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15 giugno 2006

第12回 トレーノ・ブルーでイセオ湖へ
〜Ferrovie Turistiche Italiane 2〜




池田匡克・池田愛美


   
先月のヴァルドルチャ鉄道に続く、フェッロヴィエ・トゥリスティケ・イタリアーネの旅第2弾はミラノ発、イセオ湖行きのトレーノ・ブルー。これはロンバルディア州のバッソ・セビーノ鉄道が春から秋にかけての観光シーズンにオーガナイズする特別列車で、昔なつかし蒸気機関車とヴィンテージ・カー目当てに熱心な鉄道ファンや家族連れが毎回イタリア全土から集結する。例えば2005年の企画は「花のフランチャコルタ列車」「ブレシア・イセオ鉄道120周年記念列車」「イタリア国鉄100周年記念列車」などなど。毎回趣向を凝らしたイベントも、もちろん楽しみのひとつである。

2005年11月6日、日曜日。ミラノは朝から厚い雨雲に覆われ、冷たい雨が絶え間なく降り続ける生憎の天気。それでも集合場所のミラノ・ランブラーテ駅に集まっていたのは傘や雨合羽で準備万端整えたイタリア人たち。線路で出発を待つ蒸気機関車を、目をきらきら輝かせながら眺めている子供たち。ついでに大人たち。雨の中、濡れながら出発準備や乗客の案内に駆け回るトレーノ・ブルーのスタッフたち。そんな情熱的な光景を目の当たりにすると、こちらも雨だからといって意気消沈してなどいられなくなる。今回招待してくれたトレーノ・ブルー仕掛人の一人、理系のシルヴィオとがっちり握手して出発前にお互いの健闘をたたえあう。なんだか気分は日本代表Vsイタリア代表戦。やがて降りしきる雨の中、トレーノ・ブルーは本日の目的地イセオ湖めざしてゆっくりと動き出した。

この日のイベントはちょうど出たばかりの新酒を味わう「ヴィーノ・ノヴェッロ・ディ・フランチャコルタの旅」。DOCGフランチャコルタとDOCテッレ・ディ・フランチャコルタ(赤&白)を生産するこのフランチャコルタの地は、優良ワインを生み出す土地には優秀なレストランが多い、という鉄則通り実にいい料理店が点在する。今回はそのできたての赤ワインを賞味しつつ、イセオ湖の幸を味わう、という2本立て企画。たとえ生憎の雨で紅葉したぶどう畑が車窓に見えなくとも、いざ目的地へのイセオ湖へと気持ちははやるばかり。

食堂車、バー§カフェ車両含め6両編成のトレーノ・ブルーは途中数駅で停車してその都度乗客を乗せつつ、ミラノから2時間半かけてイセオ湖に着いた。ここから専用の遊覧船に乗り、クルサーネに直行するのかと思えば、湖をほぼ一周。晴れていれば美しい森が見えたのだろうけれど、湖上の船から見えるのは雨雲が低く垂れ込めた寒い晩秋の風景。氷雨に耐えることしばし、ようやく船はクルサーネに着いた。

昼食の場所は創業100年を超える古いレストラン。暖炉に火が灯る部屋にはすでに前菜とワインが並び、宴の準備が整っている。ここではカーボニック・マセラシオンがどうとかピノ・ネロとバルベーラの理想的ブレンド比率がどうとか今年の新酒についてうるさく語る人はいない。みな和気あいあいと大皿を回し、ワインを注ぎ、イセオ湖の幸を味わう。さまざまな地元のサラミ、プロシュート、湖の小魚のマリネではじめ、プリモは寒い日にぴったりの熱々のラザーニア。メインはティンカというコイ科の淡水魚のオーブン焼きだったが、マスに似た赤身の肉は実にリッチで脂分が多く、これをバター・ソースで食べると全身にエネルギーがみなぎり渡る。
いつしかテーブルにはグラッパの大瓶が回され、既に宴たけなわ。雨雲を吹き飛ばすかのような祝宴は夕方まで続いたのである。


出発のミラノ・ランブラーテ駅。蒸気機関車の出発準備が整うと子供たちが大歓声をあげた。



トレーノ・ブルーはイセオ湖に到着。ここから雨の中船着き場まで移動、専用船に乗り込む。



船上から見たイセオ湖の眺め。晴れていれば美しい秋の山が見えたはずなんだけど。



クルサーネのレストランでは誰もが雨を憎むかのような旺盛な食欲。


データ
Dati



バッソ・セビーノ鉄道 Ferrovia Basso Sebino
今年もさまざまなイベントで楽しませてくれるバッソ・セビーノ鉄道。
詳細は
http://www.ferrovieturistiche.it/
e-mail: trenoblu@ferrovieturistiche.it
Tel. +39-030-7402851
(火曜から金曜 14:00〜18:00, 6月4日〜6月25日、8月25日〜9月22日のみ)

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著者プロフィール

池田匡克 池田愛美
フリーライター、編集者。月刊誌編集部勤務を経て、1998年に渡伊。以降、フリーランスで日本の男性誌、女性誌、旅行誌、料理誌に編集、及びライターとしてイタリア 情報を寄稿。イタリア全州を車で回るつもりだったが、最後のヴァッレ・ダオスタ州 のみ列車で踏破。以来、近頃は鉄道移動がマイブーム。近著は「シチリア 美食の王国へ」(東京書籍)、「地球の歩き方 イタリア鉄道の旅」(ダイヤモンド社))、「イタリアの市場を食べ歩く」(東京書籍)。「イタリア音楽散歩」(世界文化社)、イタリア国立ジャーナリスト協会、ロー マのFreelance International Press所属。フィレンツェ在住。

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