JAPAN-ITALY Travel On-Line

特集・私の自由旅行  〜個人旅行のノウハウ教えます〜
15 ottobre 2010



マンマの手料理とバッボのヴィーノ
―南イタリア19日間の旅
第2回 アグリジェントとパレルモ


         

春木秀夫


●アグリジェント
明くる日は陶器の階段で有名なカルタジローネをバスで訪ね、13日朝カターニアの宿を引き払い今度もプルマンでアグリジェントへ向かう。バスは四国より余程広いと言われるシチリアを横断するように進む。この地に人類が住み着いて何万年になるか知らないが、人々は余すところ無く耕し尽くしてしまったようだ。森林面積が70%を超え鬱蒼とした日本国と違い、なんと大地が広くあ っけらかんとしていることであろうか。太陽がむやみにまぶしい。
この国を旅しながらいつも思う事は、耕地面積の広さと食料自給率の高さである。広大な耕地と画一化されない地域尊重の思想がイタリアの食を支え、更には私たちを魅了してやまない地域文化を育んでいるのであろう。

写真トップ@:カルタジローネのスカーラ(大階段)にて 春木ご夫妻
下左A:アグリジェントの大地、右B:アグリジェントの遺跡で 春木夫人

バスはアグリジェントの駅から少し離れた小さな広場に着く。タクシーの誘いを振り切り、かばんを押しながらあてずっぽうに町のチェントロ(中心部)へ向かう。しかしお目当てのレストランが見つからない。そこで強い日を避けて木陰の涼しそうなカフェに立ち寄り、例によってビールとパニーニ(サンドイッチ)の昼食をとる。ついでに試食したアーモンドのビスケットがあまり美味しいので、お土産に少し買い込み今度はタクシーで郊外のホテルに向かう。

ギリシャ遺跡はホテルの部屋から南の方に小さいがはっきりと見てとることが出来る。ホテルと遺跡の間はオリーヴと葡萄の畑がゆったりと続いており、更にその彼方にはイオニア海が青く輝いている。息を呑むような景観である。
「遺跡へは歩いてゆき、この辺りからバスを使って帰ってくれば良いよ」というホテルフロントの教えを守り、あの素晴らしい風景の中を歩き出した。ところが歩道が無い。車が凄まじいスピードで走り抜ける中での散策は、そんなに愉快なものではなかった。

素人目には遺跡自体がそんなに凄い物とは思えない。しかしこのシチリアの島が、今から2500年前にギリシャの植民地として堂々たる地位を確立していたと言う歴史的事実に、深い感動を覚えないではいられない。日本ならば弥生時代中期。かのローマ帝国でさえ、都市国家として漸く小さな芽を出しかけた時代なのだから。

写真下左C:アグリジェント市街地のカフェでくつろぐ春木さん、右D:パレルモで出会ったダルマチアン 春木夫人

●パレルモ
次の日は雨の中昼前のバスでパレルモに向かう。
パレルモの宿は都心のポリテアーマ広場に面した交通至便の場所にあった。東京にたとえれば銀座のまん中である。部屋は超モダンな設えでともかく清潔で広い。
ホテルで休んでいるうちに雨も上がったので、予定通り市内バスで歴史地区 の散策に出かける。バス路線はキチンと分かりやすく整備されており、この町での三日間愛用させてもらった。ノルマン宮殿の入り口が大変解りにくく苦労した以外は、(折角探し当てたにもかかわらず工事中でパラティーナ礼拝堂だけ入場)予定の行程を順調にこなし十分に満足して裏町のバールで小休止。ここのワインとパニーニは美味しくて疲れを一気に取り去ってくれた。

ここからもっとも好きな下町見物にはいる。店を冷やかしたりカフェに入ったりとイタリアのよさを満喫できるひと時である。その意味でもパレルモは良い町である。世界共通なブランド店には興味ないので、クワットロ・カンティ周辺からマッシモ劇場にかけての安い小さなお店が断然面白い。家内はお土産を少し買い、靴やら服やらも買い込んで意気揚々とホテルに引き上げた。

15日は朝から又雨。バスでマッシモ劇場へ向かい10時からの内部観覧ツアーに参加する。ここはミラノのスカラ座より大きくその豪華さはただものではない。これだけのものを造り上げ維持する巨大な権力と資力にただ驚くしかない。そういえばゴッドファザー3で、マイケル・コラッツオーネが狙撃される最後のシーンに使われたのは、この正面ファザードといわれている。しかし実物は映画の場面に比べて階段が低すぎる気がしましたが・・・・。
そしてここでも日本人を中心にした小さなグループに声を掛けられた。オランダ在住の人たちらしい。彼らはこのあと乗用車でカターニアに向かうそうだ。

写真下左E:パレルモ マッシモ劇場にて 春木夫妻、右F:モンレアーレの回廊 円柱のユーモラスな彫刻

●モンレアーレ
そして又バスを乗り換えパレルモの山手の町モンレアーレへ。乗り継ぎのインディペンデンテ広場で今度は勇敢な二人旅の日本人女性に出会う。常々治安が問題にされる南イタリアも、いまや個人旅行の人気スポットになった感がある。幸いなことに私達も3週間の滞在中、この面での不安を感じた事は全くなかった。
30分ほど山道を走るとモンレアーレに着く。この町の大聖堂はノルマン文化最大の精華といわれているが、パレルモのパルティーナ礼拝堂といい金色に輝くあの華麗さは他に例が無いのでは。11世紀後半サラセンの手からシチリアを独立させたこの王朝のすさまじいまでの宗教心と、それを裏付ける財力の根源は一体何であったのだろうか。

雨に疲れた体を癒してくれるのはお酒と食べ物。大聖堂近くのカフェでいつもの昼食。しかしここのパニーニは大分違う。注文生産で何でも挿んでくれる。パンの中身をくりぬきどんどん挿んでゆく。成る程こういうことかと目から鱗が落ちた感じで、家内はパニーニのノウハウを習得したと大喜びでした。
夜は2日ともJITRAの画面で桜田かおりさんに教わったレストランに出かける。いずれもホテルに近いので大助かり。特にチュニジア料理が初めてだったので強い印象を受けたのだが、イタリアのお店にしてはサービスが少し気になりました。  

又も雨の中16日早朝、シャトルバスでパレルモ空港へ向かう。何人ものお客が傘をさして待つ中バスは6時45分定刻どおりにポリテアーマの停留場に着く。我々もほっとしたが誰もが同じ感じだったに違いない。
バスは途中で大勢のお客を集めながらゆっくりと進み、そして定刻にパレルモ空港に到着した。これからナポリ空港まで1時間弱。更にバスでアマルフィを目指す。 雨にたたられたパレルモではあったが、もう一度のんびりと遊んでみたい町でもあった。

春木秀夫(はるきひでお)さんのプロフィール
愛知県在住。「長年の宮仕えから数年前に開放され、念願の勝手気儘な人生の見習い期間中。趣味:バラと芝生作り、能狂言、イタリア旅行、etc」



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