JAPANITALY Travel On-line

 
イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line
美味しい街「パルマ」だより
15 Gennaio 2017

第11回 「サンタルチア」の日とパネットーネ  

西村明美 
12月も半ばとなると、パルマの町も師走を感じるようになります。日本とイタリア、離れていても同じようになんだか毎日が忙しく、落ち着かない毎日が続きます。街での会話も、「クリスマスはどこで過ごすの?プレゼントは買った?準備はできた?、、、」と。 でも、街のイルミネーションは美しく、全てを忘れてロマンチックな気分になる時間ができるのもこの時期です。


トップ写真@ミラノで開催された「自家製パンエトーニ大会で授賞した「タビアーノのパネットーネ」 
写真下左Aパルマ元市庁舎前のクリスマスツリー   写真右Bパルマの街のイルミネーション 

1.「サンタルチア」の日
●12月13日に子供にプレゼント

日本ではなじみのないこちらの風習、「サンタルチア」をご紹介します。 24日のクリスマスイブ、そしてクリスマス、大晦日と、12月には多くのイベントがあります。20年近くパルマに住んでいて、「サンタルチア」の日、12月13日は、漠然と子供にプレゼントをあげる日、「子供のクリスマス」と思っていましたが、私自身子供を持っていないため、特に気にもしていませんでした。

先日近所の9歳のお孫さんを持つ方が、「9歳になるマヌエーレは人参とビスケット、ミルクを入れて、『サンタルチア』を待っているのよ。可愛らしいわ。」とおばあちゃんらしいやさしい笑顔で。すると家の主人「僕もバッボ・ナターレ(サンタクロース)はもう信じていなかったけど、その頃まで『サンタルチア』は信じていたなー。」と、、、。 さらに、そのおばあちゃんは、「私はミラノ出身だからパルマに来て、娘の友達は『サンタルチア』を祝っていたのに、最初の年にしてあげられなくて、可哀想だったわ。」と。???

写真上Cビスケット、そして、サンタルチアと一緒にいるロバのために用意した人参と牛乳。 

●『サンタルチア』の逸話
気になって調べてみると、聖ルチア、ルチアはラテン語で光を現すLUX,LUCIDから派生した名前で、12月13日はユリウス暦で1年で最も夜の長い日という事でした。

この日はシチリアのシラクーザの守護聖人、聖ルチアの亡くなった日。ルチアはシラクーザの美しい目をした婚約者をもつ娘でした。ルチアのお母さんが病に臥した時、ルチアはカターニアに行き、聖アガタに祈りました。そこで、「人生を貧しい人々にささげなさい」という声を聞きました。そしてシラクーザの家い戻ると、ルチアのお母さんは全快していました。 ルチアは婚約を破棄し、準備していた持参金を貧しい人々に施しました。それに怒った異教者の婚約者は、ルチアを拷問にかけ、最後に両目をえぐり取ったのだけれど、ルチアは目を失っても視力を失う事はなかったと言います。

●なぜ「子供のクリスマス」に?
なぜ「子供のクリスマス」になったかというと、、、。
さらに、こんな逸話を見つけました。1200年代、ヴェローナで目の伝染病がはやり、大人達は、街の子供達に巡礼に出かけるように言いました。子供達は天候等を理由にそれを拒んだが、親が、戻って来た時、『サンタルチア』がプレゼントを渡してくれるというので、子供達を巡礼の旅に出す事が出来たというのです。

『サンタルチア』を待つ12月12日の夜、子供達は、ビスケット、サンタルチアと一緒にいるロバのために人参と牛乳を用意して、プレゼントを待ちます。13日の朝、子供達は、待ちに待ったプレゼントを受け取ります。

2.パネットーネ
●ミラノの「自家製パネットーネ大会」で授賞

クリスマスの御菓子と言えば、パネットーネ。12月にミラノで、『RE DEL PANETTONE(パネットーネの王様)』というイタリアのパスティチェリア(パティスリー)の自家製パネットーネの大会があります。今年は49のパネットーネから、3つの伝統的パネットーネ3つの革新的パネットーネが選ばれました。その中で、パルマ郊外のタビアーノという温泉町の小さなパティスリーのパネットーネが革新的パネットーネに選ばれました。

写真上DEミラノの「自家製パネットーネ大会」で授賞したタビアーノのパネットーネ

●小さな温泉地、タビアーノのパネットーネ
パルマの市街から車で50分程の小さな温泉地タビアーノ。パティストリー・タビアーノのパネットーネはフォカッチャと呼ばれます。パネットーネは材料の脂質が16%以上でなければならないとされていますが、こちらのフォッカッチャは11、3%。バターの量を減らしながらも、ソフトなしっとりとした仕上がり。保存料、着色料、アロマなど、一切入っていない。材料はほとんどオーガニックのもの、そしてラベルには材料がどこから来ているのかが書かれています。

食に質と安全を求める現代のイタリア人にマッチした商品なのかもしれません。タビアーノの街は閑散としたこの時期、パルマからも決して近くはないこのパティスリーにこのフォッカッチャを買いに人が集まっていました。



西村明美(Nishimura Akemi) 
1996年よりパルマ在住。パルマという土地柄、食に関わる通訳の仕事が多く、ワイン好きが嵩じて、2003年イタリアソムリエ協会AISの資格を取得。2007年にパルマ人と結婚し、ますますパルマの伝統食品への興味が深くなり、パルマ伝統食品アドバイザーコース終了。2013年にパルミジャーノ・レッジャーノ協会のテイスターコース、パルミジャーノ・レッジャーノ紹介者養成コースを終了。
現在、パルミジャーノ・レッジャーノやプロシュット・ディ・パルマ、クラテッロなどの工場見学、研修や、アルマインターナショナルでソムリエコースを教えるペッシーナ先生のワイン講座、お料理教室をオーガナイズするかたわら、更に専門的にパルマの食品について勉強中。
ブログ  http://marchesell.exblog.jp/

http://www.japanitalytravel.com
©  JAPAN PLUS ITALY - MILANO 2013 All rights reserved.