずれにしても、オリーヴオイルの内容はまったく変わらず、いえ、今まで以上に美味しくなったと私は思っています。

社長はSilvana(シルヴァーナ)という女性です。すごく元気な二児の母で妻。若いけどイタリア・マンマの代表選手といった感じ。だんなさんのアンジェロは、いっつもニコニコ、寡黙で優しい感じ。シルヴァーナの勢いに『押され気味』は否めませんが、とてもよいカップルです。


写真トップ:苦労の末に出来上がったオリーヴオイルは、青いトマトの香り
下左:こんな景色の中で収穫、右:シルヴァーナと一緒に

■和食にもぴったりのオリーヴオイル
この地域一帯で栽培されているオリーヴは、数種類ありますが、有名なのが「トンダ・イブレア」という種類。シチリアがギリシャだった時代から栽培されている由緒正しき品種です。
真っ青なうちに摘み取って搾ると青い(未熟の)トマトのような香りをもったオリーヴオイルが出来上がります。それはそれは素敵な香り。
内陸のしかも標高500〜600mの土地にある畑には、オリーヴの実に付く害虫が発生しないため、農薬の必要がありません。何百年も薬を使用しない土地に育てられたオリーヴは、健康そのもの。オイルだけではなく食用の実も育てられています。

サラダはもとより、トマトソースのお料理、パスタ、ブルスケッタ、温野菜、和食(おそばや冷奴)などにも良くあう素晴らしいオリーヴオイルです。シンプルなお料理ほど、このオイルの良さが際立ちます。逆に言えば、オリーヴオイルが美味しいと材料を揃えればあとは、かけるだけ!で簡単、しかもヘルシーな一品が出来上がる、とっても便利な食材だと思います。

また、シチリアでは海のものも山のものも食べますので、魚にもお肉にも良くあいます。お肉はどちらかとういうと白系(鶏、豚、ウサギ、七面鳥など)との相性が良いです。もちろん牛や羊にもOKです。
シチリアの山の上ではカタツムリが獲れます。フランス風のガーリックバターではなく、ここではトマトソースでいただきます。養殖しているわけではないので大きさもバラバラですが、これにこのオイルが良くあうこと!
イタリアのオリーヴオイルも星の数ほどありますが、この香りをもったオリーヴオイルは、この地域だけでしか栽培されていません。とっても珍しい一滴です。

■大変な摘み取り作業
標高が高いだけでなく、畑の傾斜はきつく、何百年も前からの畑なので木の間隔が狭く植えられており、摘み取りの機械は到底入ることができません。なので、摘み取りはすべて手作業です。この急斜面に生えた樹にはしごをかけて何世紀にもわたって生きる高い樹の上の実をとる作業は、けっして易しいものではありません。多くの外国人季節労働者を頼んで摘み取りを行っている生産者が多いのが現状です。
シルヴァーナの義兄は、「摘み取りグループ」を結成し、このたいへんな経験の要る作業のオーガナイズを担当しています。こうして、効率よくちょうど時期を迎えた樹から摘み取っていくことができるようになりました。


写真左:作業はすべて手作業、右:私も手伝って(邪魔をして?)


摘み取り作業を見学。ちょっと手伝っただけでも、その大変さが伝わってきました。
オリーヴオイルって、いろいろな条件の畑でできているんだなぁ、たくさんの畑を見ることって大切なんだなぁ。トスカーナでも、ラッツィオでも、アブルッツォでもない、非常に珍しい条件の、そして貴重な品種を守っている若者たちの活動は、まだこの仕事を始めたばかりの私の心に残る良い体験でした。
そして、苦労の末に出来上がったオリーヴオイルは、芳醇な青いトマトの香り、まろやかな口当たりとピリッとしたのど越しです。

シルヴァーナは、お母さん業にも忙しいですが、仕事も熱心。それができるのも、一緒に住んでいる家族の協力があってこそ。
ところで、大きな彼女の家に遊びに行くと、だんなさんや子供たちはもちろん、ご両親、お姉さん夫婦、その子供たち、そして、一緒には住んでいないけど、義理のお母さんまで紹介されます。はるばる日本から来た、からかもしれませんが、これがこの地方の客人へのもてなしなのでしょう。イタリアの(特に南イタリアの)こういった習慣は知ってはいましたが、最初のうちは、ちょっと驚いてしまいました。私の親戚を廻っていたら移動もたいへん!何日もかかってしまいますから。

イタリア最南端の地でひっそりと作られているオリーヴオイルですが、イタリアだけでなく世界のオリーヴオイル・コンテストで多くの賞を獲得しています。シルヴァーナは、この代々受け継いできた大切なオリーヴの樹からできるオイルがは、きっと世界の人々に気に入ってもらえるはず!と笑いながら力強く語ってくれました。

アグレスティス
AGRESTIS Societa' cooperativa agricola

Via Antonino Pappalardo 11, Buccheri (Siracusa)
Tel: 339-8663952/333- 2618547
http://www.agrestis.it

著者プロフィール
中村ゆき子(なかむら ゆきこ) 
東京生まれ。日本オリーブオイル協会副会長。ルナ・エ・ソーレ代表ゼネラル・マネージャー。イタリアのオリーヴオイル専門の輸入を手がける。貿易の仕事をするかたわら、イタリアの食材輸出会社へのインターンシップに行き、現地のオリーヴオイルの虜になる。帰国後ルナ・エ・ソーレを立ち上げ、オリーヴオイルを専門に輸入し、カルチャー・スクール、日伊協会、スローフード協会、百貨店のイヴェント、各地のお料理教室、東京ドームなどでセミナー活動も行っている。www.luna-e-sole.co.jp

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