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小都市をたずねる旅 - ヴェネト見聞録 バックナンバー
15 Novembre 2003

第五回 ジョットのフレスコ画の輝く町    

ヴェネト州 パドヴァ 
Veneto - Padova

                  



三浦 和美
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ヴェネツィアからアクセスが簡単で、気軽に日帰り観光が楽しめる所。。。といえば、筆頭に上げられるのがパドヴァでしょう。中世にボローニャ大学から移ってきた教授や学生によって築かれたパドヴァ大学があるせいか、ヴェネト地方の都市にしては、かなりの範囲にわたって続くポルティコ(柱廊)が、どことなくボローニャの街角を彷彿とさせます。実は、日帰りなどではもったいない、魅力いっぱいのパドヴァ、当サイトのヴェネトのイチオシ情報・パドヴァのコーナーもあわせてご参照下さい。

☆スクロヴェーニ礼拝堂Cappella degli Scrovegni
パドヴァの観光ポイント・ナンバーワンといえば、やはり、この礼拝堂にあるジオットのフレスコ画。礼拝堂を建てた“銀行家”エンリコ・スクロヴェーニEnrico Scrovegniは、今でいうサラ金業者。父レジナルドReginaldo の悪どい儲けに恐れをなして、神への許しを乞う為に、ジオットに聖母マリアとキリストの生涯を描かせたわけですが、堂内入って右側の大壁画、“最後の審判 Il Giudizio Universale”の真ん中下で、紫色の装束をまとったエンリコが礼拝堂を聖母に捧げている箇所があります。果たして彼は、死後、無事に天国の門をくぐることができたのでしょうか。。

一日の入場者数は予約制限されており、最初に待機する部屋で15分間のビデオ解説、その後、礼拝堂の中で15分間見学となっています。
入場はインターネット予約(www.cappelladegliscrovegni.it 入場料11ユーロ+1ユーロの予約手数料)の他に、市内の主な観光ポイントへの入場ができるパドヴァカードPadovacardの利用も可能ですが、カードを購入した翌日の空きのある時間帯に予約(別途予約料1ユーロ)となるそうですし、さらに、翌日の空きがない場合も考えられますから、やはりネット予約の方が確実で時間をうまく使えると思います。切符は入場1時間前までにチケットカウンターで引き取らなければなりませんが、お隣にある市立博物館Museo Civicoへの共通入場券となっていますから、見学時間まで先に、博物館を見学するか、新設されたマルチメディア・ルームをご覧になるとよいでしょう。また、夜遅くまで見学できるのも旅行者にはありがたいところ、19時から22時までは昼間より割安で入場できます。
 

写真説明
上:奇跡のオーラが漂う?サンタントニオ大聖堂とガッタメラータの像
左下:外観はいたって質素でも中はジオットのフレスコ画の宝庫、スクロヴェーニ礼拝堂 i
右下:外観はいたって質素でも中はジオットのフレスコ画の宝庫、スクロヴェーニ礼拝堂
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☆パドヴァ大学Universita` di Padova
パドヴァ市庁舎前に大学があるので、パドヴァの街の中心は、いつも学生の姿であふれかえっています。イタリアで学位をとるということは、日本の大学生には想像もつかないほどの大変な名誉!多くの脱落者を尻目に、厳しい試験をとおりぬけ、長年捧げた学生生活からの門出を祝う卒業生とその親族、友人一同とおぼしきグループが、大学前でお祝いしている光景に出くわすこともしばしば。“ドットーレDottore(学士)、ドットーレ!”と大声で騒ぎながら、紙吹雪や花束が舞い散るお祭り騒ぎが路上で繰り広げられ、なかには上下、下着(水着ではありません)姿で走り回る女性などもあり、そのおおらかさに圧倒されます。パドヴァ大学の中庭をのぞくだけでも、ガリレオの時代からの歴史を感じとることができますが、できればガイドツアー(3ユーロ、見学時間帯が頻繁に変わる為、電話049-8273047へ問い合わせのこと。)に参加されて、狭いらせん階段状の見学台が印象的な解剖学教室Teatro Anatomicoや多くの紋章が飾られた大教室Aula Magnaなどをご覧になられることをおすすめします。

☆ラジョーネ宮と市場Palazzo della Ragione/Il Mercato
パドヴァの中心地といえば、別称サローネSaloneと呼ばれる旧裁判所のラジョーネ宮辺り。建物を取り巻く、エルベ広場Piazza delle Erbe、フルッタ広場Piazza della Frutta、シニョーリ広場Piazza dei Signoriには野菜・果物、衣類、雑貨などの露天市がたち、安いものならなんでもここで見つかります。私のお気に入りは、ラジョーネ宮1階部分にある食料品市場。水曜日の午後と日曜日以外は開いており、北ではなかなか手に入りにくい南イタリア各地の食の専門店などもたくさん集まっています。エノテカでは高すぎて手が出ないサッシカイアSassicaiaやビオンディ・サンティBiondi Santiの年代ものワインも、この市場のアリメンターレでは、超お得で手に入れることができたり。。。パドヴァの台所、必見です!また、ラジョーネ宮は一部修復が続いていますが、現在、内部見学が可能になっています。  

