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小都市をたずねる旅 -  ヴェネト見聞録バックナンバー
15 Maggio 2003
 



第3回 レッチェLecceと
サレント半島Salento 




 



小森谷 慶子
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バロック都市として知られるレッチェは、ローマ時代に重視されて発達したので、市心に円形闘技場や小さな劇場など、古代遺跡も同居しています。少なくとも2泊はする価値があります。

町歩きは旧市街が中心です。やはり迷路状ですが、ローマ時代の円形闘技場があるサントロンツォ広場P.za S.Oronzo(聖オロンツォは、聖パオロと同時代のオリエントの人)と、ドゥオモ広場P.za del Duomoという2つの大きな広場と、それらを結んで旧市街を東西に横切る商店街、そしてドゥオモ広場から北にまっすぐ伸びるパルミエーリ通り Via Palmieriを頭に入れれば迷うことはないでしょう。
サントロンツォ広場には、市の守護聖人聖オロンツォの載った円柱が立っていますが、これは2世紀初頭にトラヤヌス帝が軍港ブリンディシに立てた二本の記念柱のうち1本です。この広場の200m北には、レッチェで最も壮麗なバロック様式の聖堂、サンタ・クローチェ聖堂Santa Croceと、それに隣接する政庁舎(もとは修道院)があります。 一方、サントロンツォ広場の南方に建つ瀟洒なサンタ・キアラ聖堂S.Chiaraとサン・マッテーオ教会 S.Matteoを覗いたら、その西側の袋小路に隠れている小さな半円形のローマ劇場を探してみましょう.そこからドゥオモの裏手まで100mです。ドゥオモへは、南側の裏口から入ってしまえば近道です。このドゥオモは西と北に二つもファサードを持っています。前の広場には、このドゥオモの他、司教館と、井戸のある中庭が素敵なセミナリオSeminarioが面しています。この広場にはぜひ、日が沈んで紺青になる頃もう1度足を運んでみてください。ライトアップされたときの美しさは息を呑むほどです。

この広場の北門を出て、左手に伸びる商店街と、北に延びるパルミエーリ通りには、ともにバロック建築の散歩道です。左手に延びる道沿いには、ブティックや飲食店も多く、滞在中は何度も往復することになるでしょう。
もしあなたがバロック建築に興味があるなら、パルミエーリ通りの北端にあるカール5世の凱旋門を出て、800mほど北西の墓地を目指してみてください。 墓地の敷地内に、ノルマン王となったレッチェ伯タンクレーディが奉建したロマネスクの聖堂がバロック様式に改造された類例サンティ・ニコロ・エ・カタルド教会Santi Nicolò e Cataldo と修道院を見ることができます。

 写真説明
上:サンタ・クローチェ聖堂
左下:ドゥオモ広場 
右下:感慨深いオトラントの海
(写真:小森谷賢二氏 )
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レッチェに連泊したら中1日は、私鉄を乗り継いでのんびりと、イタリアで束の最果てに相当するオトラントOtrantoの町を訪れてみてはいかがでしょうか。駅から海に向かって5~6分ほど歩き、城壁内に入ると、土産物屋やレストランが軒を連ねていて賑やかです.アラゴン時代に、オスマン・トルコから防衛するための城壁と城塞で守られていたオトラントには、二つの重要な 教会があります。一つは,聖書物語を床全面に描いたモザイクで名高いカテドラルCattedraleです。天井の装飾も見事だし、クリプタにはビザンツ時代のフレスコ画が残り、サラセン人による殉教者800人の頭蓋骨を納めたガラス棚もあります。もう一つは小さなサン・ピエトロ教会 San Pietroです。イタリアでは珍しい正十字プランのビザンツ様式で、「キリストの洗足」や「最後の晩餐」等のフレスコ画も残っています。このオトラントは、中世に南イタリアを制覇したビザンツ帝国の牙城だったのです。

車で旅をしている方なら、レッチェの北方18kmにあるロマネスクのサンタ・マリア・ディ・チェッラーテ修道院 abbazia di S.Maria di Cerrateのあとを訪れてもよいでしょうし(月曜と昼過ぎは閉鎖)、アドリア海の沿岸をサンタ・マリーナ・ディ・レウカの岬までドライブし、ギリシャ人が「美しい町」となずけた小さな漁師町ガッリポリGallipoliや、プーリアの「サン・フランチェスコ聖堂」と言われるほど堂内の壁画で名高い、ガラティーナGalatinaのサンタ・カテリーナ・ダレッサンドリア教会 S.Caterina.d'Alessandriaのフレスコ画を鑑賞することも出来ます。(現在、修復中につきフレスコ画は中庭のもののみ鑑賞可)

レッチェ・データ  
 Data di Lecce

■レッチェへのアクセス
バーリから国鉄にて約2時間。ブリンディシからは約40分。マルティーナ・フランカからはFe.Sud-estにて2時間弱。

■インフォメーション
◇レッチェの観光局 EPT:Via Monte S.Michele. Tel 0832-314117
AA:Castello Carlo V. Tel 0832-248092

■レッチェから近郊見どころへのアクセス
◇オトラントへは、マリエ Maglieの乗り換えで1時間20分。時折直行もある。
ガッリポリへはカサラーノCasarano 乗り換えで1時間40分。

■レッチェのホテル
◇駅前の便利で値頃な三ツ星: Grande Hotel,Viale Oronza Quarta 28,
Tel.0832-309405 Fax.0832-309891
◇旧市街の5ツ星: Patria Palace. P.tta G.Riccardi 13 Tel.0832-242125 Fax 0832-308484

■レッチェのレストラン
◇Tre Moschettieri,Via Paisiello9/A
Tel.0832-308484

◇サレント半島の代表的ワイン: サリチェ Salice Salentino
◇レッチェの考古学博物館 Museo Provinciale Sagismondo Castromediano
Viale Gallipoli 28,Tel 0832-307415
◇オトラントの観光局: Via Presbiterio, Tel 0836-801436

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著者プロフィール

小森谷慶子(こもりや けいこ)
東京女子大学文理学部史学科卒。特に南イタリアを対象とするイタリア史研究家。著書に『魅惑のローマ』(グラフィック社)、『シチリアへ行きたい』(新潮社とんぼの本、1998年に国際ジャーナリズム賞審査員特別賞を受賞)、『ローマ古代散歩』、『ナポリと南イタリアを歩く』(いずれも新潮社とんぼの本)。今春には『シチリア歴史紀行』(白水社)を出版された。ご主人で建築家の小森谷賢二氏が写真を担当。




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