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シチリア「食」の旅
15 Luglio 2013

  四季編  <夏>     
恒例行事はトマトの「パッサータ」作り



  文・写真/佐藤 礼子 


●色とりどりの初夏のフルーツ
6月になると既に夏の日差しとなり始めるシチリア。このじきの初夏のメルカート(市場)に足を運んでみると、地元でとれた色とりどりのフルーツがずらりと並びます。日本ではあまり見かけないフレッシュのアプリコット、赤や白そして大きいものから小さいものまで様々な種類のプラム、そしてサクランボウ、、、見ているだけでも楽しくウキウキしてきます。  

写真トップ@トマトのパッサータ(トマトピュレ)作りに使う庭で自家栽培したトマト。  写真左A色とりどりの初夏のフルーツ  写真右Bシチリア特産の硬質小麦の小麦畑


そして田舎道を車で走れば、一面に広がる小麦畑。シチリアはローマ帝国の占領下時代には「ローマ帝国の穀物宝庫」と呼ばれていたくらいの小麦畑の大生産地。それは今も変わらず。シチリアで生産される小麦は硬質小麦。パスタのパッケージに書かれている「Grano Duro(グラノ ドゥーロ)100%」と書かれているのを見たことはありませんか?このグラノ ドゥーロこそが硬質小麦。6月中旬に始まる収穫期が近づくと、小麦は黄金色になり、夏の強い日差しにキラキラと輝きます。この時期がくればシチリアはもう夏!

●1年分の「トマトビュレ」1000本を一夏でつくる
私のパートナーの実家では庭(と呼んでいますがかなり大きな畑です)のトマトが熟し始める7月頃から夏の恒例行事が始まります。それは「トマトピュレ作り」。(イタリアではトマトピュレを「パッサータ」と呼びます。) 1年分のパッサータを庭で自家栽培したトマトを使って作るのです。その数なんと1000本!親戚一同が使う分をひと夏でつくるのです。    

写真下CDEF トマトのパッサータづくり


作り方はいたってシンプル。熱湯で少し煮て皮が離れやすくなった状態で、種と皮を取り除いてトマトジュースが出てくる機械にかけます。(この機械は私のパートナーが中学生の時に壊れた洗濯機のモーターを使って作ったというのも驚きです)そのトマトジュースを便に詰め、フタをして湯せんで脱気。これで1年間、痛むことなく保存ができます。工程はシンプルですがその作る量には毎年驚きます。私もパッサータはスーパーなどで購入することはなく、いつも自家製パッサータをいただいていますが、その美味しさは言うまでもなく。こうして、旬の食材で保存食を作ることで、1年中、旬の美味しさを味わうことができるわけです。

暑い暑いシチリアでは8月中旬になると、ワイン用のブドウの収穫も始まります。まずは白ぶどう、続いて黒ぶどう。イタリア中〜北部にかけては9月以降に始まるブドウの収穫ですが、ここシチリアでは1か月ほど早く収穫が始まります。晩夏〜秋というイメージのブドウの収穫ですが、シチリアでは8月にあちらこちらで見かけるブドウの収穫風景は夏の風景。そんなことからも、シチリアの太陽の強さを感じられます。

●特産品「冬メロン」は夏に収穫
私が住むトラーパニ地方の特産品、それは夏に収穫する「melone d'inverno(冬メロン)」。夏なのに冬メロン、、、?なぜかというと、クリスマスの時期、つまり冬まで保存が可能だから。黄色いラグビーボールのような形をしたこの冬メロンは夏に収穫して太陽の下に放置させておくことで糖度が凝縮されます。夏に食べてもサッパリとしていて美味しいですが、冬に食べるとトローンとした食感と凝縮されたその甘みは本当に格別!その他、ヌビア村の赤ニンニク、古代から伝わる製法で作られる塩の収穫、ズキーニやナスなどの夏野菜、桃やスイカなど季節のフルーツ、シチリアの夏は美味しい食材にあふれています。    

写真下G夏に収穫した特産品「冬メロン」 


言葉では表現できないほど美しい青い空と青い海、そして太陽の恵みを受けた食材達が楽しめる夏は、やはりシチリアらしさを一番感じられる季節。私もやっぱり夏が一番好き!暑い1日が終わった夕暮れにテラスで楽しむキンキンに冷えた白ワイン、、、今年もそんな季節が始まったシチリアです。



シチリア「食」の旅  著者プロフィール
佐藤 礼子 (Reiko Sato)
シチリア料理・菓子 スペシャリスト  イタリア政府公認オリーブオイルテイスター

東洋英和女学院大学卒業後、イタリア料理人の道を目指しイタリア料理店に入店。カメリエーレ、イタリア料理人を経た後、イタリアの郷土菓子に興味を持ち独自に研究を始める。その後、大手企業での洋菓子商品開発、店舗 企画などを経験。イタリア食文化を勉強する為、2004年イタリアに渡る。スローフード マスターイタリアンクッキング ディプロマ取得後、シチリアにて 研修を重ねる。10年を越える日本での食の仕事の経験と、1年半に渡るイタリアでの修行を終えて、2004年シチリア州トラーパニで「ラ ターボラ シチ リアーナ」を設立。シチリア料理教室、食に関するコーディネート、通訳を手掛ける。2012年には「イタリアで一番おいしい家庭料理 シチリアのおうちレシピ」(講談社)を出版。又、各種メディアに執筆活動も続ける。

ラ ターボラ シチリアーナHP:http://www.tavola-siciliana.com/index.html
シチリアの風景と旅ブログ「シチリア時間2」: http://trapani.exblog.jp/
シチリアの食ブログ「シチリア食通信」:http://cucisici.exblog.jp/

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