写真説明
左下: いつも活気であふれる市場とラジョーネ宮
右下:パドヴァ市民の憩いの場所、プラート・デッラ・ヴァッレ
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☆サンタントニオ大聖堂Basilica di Sant’Antonio
数ある聖人のなかでも、奇跡といえばこの人、聖アントニオ。近年はパードレ・ピオPadre Pio(ピオ神父)人気に押され気味ですが、それでも年間500万人の巡礼者を数えると言われています。フランチェスコ派のポルトガル人ですが、魚やラバに説教をしたり、子供を蘇生したり、等々、ちょっと信じられないような数々の不思議なエピソードが伝えられています。聖堂内の彼の棺前では奇跡パワーを信じる人々が、“本当に真剣に”何かお願いごとをしています。巡礼者の写真やメッセージが張り出してある一角には、事故でぐちゃぐちゃになった車の写真と共に”あなたのご加護で奇跡のように助かりました“と記されていたり、不治の病からの生還を感謝する手紙が張ってあったりします。聖堂奥にあるきらびやかな聖遺物箱Reliquiarioには聖人の舌、顎が飾られています。

☆おすすめ、周辺の見所など
パドヴァ駅前から中心街にかけては、交通量も多く、ごみごみしている感がしますが、一歩裏通りに入ってラジョーネ宮南側の元ゲットー界隈、サンタントニオ大聖堂付近では静けさの漂う宿が見られます。しかし、国鉄駅前から市営バス(ACAP)のA、M、Tの各線に20分も乗れば、名湯アバノテルメAbano Termeに到着できますから、ゆっくり温泉でリラックスしながらの滞在というのはいかがでしょうか?城壁のみごとなエステEsteや城砦の町モンセリチェMonseliceなどがあるパドヴァの南のワインの産地、コッリ・エウガネイColli Euganei地域へは、スクロヴェーニ礼拝堂横のバスターミナルから郊外行きのバス(SITA)で連絡されています。なかでもアレッツォ出身のルネッサンスの詩人、ペトラルカPetrarcaが余生を送った家がある静かな村、アルクワ・ペトラルカArqua` Petrarcaは私のお気に入り。ペトラルカは、人生でたった1度だけ遭遇した人妻ラウラへのプラトニック・ラブを書き綴ったソネット(14行の定型詩)で、ダンテと共にイタリア文学史上、不滅の名を残しています。バスの便が悪いのが玉にキズですが、ブドウ畑がなだらかに続く丘の眺めはおそらく14世紀当時からあまり変わっていないはずで、どことなく彼の故郷、トスカーナの風景を彷彿させ、なぜ彼がこの地で生涯を閉じることを選んだのかわかる気がします。


パドヴァ・データ
Dati di Padova
■アクセス
列車:ヴェネツィアから約30分、ミラノからは約2時間半。
自動車:ヴェネツィアから約30分、ミラノから約3時間。高速道路A4のPavova Est, Padova Ovestが出口。
飛行機:ヴェネツィア・マルコポーロ空港Aeroporto Marco Poloよりパドヴァ行きのバス(SITA)で約65分。
■インフォーメーション パドヴァ/エウガネイ温泉観光局 Turismo Padova Terme Euganee
Riviera dei Mugnai, 8
35137 Padova
Tel:(国番号39)049-8767911 Fax:(国番号39) 049-650794
HP: www.turismopadova.it
e-mail: info@turismopadova.it

インフォーメーションオフィス
Uffici di Informnazione e Accoglienza Turistica(IAT)
◇国鉄駅Stazione FS
Tel:(国番号39) 049-8752077 Fax:(国番号39)049-8755008
e-mail: infostazione@turismopadova.it
オープン:9:15〜19:00(月〜土)/9:00〜12:00(日)
◇ガレリア・ペドロッキGalleria Pedrocchi
Tel:(国番号39) 049-8767927 Fax:(国番号39) 049-8363316
e-mail: infopedrocchi@turismopadova.it
オープン:9:00〜13:30/15:00〜19:00(月〜土)、日休み
◇サント広場Piazza del Santo
Tel: (国番号39) 049-8753087
オープン:4月〜10月
e-mail: infosanto@turismopadova.it
◇アバノテルメAbano Terme
Via P. d’Abano, 18
35031 Abano Terme
Tel:(国番号39) 049-8669055 Fax:(国番号39) 049-8669053
オープン:8:30〜13:00/14:30〜19:00(月〜土)、9:00〜12:00/15:00〜18:00(日)
◇パドヴァ市内(アバノテルメ方面含む)のバスACAP
Via Rismondo, 28
35131 Padova
Tel:(国番号39) 049-8241111 Fax:(国番号39) 049-8241112
HP: www.acap.it
e-mail: acap.info@acap.it

