
巷はバカンスの話題で持ちきりの今日この頃。バカンスの人気はなんと言っても海。やれシチリアだ、サルデーニアだとかまびすしいのですが、トスカーナにだって素晴らしい海がある! という訳で、7月と8月の2回にわたってエルバ島を含め7つの島からなるトスカーナ諸島をご紹介!・・・と言いつつ、何を隠そう私も今回がエルバ島デビュー。僭越ながら読者の皆さんを代表して、快晴の週末を一足お先にバカンスしてきました。
観光局から取り寄せたパンフレットの冒頭は「ビーナスのネックレスの宝石が海に零れ落ち、その宝石がトスカーナ諸島となりました。」なんていうロマンチックな書き出しで始まります。ドキドキ、ワクワク Non vedo l'ora di andarci!(待ちきれない!)
★いざ、海へ!
エルバ島の海岸線は147キロにも及び、さまざまな表情を見せてくれるのが魅力。バールや各種施設の揃った大きな海水浴場から、プライベートビーチのような小さなビーチまで。フェリーが到着するポルトフェッライオ Portoferraio は小石のビーチ(からだに砂がまとわりつかないので気持ちいい)。ここをふりだしに時計と反対方向に回っていくと、岩壁が海まで迫るカーポ・ビアンコ Capo Bianco。砂浜で寝そべって過ごしたい人におすすめのプロッキオ Procchio。遠くにコルシカを眺めながら島の南西にまわると、フェトヴァイア Fetovaia の砂浜へ。続くラコーナ Lacona とマリーナ・ディ・カンポ Marina di Campo もやはり砂浜。ポルト・カッカモ Porto Caccamo はマリーナ・ディ・カンポからカヌーやペダルボートで手軽に行ける美しい岩場です。リオ・マリーナ Rio Marina からトピネッティ Topinetti 方向の海は、すぐそばまでブドウ畑が迫っている、珍しい海岸。その先、カーポ・カステッロ Capo Castello の向こうにはエマティーテと呼ばれるミネラル(鉱石)のビーチがあり、太陽に砂がきらきらと反射してとてもきれい。ここなら短時間で日焼け効果が期待できそう・・・。
写真説明
上:世界の7フェリーが到着するポルトフェッライオの港
左下:カポリーヴェリの街角
右下:この青い海がエルバの醍醐味
さらに、歩いてしか行けないビーチをご紹介しましょう。ザンカ Zanca から徒歩約20分、畑の間を歩いてやっと到着するカーラ・デッラ・コタッチャ Cala della Cotaccia には川の水が流れ込み、水はブルーからグリーンのエルバ・ブルーとでも名づけたいような美しい色に変化しています。徒歩の距離が長いため、まだ人が溢れかえっていない静かなビーチです。この他、絵葉書のようなコバルトブルーの海岸は、時にはボートがないと行けないようなところもあり、そういうところは決まって他より格段水がきれいに見えるのでした。
エルバに行くなら泳ぎにそれほど興味がない人も(必ず)水中マスクと(できれば)フィンを用意しましょう。透明な水、色とりどりの魚などを見ないではエルバの魅力も半減ですからね。
★エルバ島をエンジョイする
島内はATLというバスがあり、主要な町の間を移動に便利。(注意:最終運行時間は必ずチェック。)タクシーもかなりの台数がありますので荷物の多い時やバスがないときは大助かり。エルバは交通のマナーもよいのでレンタカーや、レンタルバイクを利用するのもいいでしょう。右側通行を忘れず、景色に見とれてわき見運転などしないように!
主要ビーチの近くには必ずレンタルボートのショップがあり、ボート、ゴムボートからカヤック、ジェットスキーなどをありとあらゆるものをレンタルしてくれます。半日時間が空いたら半潜水艦(?)ノーチラスで約2時間のミニ・クルーズに乗り出すか、マリーナ・ディ・カンポの水族館を見学するか、それとも体験ダイビングにも挑戦してはどうでしょうか?
海に飽きたらマルチャーナ Marciana からエルバ島で一番高いモンテ・カパンネ Monte Capanne(標高1019mt)にロープウエイでのぼり、見晴らしのいい景色を満喫するもよし。ポルトフェッライオの近くにはテルメ・サン・ジョヴァンニ Terme San Giovanni もあり、泥や海藻で痩身コースやスモッグやストレスに疲れたお肌のエステもできます。
★私のお薦め
特に目的地が決まっていなければ、ポルト・フェッライオ、 ポルト・アズッロ、カポリーヴェリ(チェントロは海から離れています)、マリーナ・ディ・カンポ、マルチャーナ・マリーナのいずれかに宿を取るのがおすすめです。ホテル、レストラン、ショップなどに不自由しません。その他の町では下手をするとホテル兼レストランが1軒と食料品店が1軒なんていう、ちょっと寂しい環境になりかねません。カポリーヴェリのチェントロにはおしゃれなブティックや雑貨屋さんが並んでいて、ぶらぶらとリゾートグッズを見て歩くだけでも楽しい町。ありきたりでないお土産をお探しなら、エルバで採れたミネラル(鉱石)を。島内あちこちに専門店があり、大小のミネラルが店先に並んでいます。
エルバ・ビアンコとロッソは、れっきとしたDOCワインですが、個人的にはエルバ・アンソーニカ Elba Ansonica かアレアーティコ Aleatico がお薦め。アレアーティコを使ったエルバ名物スキアッチャ・ブリアーカ schiaccia briaca はクリスマスのパネットーネをさらに乾燥させたようなお菓子で、長期間日持ちするので日本に持って帰っても大丈夫。余談ですがホテル、レストランから食料品一般、エルバ島の物価は決して安くありません。リゾート地の宿命なのでしょうが、普通のレストランで軽く食事をしても一人最低25ユーロはかかるでしょう。ピークシーズンになるとホテル、フェリー料金は一気に高くなります。8月のピークシーズンは避けて、6〜7月の初夏か、ちょっと人出が減る9月頃が狙い目かもしれません。暖かければ10月まで泳げます。
写真説明
左下: uno,due,treで飛び込みよ!
右下:場所ごと、時間ごとに表情を変える海
★ショッキング!未知との遭遇
トップレスはここ数年で一気に市民権を得て、イタリアのどこのビーチでも珍しくなくなりました。エルバも例に洩れず・・・。さらに今回の旅行では、島の南西部フェトヴァイアとセッキエート Secchieto の間にある岩場でなんとヌーディストビーチに遭遇!! カップルも20代ぐらいの娘を連れた家族連れも、熟年、初老のおじさんたちまで、みんな一糸まとわぬ姿で新聞を読んだり、おしゃべりしたり、のびのび泳いだりしているではありませんか!! ざっと見て30〜40人のうち、水着をつけている人は私たち以外2〜3人。暑さとまぶしさとショックのあまり、めまいがしそうなめくるめく初体験。エルバ島の忘れられない思い出が一つ増えたのでした。
それでは皆さんも Buone Vacanze!(素敵なバカンスを!)
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