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シチリア「食」の旅
15 Maggio 2011

第9回
地中海に浮かぶ
火山島パンテッレリア島の極上ケッパー



  文・写真/佐藤 礼子 

私が住むシチリアの最西端の街トラーパニから更に南に下ること70km。地中海に浮かぶ小さな火山島パンテッレリア島。この島では極上のケッパーが栽培されています。

●塩蔵にして1年中料理に利用
ケッパーというとスモークサーモンに乗っかったあの酸っぱい緑の一粒、、、を想像されるかもしれませんが、パンテッレリア島でつくられるケッパーはトラーパニで収穫される塩に漬け込んだもの。なので酸っぱくありません。パンテッレリアに住む人は年に1回、6月〜9月にかけて収穫し、それを塩蔵にして1年中料理に利用します。
  写真トップ 写真@ケッパーの蕾: 蕾の部分をひとつひとつ手摘みします
写真左Aケッパー:丸い葉っぱがカワイイケッパーの木  写真右Bケッパーの塩漬け :小粒だけれどふっくらしている上等なパンテッレリア産ケッパー

ケッパーは風が強く雨が少ない乾いた場所を好むのでパンテッレリア島の気候はケッパー栽培に最適。又、火山島であるパンテッレリア島の土地にはケッパーに必要な栄養素がたくさん含まれていると言われます。実際、パンテッレリア島のケッパーは非常に味が濃く風味が豊か。世界に誇る極上の一品です。

●ケッパーは花の蕾
さて、ケッパーは花の蕾だという事は皆さんご存知でしたでしょうか?   

写真Cケッパーの花:収穫されずに放置された蕾はやがて開花します 

ケッパーを作るにはフウチョウボク属の低木の花の蕾を花が咲く前に収穫します。蕾を収穫せず放置しておくと美しく可憐な花が咲くのでもったいない気もしますが、、、。ケッパーの収穫は太陽が昇る前に始まります。朝イチでひとつひとつ大切に手で収穫された花の蕾はすぐに海塩に漬けられます。塩の脱水作用でケッパーから水分が出始めるため、1日1回塩を足しながら約10日間熟成させていきます。10日後、水分を切って別の入れ物に塩と共に入れて、更に数ヶ月熟成させたらやっと完成です。低木のため収穫作業は非常に困難の上、ひとつひとつ蕾の膨らみ具合を確認しつつ収穫する作業は非常に根気が必要です。更に、数ヶ月の熟成期間を必要とするケッパー。そんな生産者の苦労が地中海に美味しい恵みをもたらせているのでしょう。

●ケッパーの使い方
パンテッレリア島では塩漬けにしたケッパーをどうやって使うのでしょうか?パンテッレリア島出身の友人に聞いてみました。

「私達の料理にケッパーは絶対に欠かせないのよ。少し塩抜きをしてサラダに入れたり、近海であがった新鮮な魚と一緒に煮込んだり、ペーストにしてパスタソースにもするわ。とにかく毎日の食卓に塩やオリーブオイルと同じく、調味料として使うのよ。あなたにも自家製ペーストをあげるから使ってみなさい。」
と言って渡してくれた彼女の特製ケッパーペーストは、それはそれは美味しいものでした!

写真左Dカジキのパンテッレリア風: カジキをケッパー、トマト、オリーブで煮込んだ郷土料理
写真右Eパンテッレリア風サラダ: 「パンテッレリア風」と付くとケッパーが入ります

ケッパーは日本では知られていそうで知られていない食材のひとつ。「使い方が分からない」という意見も多いですが上手く使えばイタリア料理の腕をグンとアップさせる食材でもあります。ラ ターボラ シチリアーナでは、2010年から年に1〜2回、日本で料理教室を開催しています。その第1回目のテーマはこのケッパーでした。ご参加いただいた皆様には、「ケッパーってこんなに美味しかったのね!」と言っていただくことができました。

今年ももうすぐ収穫の季節。興味がある方、ケッパーのお花を見に、、、ケッパー料理を堪能しに、、、シチリアにいらしてみませんか??

■ ラ ターボラ シチリアーナ
http://www.tavola-siciliana.com/


シチリア「食」の旅  著者プロフィール
佐藤 礼子 Satoh Reiko
ラ ターボラ シチリアーナ代表

東洋英和女学院大学卒業後、イタリア料理人の道を目指しイタリア料理店に入店。カメリエーレ、イタリア料理人を経た後、イタリアの郷土菓子に興味を持ち独自に研究を始める。その後、大手企業での洋菓子商品開発、店舗企画などを経験。イタリア食文化を勉強する為、2004年イタリアに渡る。スローフード マスターイタリアンクッキング ディプロマ取得後、シチリアにて研修を重ねる。10年を越える日本での食の仕事の経験と、1年半に渡るイタリアでの修行を終えて、2004年シチリア州トラーパニで「ラ ターボラ シチリアーナ」を設立。シチリア料理教室、食に関するコーディネート、通訳を手掛ける。又、各種メディアに執筆活動も続ける。
サイト: http://www.tavola-siciliana.com/index.html
Blog: http://trapani.exblog.jp/

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