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小都市をたずねる旅 - 中部イタリア 丘の上の町 バックナンバー
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21 Gennaio 2002 崖の上にそびえる華やかなドゥオーモ オルヴィエート - Orvieto ウンブリア州 テルニ県 Umbria - Terni 丸山 圭子 |
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![]() ●オルヴィエートについて 白ワインの産地として知られ、イタリアでも有数の美しいドゥオーモを擁し、ウンブリアの町の中では比較的華やかなイメージを持つオルヴィエート。トウォーホtufo(凝灰岩)の切り立った崖の上に作られ、"ミステリアスな孤島"とも形容されるこの町の歴史は古く、紀元前エトルリア時代にはボルセーナ湖畔までその勢力を誇っていました。ちなみにオルヴィエートとは、古い町(Urbs Vetus)という意味です。 散策はまず、ケーブルカーを降りてカヴール通りCorso Cavourを進み、ドゥオーモ、共和国広場Piazza della Repubbulica近辺から。このあたりはさしづめ観光客向けのオルヴィエート。ワインを売るカンティーナや陶器屋、手工芸 品店が並びます。木工芸品創作のミケランジェリ工房のあるミケランジェリ通りVia Michelangeliには、天使をかたどった木製のベンチなどが置かれていて、かわいらしいですよ。一方、共和国広場からさらに西側に進んだあたり、中世の町並みを残した普段の顔をしたオルヴィエートも素敵です。ずっと西端まで行くと、思わず深呼吸したくなる見晴らしの良い場所に出ます。町をぐるりと回って、どちらの魅力も味わってください。 写真説明
上:ドゥオーモ 左下:トゥーホの崖の上にたつオルヴィエートの町 右下:ミケランジェリ通り 写真提供:ウンブリア観光局APT dell'Umbri
●ドゥオーモ秘話 確建設に幾世紀もの時を要したドゥオーモ。豪華絢爛な正面ファサードとはうってかわり、内部は意外にガランとしていて、がっかりされるかもしれません。でも、サン・ブリツィオ礼拝堂Capella di S.Brizioは是非ご覧ください!ルカ・シニョレッリLuca Signorelliが描いた生々しい裸の人間たちのフレスコ画に圧倒されるはず。反対側のコルポラーレ礼拝堂Capella del Corpolaleには、ドゥオーモ建設のきっかけとなった「ボルセーナの奇跡」の布corporaleが飾られています。ボルセーナの奇跡とは、1263年ボヘミアの司祭がボルセーナの町でミサを行っている間、聖体ostia(キリストの魂が宿ると考えられるもの。例えば、ミサで信者に配られる薄くて白いせんべいがそれ)を割った時に、そこから血が滴り、下にあった布が濡れたというもの。当時の教皇ウルバーノ4世はこの奇跡を祝い、オルヴィエートにドゥオーモを建てるよう命じ、コルプス・ドミニCorpus Domini(神の体)の祭りを各地で開くことを決めたのです。このお祭りは今でも続いていて、オルヴィエートでは中世の装束を身につけた人たち約400人の行列が見られます(6月末)。 ●オルヴィエート・アンダーグランド オルヴィエートの町の下には、3000年に渡って掘られてきた地下室、地下道が点々と広がっています。エトルリア時代からルネサンス期にかけて、その時代の人々がその時々の用途に合わせて掘り、利用してきました。現在、その一部を見学することができます。鳩の飼育穴が無数に開いた部屋とかオリーブオイルを圧搾していた場所などを、ガイドの人に従って狭い地下道を潜り抜けながら約1時間かけて周ります。ちょっとした探検気分を味わえますよ。もうひとつ、カーヴァ通りVia della Cavaの途中にあるカーヴァの井戸Pozzo della Cava。ここにもエトルリア時代から使われてきた井戸や貯水部屋、窯の跡などが地下に残っています。 ●ちょっと一杯・・・ イタリアNo.1コックとして名を馳せるヴィッサーニ曰く、オルヴィエート一帯はイタリア中で最も美味しいオリーブオイルとワインを生み出す土地(近くの町バスキには彼の超高級レストランがあります。懐に余裕のある方はどうぞ)。ということで、やはりここに来たら白ワインは飲みたいですね。ドゥオーモそばのカンティーナ・フォレージCantina Foresiは、ちょっと一杯にぴったりのお店。サラミ、ポルケッタなどのおつまみも充実していますし、トゥーホの地下室を使ったワイン倉も見られます。それから、前述のカーヴァの井戸は6テーブルほどのこじんまりしたレストランを併設していて、もちろんワインも飲めますよ。案内してくれるご主人がとても親切です。お腹が減ったら、市庁舎Palazzo del Comuneそばにあるトラットリア、ラ・パロンバla Palombaへ。ご主人のジャンカルロさんと奥さん、娘さんがかいがいしく働く、感じの良い お店です。店内はいつもお客さんで一杯、何よりも美味しさを保証してくれます。実は、地元料理を美味しく食べらるお店としてパロンバを教えてくれたのが、オルヴィエート郊外でアグリツーリズモ、イル・リポジーノil Riposinoを営んでおられる徳永さん。イル・リポジーノは、台所を備えた、長期滞在型の人にぴったりの宿泊施設です。 |
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オルヴィエートデータ![]() Dati di Orvieto
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