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シチリア「食」の旅
15 Giugno 2012

第15 回
シチリア南西部のアラブの雰囲気が漂う街
シャッカのアンチョビ   



  文・写真/佐藤 礼子 

シチリアの南側、アフリカに近い沿岸の街シャッカ。ここは古くから良質なアンチョビを作る街として知られています。古代ギリシャ人によって築かれ、古代ローマ時代には温泉地として知られ、その後、アラブ、ノルマン、アラゴンの支配下に入ったシャッカ。

写真トップ 写真@アンチョビ色々:小さな瓶から大きな瓶まで、シチリアではアンチョビは安価で買える庶民の味方です
写真下A坂の上から臨むシャッカの港


海から続く急な坂道にかつてアラブ人が迷路のような街を作ったせいか、街に入るとどことなくアラブの雰囲気を感じます。海沿いに停泊する多くの漁船はアンチョビ漁に出るためのもの。シチリア西〜南沿岸では良質なカタクチイワシがたくさんとれるのです。    

写真左Bまるで迷路のようなシャッカ旧市街  写真右Cシャッカはマヨルカ陶器の街としても知られます


●アンチョビの作り方
アンチョビとはカタクチイワシを塩漬けにして水分を抜き、その塩を取ってオイル漬けにした保存食品。古くはギリシャ時代からその原型となるものがあったといわれます。頭を取り軽く内臓を取り除いたカタクチイワシを塩と交互に樽(又は入れ物)の中に詰めていきます。  


写真左D塩漬け作業:内臓を取って入れ物に詰めて行きます  写真右Eトラーパニの良質な塩が使われています


そして醗酵すること数ヶ月。その後、塩を取ってオイル漬けにしたものがアンチョビ。シチリアではカタクチイワシだけではなく真イワシも塩漬けにして保存。これはアンチョビになるのではなく、塩を取って調理に使われたり、パンの具材として、また食卓にそのまま並ぶ事もあります。

写真左F醗酵中:木のフタをして重しをして醗酵させます 写真右Gイワシの塩蔵:メルカートではイワシの塩蔵をはじめ、色々な魚の保存食が並びます。

今では、アンチョビ(魚の身の部分)が調味料として使われていますが、実は最初はカタクチイワシを内臓ごと塩漬けにして醗酵した魚が分解する事で出てくる液体を調味料として使っていました。その液体は動物性たんぱく質が分解されアミノ酸に変化したもの。つまり「うまみ成分」たっぷりと含まれていたのです。現在は内臓を取ったカタクチイワシを塩漬けにした時に出る液体を「コラトゥーラ」と呼び、パスタや煮込み料理に隠し味として使われています。

●シチリアの食卓に欠かせない存在
こうして古代から作り続けられてきたアンチョビは今ではパスタの調味料として、詰め物の具材として、シチリアの食卓には欠かせない存在となりました。シチリアの食材店では色々なアンチョビが並んでいますが、美味しいアンチョビを見分ける方法は、
1.身の締まりが良くしっかりしている事
2.エキストラバージンオリーブオイルに浸してある事

写真下Hアンチョビ

アンチョビは日本でも手軽に手に入る食材。パスタに、サラダに、またそのままアンティパスタとして、イタリア料理の味のバリエーションを広げてみましょう!

■ ラ ターボラ シチリアーナ
http://www.tavola-siciliana.com/



シチリア「食」の旅  著者プロフィール
佐藤 礼子 Satoh Reiko
ラ ターボラ シチリアーナ代表

東洋英和女学院大学卒業後、イタリア料理人の道を目指しイタリア料理店に入店。カメリエーレ、イタリア料理人を経た後、イタリアの郷土菓子に興味を持ち独自に研究を始める。その後、大手企業での洋菓子商品開発、店舗企画などを経験。イタリア食文化を勉強する為、2004年イタリアに渡る。スローフード マスターイタリアンクッキング ディプロマ取得後、シチリアにて研修を重ねる。10年を越える日本での食の仕事の経験と、1年半に渡るイタリアでの修行を終えて、2004年シチリア州トラーパニで「ラ ターボラ シチリアーナ」を設立。シチリア料理教室、食に関するコーディネート、通訳を手掛ける。又、各種メディアに執筆活動も続ける。
サイト: http://www.tavola-siciliana.com/index.html
Blog: http://trapani.exblog.jp/

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