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美味しい街「パルマ」だより
15 Maggio 2018

第15回 生ハムの王様
「クラテッロ」博物館オープン     
 

西村明美 

●今春3月、パルマ郊外に開設
初夏の訪れを感じるこの頃です。皆様いかがお過ごしですか? 緑の中で、真っ青な空から一杯の木漏れ日を浴びると冬の間眠っていた魂が生き返るように感じます。

今回は、この時期お勧めのスポットとして「クラテッロ博物館 Museo del Culatello」をご紹介したいと思います。パルマの郊外、ポー川流域で生産される生ハム「クラテッロ」の博物館がこの春3月25日にオープンしました。 


トップ写真@生ハムの王様「クラテッロ」 
                                                    
●「クラテッロ」はポー川流域で作られる最高級生ハム
「クラテッロ」とは、当連載でも何度か触れていますが、豚のお尻の部分の肉を膀胱の皮に入れて乾燥させたハムの中でも最高級言われるものです。お値段も「プロシュット・ディ・パルマ(パルマの生ハム)」の倍近い値段で販売されています。湿気の多いポー川流域で作られる香ばしい熟成臭が特徴の生ハムです。  

●城を修復した「アンティーカ・コルテ・パッラヴィチーナ」
1300年代にクレモナからピアチェンツァ、パルマのポー川流域を統治していたパッラヴィチーノ家の城を1990年にクラテッロの生産者であり、レストランオーナーのスピガローリSpigaroli氏が購入し、20年かけて修復しました。そしてホテルとレストラン「アンティーカ・コルテ・パッラヴィチーナAntica Corte Pallavicina」を始め、この春、敷地内にクラテッロの博物館が設置されました。


 写真下左Aのんびりと牛が歩く光景  写真下右Bドゥエ・トッリ(2本の塔)とも呼ばれる城の入り口

パルマから45キロ、車で1時間弱北に向かいます。広大な平野を通り抜けると、博物館のあるポー川の土手、ポレジネ・パルメンセ Polesine Parmenseに到着します。

写真下左Cレストランで使用される有機栽培の野菜が植えられている畑   写真下右D孔雀が敷地内を自由に歩いている姿も

●この地方の歴史や伝統を伝えるクラテッロ博物館
レセプションで博物館のチケットを購入すると、イタリア語、もしくは英語のガイドが渡されます。それを聴きながら、館内に入って行きます。博物館というよりは土壁の昔の納屋というかんじです。

写真下Eクラテッロ博物館入り口  

この地方の歴史、その当時の人々にとって、豚がいかに重要なものであったかが語られます。この地方の人々の暮らしは、夏は農家として、冬は「ノルチーノNorcino(方言ではマレザンと呼ばれると畜、豚を解体する職人)」として働いていました。

写真下FGHクラテッロ博物館館内

戦後ノルチーノという仕事がどんどん減っていき、またクラテッロを生産する人たちも少なくなっていたところに、スピガローリ氏が、フランス、イギリス、ロシアなど、海外にクラテッロの名を知らしめて現在に至っています。

スピガローリ氏は、この地方の伝統をなくしてはいけないものとして、博物館として残しました。1951年にはポー川が氾濫して、この流域は浸水しました。泥のついたままのボトルや、椅子、箪笥などの家具も展示されています。指示通りに進んでいくと最後に「カンティーナ」にたどり着きます。

写真下Iクラテッロの貯蔵庫「カンティーナ」       

薄暗い蔵の中。左右と頭の上まで、クラテッロに囲まれて、クラテッロの熟成した脂の染み込んだテラコッタの上を歩くのは鳥肌が立ちます。奥の方には、イギリスのチャールズ皇太子のためのクラテッロや、日本向けのクラテッロも眠っていました。

  写真下JKクラテッロの貯蔵庫「カンティーナ」内  

●ミシェラン星付きレストランのお食事も
博物館を出ると、「オステリア・デル・クラテッロ」にてクラテッロの試食もできます。もしくはミシュラン星付きのレストラン「アンティーカ・コルテ・パッラヴィチーナ」で本格的にクラテッロメインのお食事をすることも可能です。

写真下Lミシュラン星付きのレストラン「アンティーカ・コルテ・パッラヴィチーナ」        

■Museo del Culatello クラテッロ博物館
Antica Corte Pallavicinaアンティーカ・コルテ・パッラヴィチーナ
Strada del Palazzo Due Torri, 3
Polesine Parmense (PR) 43010
http://www.anticacortepallavicinarelais.it/

パルマ市のツーリストサイトより(英語版有り)
http://turismo.comune.parma.it/



西村明美(Nishimura Akemi) 
1996年よりパルマ在住。パルマという土地柄、食に関わる通訳の仕事が多く、ワイン好きが嵩じて、2003年イタリアソムリエ協会AISの資格を取得。2007年にパルマ人と結婚し、ますますパルマの伝統食品への興味が深くなり、パルマ伝統食品アドバイザーコース終了。2013年にパルミジャーノ・レッジャーノ協会のテイスターコース、パルミジャーノ・レッジャーノ紹介者養成コースを終了。
現在、パルミジャーノ・レッジャーノやプロシュット・ディ・パルマ、クラテッロなどの工場見学、研修や、アルマインターナショナルでソムリエコースを教えるペッシーナ先生のワイン講座、お料理教室をオーガナイズするかたわら、更に専門的にパルマの食品について勉強中。
ブログ  http://marchesell.exblog.jp/

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