6月27日(日)
オリーバ空港を右手に見ながらさらに進むが、町や村をぬけていく道路なので海は望めない。パラウPalauを目指して約45分後、目前にぱーと紺碧の海が広がった時は感動ものだ。
一日のドライブがこれで終了!という安堵観も手伝ってか、青が目にしみる。海と空の間には立ち並ぶVILLA(ヴィッラ)の赤茶色の屋根、そのコントラストもすごっく鮮やかで印象的だ。
海沿いに車を走らせていくと、バカンスを楽しむ自転車好きのヨーロッパ人とすれ違う。単パンとランニングで惜しげもなく太陽にさらしている彼らの白い肌はすでに真っ赤になっていた。
あれだけ日焼けするとさすだに痛そう!もう夕方の5時近いというのに陽射しの強さはまだまだ衰えていない!夏の昼間にかわりはないのだ。
6月の欧州は、だから好き。昼が長い。とにかく暗くなるのが遅い。日が沈むのは8時か9時だから、長い距離の移動も暗くなる前に充分目的地につけるし、たっぷり遊べる。
1日24時間にかわりはないのだが、なんかすごーく得した気分になるのは私だけだろうか?
●リゾートホテル カポ・ドルソ
今夜の宿泊ホテル【CAPO D'ORSO】(カポ・ドルソ)の看板を頼りに道を折れ、どんどん海に向っていく。ビーチに突き当たるが、海辺ではまだまだたくさんの人が砂浜にいた。
レジャーボートなどが停泊する桟橋の向かい(山側)には緑の木々がしげる。
入り口には大きな岩に【CAPO D'ORSO】と刻まれており、どうやらこの庭の奥にフロントがあるようだ。車を置き、とにかくフロントへ。パーキングを教えてもらい、ひとまずチェックイン。
ここにはローマのヒルトンにいたというマネージャーがいて「こんにちは」「おはようございます」などの挨拶を毎日、日本語でかわした。
写真左:カポ・ドルソの庭、右:NEW OPEN予定棟
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フロント棟からだんだん山側にヴィッラが続き、どこの部屋からも海がみえるような作りだ。もちろんどの部屋にもベランダがあって、デッキチェアにすわってのんびり読書もよさそうだ。
リビングとベッドルーム、バスルーム(シャワーのみ)の作りだが、エアコン、冷蔵庫もあるし床のタイルがひんやりして気持ちがよい。
なによりベッドルームの窓枠ごしに見た景色は絵画そのもの。まわりは静かだし、ほっとする空間だ。
バスルームの話だが、日本人は必ずバスタブ付の部屋をリクエストするが、このような避暑地ではシャワーのみの部屋がほとんどだ。いつか、こちらの人にバスタブの話をしたら、たまったお湯の中で汚れた体をつからせたままいるのは不衛生だ。
といわれたことがあったが、考えようによってはもっともな話だ。文化の違いは確かにある。
しかし、このホテルでは来シーズンに向けてかなりラグジュアリーな部屋を増築し、全てバス付きにして、ハネムーンやカップル対象にするのだという話も聞いた。だから今後行く日本のカップルはぜひこのデラックス(ハネムーン?)ルームをお勧めする。
●ホテル内散策
さて、冷たい水で喉をうるおし、一息ついたところで、夕暮れ時の散歩と洒落こもう。
フロント棟の横には白いピアノとゆったりしたソファーのあるバーラウンジ(すっかり暮れた後にはキャンドルがゆらめくムードいっっぱいのピアノバーになる)。
そのまま庭につづくテラス席は木々に囲まれ、鳥の声と木々のそよぎが心地よい(もちろん朝食はここだ)。
このホテルのポイントは広大な庭とか大きなプールというものではなく、なにかほっとするような、プライベート感覚にあふれているというか、隠れ家的な要素があるところだろうか?
散歩していると木々の間から急にちょっとした芝生が広がっていて、そこにはデッキチェアが2個置いてあったり(もちろん真正面には海)、海におりる途中の岩の陰などにパラソルが開いていて、きっとあの岩陰に誰かいるんだろうな?何しているのかな?なんて想像したくなるような場所もある。
写真左:カポ・ドルソのバール、右:食事
●夕食メニュー
夕食のレストランに行ってわかったことだが、ここに滞在しているのはほとんどがカップルだった。レストランは2つ、海の前にある【IL PAGURO】と【DAVIDE E CLAUDIO】。
今晩はIL PAGUROにした。
ANTIPASTIは3種類(貝のチャウダー、サラダが2種類)から1品。PRIMI PIATTIは4種類(フジッリ(ツイストパスタ)の海の幸のラグー、野菜のラヴィオリ、フレッシュトマトのスパゲティ、ポテトクリームスープ)から1品。SECONDI PIATTIも4種(エシャトロットとタイムでマリネしたリッチョーラ(ニシカンパチ)、小牛のグリル、七面鳥のエスカロプ、あと1つはパルメザンチーズと野菜?)。
DESSERTは2種(ピスタチオとオレンジのケーキにシブーストクリーム、薄切りパインとココナッツアイスクリーム)。
メニューはイタリア一色でもなかったが、選択肢が多くて結構楽しめたし、味もサービスも良かった。ワインも地元サルデーニャのものから、シチリア、イタリア本土、フランスものまでそろえていた。今夜はTANCA FARRA(赤)を頼んだが、ミデアムっぽくて結構いけた。
昼間の陽射しとワインでほってた身体に海から吹いてくる風が心地よい。月明かりの下、こんなムーディーなところなら言葉はいらない。
絶対カップルで来るべき場所だ。間違いない!
著者プロフィール
佐藤 玲央(さとう れお)
27年前からイタリアに魅せられ、年の3分の1はイタリアに滞在している。
ここ数年は、シチリアやサルデーニャをはじめとしてイタリアの小都市へ足をのばし、それぞれの文化に新たな発見を見い出している。
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