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特集 小都市を訪ねる旅           南イタリア ジグザク感傷紀行
15 aprile 2004

その3  混沌の首都 パレルモ
写真・文: 福久隆男





■ パレルモ Palermo

混沌の首都 
この街は混沌としている。イスラム寺院の中にキリストのモザイク画が描かれている。人々の顔がミルク入りのコーヒーみたいに混ざり合っている。
イタリア人は都会が嫌いだが、私などは、よそ者特有の発想で、混ざっているのもハーモニーがあっていいもんですよ、などと言いそうになる。
イスラム支配が終わっても、ノルマン人はその宗教建築物を壊さずに融合を図った。今も残るマルトラーナ教会はその傑作といえよう。また、旧市街の中にあるジェズ教会は、観光ルートからはずれているため人気は少ないが素晴らしいバロック様式で見る者を飽きさせない。



お買い物
冬のパレルモ。サルディ。スーツ1着100ユーロ。なかなか渋くていいな…。

■チェファルー Cefalu'

海の色
豪華なモザイクで有名なドゥオモがあるため、この街も知られているとはいえ、ちょっと申し上げたいのはこの海岸のよさ、である。
真北に向かって砂浜がある。これは、太陽の方向からすると順光になるから、いつみてもきれいな青色、ということになるのだ。
チェファルーは海の色が最高だ。海と建物のコントラストも美しい。


■サント・ステファノ・カマストラ S.Stefano di Camastra

魔法の皿 
陶器の街といってよろしい。窯ストラ、と憶える。
シチリアは陶器製造が盛んで、有名なところではカルタジローネであるがそこだけではない。ここ、カマストラはパレルモから東へ90km、チェファルーから30km程度のところにあって、陶器のお買物にはぴったりである。
駅舎からして陶器満載。おもしろいので写真をとっていたら、それをじーっと見ていた駅のおじさんが、「どんどん撮ってくれ。どんどん」と言うのだ。
街の陶器店で、「これでスパゲッティを食べると不思議と美味しくなってしまう、というような魔法の皿はないかな? できれば、太陽の絵が描かれたのが欲しいんだが」と注文をつけたら、あっさり見つかった。この「太陽の絵が描かれたスパゲッティ用の皿」は、ほかのどの街で探しても見つからなかったのだ。

■ トゥーサ Tusa

天空の農村
パレルモから東へ80km、チェファルーから20km。地図を見ると、北海岸から内陸へ、つづれ折の道があり、その終点が小さな街になっている。標高は600mほど。地図から推測すると、海を見下ろす高台にある、眺めのよい街なのは間違いないと思い行ってみた。
どうです? いい眺めでしょう。
街の最高点に「展望台」という名のバールがあるから、そこでお茶でもいかがですか。
裾野の畑では、ロバが現役だ。ロバに乗ったおじさんに、ボンジョルノ。
ほ、東洋のかた、これは珍しい…。
TUSAの近くに、ハレーサHALAESAという小さな遺跡がある。紀元前403年にシチリア人族長アルコニデによって建設され、後にもギリシャやローマ時代に発展したいう。ここもまた良い景色。

地図
この地図はイタリア旅行協会が発行する「大道路地図・20万分の1」である。よーく見ると判るのだが、これはすべて手描き製図によるものである。道路も文字も、からす口や丸ペンで、人の手で描かれたものだ。イタリアにもうまい地図職人がいるようである。


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著者プロフィール

福久隆男(Takao FUKUHISA)

写真家。ライター。地図作家。イタリアを旅すること13回。著作多数。無類の南イタリア偏愛者、及びアランチーネ偏愛者。地図を眺めてインスピレーションを得、旅先を決めると面白い事があるというジンクスを持つ。現在千葉県在住。32歳。ご意見・ご感想はfukuhisa-takao@mail.goo.ne.jpまで。





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