JAPANITALY Travel On-line

 
イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line
美味しい街「パルマ」だより
15 setttembre 2019

第19回
最近話題のワイン「スペルゴラ」


西村明美 

●エミリア州ソムリエの間で話題のぶどう品種「スペルゴラ」
「ビアンコ・ディ・スカンディアーノ」としてDOCに指定されているのですが、15年ほど前、私がイタリアソムリエ協会のソムリエの資格を取るために勉強した頃のテキストには、品種はソーヴィニオンとして、カッコ付けされて「スペルゴラ」と、ソーヴィニオンの1種とされていました。 

トップ写真@収穫前の熟したぶどう品種「スペルゴラ」    
写真下AVINITALYでの「スペルゴラ品種」の本の出版プレゼンテーション  

でも、、、ワインを味わうと、フラワー、青リンゴ、グレープフルーツ、ミネラルといった、ソーヴィニオンとは全く異なった香り、味わいも全く違います。そこで、エミリア州のソムリエ達が、ここ数年スペルゴラ種について研究し、「スペルゴラ」という品種についての本を出版しました。
そして2019年4月に行われたVINITALYで出版プレゼンテーションをしました。                                          

●スペルゴラの栽培区域と沿革
スペルゴラは、レッジョ・エミリアの丘で栽培されています。11世紀ごろからの記録が残っている古い品種です。カノッサのマティルデ女伯が、グレゴリオ7世ローマ法王に献上したというもの。そして、16世紀には、フランチェスコ・メディチの妻であるビアンカ・カペッロが旅の記録として、「新鮮で泡のある美味しいワイン」として、スカンディアーノで飲んだスペルゴラのことを書いています。その当時の貴族達は、旅をしながら美食を探し、それが、一つのステイタスでもあったようです。

●発泡性ワイン、3つの方法
スペルゴラは、発泡性ワインとしては、@シャルマ方式。アウトクラーヴェという圧力調整のできるタンクで2次発酵させるもの。Aメトド・クラッシコというシャンパンと同様の瓶内2時発酵、そして「デゴルジュマン」と呼ばれる澱(おり)抜きを行ったもの。Bアンチェストラーレという昔からの瓶内2時発酵のみで、澱を残したままのもの。以上3つの方法で作られています。

●「アンナ・ベアトリーチェ」のスペルゴラ
個人的に、Aのメトド・クラッシコで作られたスペルゴラが好きなので、今回その中でも、最近お気に入りのスペルゴラをご紹介します。生産者名は「アンナ・ベアトリーチェ ANNA BEATRICE」。ルカ・メッソーリさんが、なんと一人で生産しています。                  

「アンナ・ベアトリーチェ」というのは、ルカ・メッソーリさんのおばあさんの名前で、農家として誇りを持っていたおばあさんに捧げる社名です。


写真下左B「スペルゴラ」の畑   写真下右C「アンナ・ベアトリーチェ」のカンティーナ

ぶどう畑は、1950年代に植えられたスペルゴラとモスカート、マルヴァシアが少々、そして彼が2015年に植えたスペルゴラとランブルスコです。
収穫は、ルカのお父さんと二人で行い、圧搾も一人でするので、機械も小さなもの。

8ヶ月の間、タンクでの一次発酵の後、ボトリングして、1年から4年の瓶内二次発酵をさせ、デゴルジュマンします。

写真下D「アンナ・ベアトリーチェ」のロゴ

今回カンティーナでいただいたものはスペルゴラ2017年、「ラ・ネッビア」。2018年デゴルジュマン(1年瓶内発酵)のもの。まずグラスに注がれると、私がいちばん最初に感じたのは、「シャンパンみたい」な香り!酵母の優しいエレガントな香りから、青リンゴ、グレープフルーツ、そして花の香りもします。アペリティーボとか、前菜に最高です。以前に飲んだ2015年の3年瓶内発酵のものは、それにプラスしてパスティッチェリアの香りもして、さらに味わいが深かったです。

写真下左Eテイスティングした、スペルゴラ2017年、「ラ・ネッビア」    写真下右F「パッシート」

●「パッシート」も生産
ルカは、発泡性のスペルゴラの他に「パッシート(干しぶどうから作った甘口ワイン)」も作っていますが、これも最高。甘すぎないから、甘いワインが苦手な私でも大丈夫。透明感のある、干しぶどうを感じさせるけど、しっかり酸味もあって、これも素晴らしいワインです。  

●エミリア州のワインは「コスパ」のいいワイン
エミリア州のワインは、ここ最近まで一般的評価が高くなかったため、手に入りやすいお値段です。お気に入りのワインを見つければ比較的安価で、高クオリティーの、ものすごくコスパの良いワインに巡り会えます。



西村明美(Nishimura Akemi) 
1996年よりパルマ在住。パルマという土地柄、食に関わる通訳の仕事が多く、ワイン好きが嵩じて、2003年イタリアソムリエ協会AISの資格を取得。2007年にパルマ人と結婚し、ますますパルマの伝統食品への興味が深くなり、パルマ伝統食品アドバイザーコース終了。2013年にパルミジャーノ・レッジャーノ協会のテイスターコース、パルミジャーノ・レッジャーノ紹介者養成コースを終了。
現在、パルミジャーノ・レッジャーノやプロシュット・ディ・パルマ、クラテッロなどの工場見学、研修や、アルマインターナショナルでソムリエコースを教えるペッシーナ先生のワイン講座、お料理教室をオーガナイズするかたわら、更に専門的にパルマの食品について勉強中。
ブログ  http://marchesell.exblog.jp/

http://www.japanitalytravel.com
©  JAPAN PLUS ITALY - MILANO 2013 All rights reserved.