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"食い倒れ"スローフード留学記
 
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15 settembre 2007
Studiamo Slow Food in Italia

第5回
シチリア島、食い倒れの12日間








粉川 妙
●島の半分を「食い倒れ」行脚
料理留学記は少しお休みして、6月のサルデーニャ島に続き、今回も島についてレポートします。「食い倒れ…」といえば何はさておきシチリア。
イタル・クックの授業で、現地シェフが新鮮なリコッタ・チーズやサボテンの実、ピスタッキオを持参し、大地の豊かさを誇示して以来、シチリア半島一周を食べ歩きしたいと思っていました。
ちょうど料理学校が修了した12月初旬、しばらくステージ(実地見習い)まで期間があったので、友人とレンタカーで回ることにしました。

旅のコンセプトは「食い倒れ」。JITRAにも執筆されている池田匡克・愛美夫妻の『シチリア 美食の王国へ』をバイブルに、掲載されているレストランを片っ端から回ろうというものです。パレルモから始まり、アグリジェント、ラグーサ、ノート、シラクーサ、カターニアと島の東半分をお食べ行脚。最終地カターニアでは、イタル・クックでの恩師カルメロ氏のレストラン「イル・クチニエレ」で、彼のファンタジー溢れる料理を堪能する予定に。
さて、12日間のこの旅、どうなることやら。

●市場でペロリ、そして美しい街々へ
シチリアの玄関、パレルモ。まずはバッラロ市場を散策。小腹が空いたので、パレルモ名物「モツ・パニーノ」を賞味します。大鍋の油の海で泳ぐモツをパニーノにたっぷりはさみ、よく油を切って塩とレモン汁をかけて出来上がり。好奇心で1つお買い上げ。おっかなびっくり一口かじると、そのおいしさにペロリと食べちゃいました。
一方、ウッチリア市場はシャッターの閉まっている店が多く、少し寂しげ。でもボッタルガ(からすみ)の店があったり、良質のオレガノを売る店があったりして興味は尽きません。
食事をするなら、この市場入り口にある「Sant'Andrea(サンタンドレア)」がお勧め。パレルモの家庭料理が食べられます。ここのアンティパスとの盛り合わせは品数豊富。カメリエーレは説明が面倒なのか「バイキングみたいに自分で取ってもいいよ」と言ってくれたので、お言葉に甘えて・・・。セコンドに頼んだ魚のズッパ(スープ)は、凝縮した魚のだしが美味。

そして、ついに10年ぶりにマニュアル車のエンジンをかけます。
アグリジェントを目指して、南にひた走るのです。最初はちょっとエンスト気味だったけど、牧草を食む羊をわき目に国道を走る頃には、ドライブはすこぶる順調。
アグリジェントでは、壮大な神殿群が迎えてくれました。神殿からは凪いだ地中海が見下ろせます。桁外れのスケールと自然との調和が美しい神殿。シチリアに来たら是非訪れたい街です。

写真トップ:市場の様子(カターニア)
下左:アグリジェントの遺跡、右:シチリアのお菓子(ノートのパスティッチェリア)

 

バロックの街並みが美しいのは、ラグーサ、シラクーサ、ノート、カターニャです。17世紀の大地震で街は壊滅的に破壊。当時花開いたバロック様式で町を再建し、今に至ります。ドラマチックで優美なこれらの町々は、2002年ユネスコの世界遺産として登録されています。私のお気に入りは、丘に広がるラグーザの街。渓谷にまたがる新旧二つの街の眺めは壮観。谷に建物が整然と並び独特の美しさがあります。

さて旅も中盤。張りきって食べ続けたせいか口内炎になってしまいました。刺激物を食べると口の中がしみて、辛抱なりません。それもそのはず。
レストランではアンティパスト、プリモ、セコンドと一通り注文。アンティパストだけでも、4皿は出てくるシチリアです。前菜だけで腹八分目ですが、ここでパスタが登場。旨みたっぷりのウニのスパゲティや、イワシのパスタを食べ終わる頃には満腹。それでもカメリエーレはちょっとでもいいからお食べ…とセコンドも勧めてきます。それではと、結局コースを完食。おかげで私の胃は拡張しっぱなしです。
また運転の途中、休憩がてら地元のお菓子を食べるのも今回の任務。リコッタ・チーズをパイ生地にたっぷり詰めたカンノーロ、しつこい甘さが癖になるカッサータ。
食べるのが苦行になりつつあった頃、やっと最終地カターニアにたどり着きました。

●シチリアの恵みがいっぱい
恩師カルメロ氏に久々の再会を果たしました。念願のディナーは「カルメロ特製フルコース」です。いきなり食前酒代わりに温かいお茶が出てきましたよ。私の弱った胃を思いやって、乾燥ハーブを煎じてくれたのでした。
前菜には新鮮なカジキを軽く燻製してサラダ仕立てで。みかんのソースが清涼感を加えます。次にアーモンドとアサリのスープ。アーモンドはシチリアの名産。ミキサーでドロドロにして濾してスープにします。これにアサリのエキスがあいまって、奥深い味に。リコッタとえびのラビオリは魚のブロードで。ブロードには魚の肝も入っているのかコッテリしていて、あっさり味のラビオリと名コンビ。
メインは2品。イカのリコッタチーズ詰めとカポーネという魚のグリルです。カポーネは冬が旬。脂の乗りも程よく、タイムの風味で香ばしい一品です。

彼の料理は味や香りの組み合わせにハッとさせられるものばかり。シチリアの大地や海の恵みをふんだんに使い、また組み合わせ、色彩美しい料理を生みだします。
食後酒が運ばれてくる頃、カルメロが厨房からやってきました。わざわざマルケ州から、食べに来てくれたのをこの上なく喜んでくれました。

12日間の旅も終わろうとしています。この島の食の豊かさを知るには、現地に行くに限ります。じかに自然を感じ、文化に触れ、市場を巡り、人と会い…そして食べる。その土地の空気(雰囲気)でさえ、食の一部と言えるのかもしれません。
シチリアは、その奥の深さを確かめたくて何度でも行きたくなる島なのです。

レストラン
パレルモ:
サンタンドレア Sant'Andrea

Piazza Sant'Andrea,4 Palermo
Tel: 091-334999
火曜・水曜休み、7月・8月は日曜、月曜休み。1月冬季休暇

カターニア:
イル・クチニエレ Il Cuciniere

Via Finocchiaro Aprile,110 Catania
Katane Palace hotel (カタネ・パレス ホテル内)
Tel: 095-7470702

著者プロフィール
粉川 妙(こかわ たえ)
甲南大学文学部社会学科卒業。卒業論文『ブタと文化 〜文化人類学的考察から〜』。以後豚と人間の歴史や風俗を調査することをライフワークとする。製薬会社勤務を経てイタリアの食・文化を学ぶため留学を決意する。2005年スローフード協会の料理学校ITAL.COOK.に入学。06年12月末まで調理場にて実地研修(ステージ)予定。
ブログ『butakoの2年間の休暇 *イタリア料理への道*』http://butako170.exblog.jpにてイタリアの食文化や著者の日々の様子を配信中。

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