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15 aprile 2008

第3回 ドルチェの話

岡田幸司



地図の上でシチリアという島をちょっと離して見てみると"イタリアという国に属する一つの島"というより、"地中海のど真ん中に浮かぶ交通の要衝"として映って見えてきます。
事実、移り変わる歴史の中、幾度もヨーロッパの強国の領土になり続けていたのです。
おかげでシチリアには様々な人種や食べ物、言葉が入り混じり、形を変えながら文化として蓄積されてきた経緯があります。

●南米からやって来たチョコレート
まずはチョコレート。
その原点を遡ると南米とシチリアを繋ぐ一本の線が浮き出てきます。

Xocoatl:ソコアトルと呼ばれる現在のチョコレートの原型は、カカオの種を挽き、バニラやシナモン、ペペロンチーノといったスパイスで香りを付けた"力や精力の元"としてアステカ(現在のメキシコ)の王様にこよなく愛されていたと言われています。
当時"新大陸"を発見したスペイン人は、このアステカの原住民の食べ物を驚きとともに持ち帰り、当時のスペイン領だったシチリアにもその驚きと共に伝わったのです。

この時、同時にカカオの種を挽く"Metate(メターテ)"と呼ばれる弓なりに反った石の道具も同じように伝わりました。これは、石の下から火で炙りながらカカオの種を粉にしてスパイスを混ぜ合わせていく道具として欠かすことの出来ないものでした。
その道具を馬車に乗せて運んでいた者をシチリア弁で"Ciucculattaru(チュックラッタル)"と呼んでいたというのです。この言葉の発音、これはもう"Cioccolatiere(チョコラティエーレ)"の一歩手前。今を時めくチョコレート職人の起源も昔は重い石を運んでいたのだろうか?・・・などと思い巡らすのも一考です。

シチリア南東部、ラグーサ県にある小さな村Modica:モディカには、ざらざらとした"らくがん"のような食感を持つ、Cioccolato Modicano:チョッコラート・モディカーノというチョコレートがあります。
砂糖を加えて固めた以外は"原型"のレシピとほぼ変わりない原始的なタイプですが、不思議な美味しさが魅力的です。
この村を歩くとこのチョコレートを作る沢山のお菓子屋さんを見つけることが出来ますし、バロック様式の美しい建築群が目を楽しませてくれますので、これだけでも行く価値大だと思います。

写真トップ:モディカのチョコレート
下左:ピスタチオのジェラート、右:グラニータとブリオッシュの朝食
 

●味・香りともに強烈な氷菓子
続いては氷菓子。ジェラートやグラニータといった"冷たいもの"ですね。
その原点を遡るとアラブとシチリアを繋ぐ一本の線が浮き出てきます。

山から運んだ雪や氷に果汁や木の実と砂糖を混ぜたものがその原型で、イタリア語でいうsorbetto:ソルベット=シャーベットは、アラビア語のsahrba:シャルバートより派生した言葉だと言われています。
アラブの文化色濃いシチリアには頂に万年雪をたたえるEtna:エトナ山があり、その麓にはピスタチオやアーモンド、レモンなどの果実や木の実が豊かに成っており、ここで出来たsorbetto:ソルベットが後のgelato:ジェラートに形を変えていくのは想像に易いところです。

しかも麓のBronte:ブロンテ村のピスタチオは世界的なブランドになるほどのグレードを有し、何と言ってもその美しいエメラルド色、芳しい香りが最高です。
高価で貴重なブロンテのピスタチオなれど、現地ではこれをふんだんに使ったジェラートが楽しめるのです。
かなり不便な所ですので行くまでそれなりに大変ですが、ここで食べるピスタチオのジェラートの美味しさといったら!・・・それまでの苦労も報われるというものです。

そして、ジェラートと並んで是非お勧めなのがgranita:グラニータです。
ジェラートよりもソルベットにより近い氷菓子で、"フローズン"みたいな感じといえば良いでしょうか。特にアーモンド又はレモンが人気です。
暑さ厳しいシチリアではこれらをブリオッシュに乗せて朝食代わりに楽しむ、といった光景も見受けられます。
私もこれが大好物で、行きつけのcaffe'に寄っては友人とこれを食すのが欠かせない楽しみです。
ジェラートにしてもグラニータにしても今やイタリアのどこにでも簡単に楽しめるものですが、シチリアのそれらは味・香りがガツンと強烈で脳天直撃の美味しさなのです。

地中海の真ん中にあったというだけで、実に様々な文化の足跡が見て取れるシチリア。
食の分野で見られるそれらは"未だに"というよりは"今なお力強く"その個性を発揮し、かつ私達の味覚を楽しませてくれるのです。


著者プロフィール
岡田幸司(おかだ こうじ)
建築構造設計をしていた前職時代に「住んでみないとわからないだろう」というシンプルな発想のもと、インターンシップに登録して赴任した先がシチリアの田舎町でした。
そこで一番私を虜にしてしまったのが何と"食文化"。"シチリアにやられてしまった"私はその後の人生に大きな舵を切ることになりました。
現在はイタリア食材厳選のお店「ピアッティ」を運営しています。http://www.piatti.jp/

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