◇パドヴァからヴェネツィア空港、コッリ・エウガネイ方面などへのバス、SITA
Via del Pescarotto, 25/27
35131 Padova
Tel:(国番号39)049-8206844 Fax: (国番号39)049-8206828
HP: www.sita-on-line.it

■おすすめホテル
◇ラジョーネ宮まで徒歩30秒、抜群のロケーションで、パドヴァの見所を存分楽しめそうです。マジェスティック・トスカネッリMajestic Toscanelli☆☆☆☆
Via dell’Arco, 2
35122 Padova
Tel:(国番号39) 049-663244 Fax: (国番号39) 049-8760025
HP: www.toscanelli.com
e-mail: majestic@toscanelli.com
◇通りに漂う荘厳な空気。サントニオ大聖堂すぐそばのモダンなホテル、
ドナテッロDonatello☆☆☆☆
Via del Santo, 102
35123 Padova
Tel:(国番号39) 049-8750634 Fax:(国番号 39) 049-8750829
HP: www.hoteldonatello.net
e-mail: info@hoteldonatello.net
◇アバノテルメの5星最高級ホテル、最高の贅沢をお探しの方に。。。
アバノグランドホテル
Abano Grand Hotel☆☆☆☆☆L
Via Valerio Flacco, 1
35031 Abano Terme(PD)
Tel:(国番号39) 049-8248100 Fax:(国番号39) 049-8669994
HP: www.gbhotels.it e-mail: ghabano@gbhotels.it
◇趣味のよい調度品で大人の雰囲気が漂う、アバノテルメのしゃれたホテル、
ラ・レジデンスLa Residence☆☆☆☆
Via Monte Ceva, 8
35031 Abano Terme(PD)
Tel:(国番号39) 049-8247777 Fax:(国番号39) 049-8668396
HP: www.gbhotels.it e-mail: laresidence@gbhotels.it

■おすすめレストラン
◇ラジョーネ宮から一歩入ったロマンチックな界隈にあるレストラン。カメリエーレの洗練されたサービス、豊富なワインリスト、ドルチェに至るまですべてに満足、ラ・ヴェッキア・エノテカLa Vecchia Enoteca
Via SS. Martino e Solferino, 32
35100 Padova
Tel&Fax:(国番号39) 049-8752856
定休日:月曜日のランチと日曜日、8月
◇旬の食材を生かした日替わりメニュー、チェントロから徒歩5分。おしゃれで小さなトラットリア・サン・ピエトロTrattoria S. Pietro
Via S. Pietro, 95
35100 Padova
Tel:(国番号39) 049-8760330
定休日:日曜日、夏季の土曜夜、7月
◇パニーノは飽きたし、レストランに入るほどでもない。。。という時は、オンブラ・エ・チケッティOmbra e Cichetti(ワインとおつまみ)!パドヴァ大学の学生に混じって傾けるグラスワイン。。。エノテカ・レ・コルナッキエEnoteca Le Cornacchie
Via S. Martino e Solferino, 6
35100 Padova
Tel:(国番号39) 049-8763034
HP: www.lecornacchie.it

■ショップ等
◇中世の僧院で使われていたような羽毛のペンや封ろうなどのコレクションは見事!サンタントニオ大聖堂近くの、書に関する専門店。アンドレア・スパニョルAndrea Spagnol
Via del Santo, 175/179
35123 Padova
Tel&Fax:(国番号39) 049-8751594
e-mail: andreaspagnol@libero.it
営業:年中無休、9:00〜19:30
◇活気のあふれる市場にあるプーリア地方の食材屋さん。高級ワインの調達はDuty Freeよりもお得!イ・トゥルッリI Trulli
Piazza dei Frutti, 8
35100 Padova
Te:(国番号39) 049-656477
営業時間:08:00〜13:00/16:00〜19:45(水曜午後と日曜は休み)

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著者プロフィール

三浦和美(みうらかずみ) 
山口県出身。法政大学卒業後、外資系銀行を経て2年半ロンドンに滞在。JTBローマ支店、全日空ローマ支店に勤務後、14年住み着いたローマを離れ、現在ヴェネト州ヴィチェンツァ在住。セリエA入団を夢見る長男は14歳。



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