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特集・私の自由旅行  〜個人旅行のノウハウ教えます〜
15 dicembre 2012



シチリア旅行記
第3回 イタリアの古代ギリシア

-世界遺産のアグリジェント遺跡-

         

Okaya 


いよいよパレルモを離れ、シチリア旅行のハイライト、世界遺産のギリシア神殿群が残るアグリジェントへ向かう。それは、ティレニア海と別れ、内陸部を縦断し地中海に向かう旅。無事プルマンに乗り込み、パレルモの市街地を抜けると直ぐ、居眠りをしてしまった。ふと目覚めると荒涼とした丘が目の前にあった。映画「山猫」で公爵一家が、きな粉をまぶした様に埃まみれになりながら、ドンナフガータ村へ行く途中に通りかがったような。2時間余でアグリジェントに到着し、バスターミナルからタクシーで、宿泊するB&Bへ行き、荷物を預けた。

●この地の繁栄を物語る考古学博物館
そのままタクシーで考古学博物館へ、ローマ時代の劇場跡を迂回し、この後観光するギリシア神殿を遠望しながら入館した。展示品は、見事な大理石彫刻―エフェポ又はアグリジェントの青年―、赤絵と黒絵の陶器等を含む、旧石器からギリシア・ローマ時代までのアグリジェントからの発掘品とこれから訪れる神殿の復元模型など。膨大な品々はアグリジェントの繁栄を雄弁に物語っていた。

写真トップ @夜明けのコンコルディア神殿
写真下左:A考古学博物館の赤絵の壺  写真下右:Bゼウス神殿とアグリジェント市街

●詩情を誘う今はのどかな神殿の谷
いよいよ「神殿の谷」へ、入り口で軽くランチを済ませ入場した。まず、ゼウス神殿(の跡)。建築物とは呼べない瓦礫の山が一面に広がっている。どのくらい広いかと言うと基壇部分が112.6x56.3mあるそうで、これはサッカー場のオーダーだ。古代ギリシア世界でも最大級だったとのこと。あまりにも巨大だったので未完のうちに攻めて来たライバル、カルタゴに破壊され、地震に止めを刺されてしまった。

次は4本の柱とそれに支えられたエンタブラチュア(柱頭の上部へ水平に構築される部分)のみが復元された、カストル・ポルクス(ディオスクロイ)神殿。カストル・ポルクスはふたご座のふたり。BC5世紀に建てられたがゼウス神殿と同時期にカルタゴに破壊された。瓦礫に囲まれて、神殿の角部分の4本柱が立っている姿が、詩情を誘う。今はのどかなこの神殿の谷だが、戦いと破壊の歴史を神殿は秘めているのだ。

●コンコルディア神殿とヘラ神殿
次はハイライトの中のハイライト、ほぼ完全な形で2,550年以上立ち続けているドーリス式のコンコルディア神殿。名前はコンコルディア(平和・調和のローマの女神)だが、実際誰に捧げられたかは不明なのだそうだ。こんなにも完璧な姿を保っているのは、ビザンチン時代にキリスト教会に転用されたから。壁が作られたことで、他の神殿が倒壊した地震を生き延びたのだ。正面から見ても真横から見ても斜めから見ても近づいても、遠くからでもとにかく美しかった。

写真下左:Cコンコルディア神殿  写真下右:Dヘラ神殿

地中海を見ながらずんずん歩いて、78本中25本柱が立っている東端のヘラ神殿へ。この神殿は、コンコルディア神殿と同時期に建てられたとの事。他の4神殿は比較的固まっている印象だが、この神殿だけぽつんと孤立していて、何か意味があるのかと勘繰りたくなる。何故ってヘラは主神ゼウスの正妻だから。ここから入り口に逆戻り。 途中カフェで休憩して、私はカキ氷みたいな「グラニータ」を食べた(飲んだ?)。

●8本の足のヘラクレス神殿
コンコルディア神殿をもう一度見て、入り口近くのヘラクレス神殿へ。BC520年建造のアグリジェント最古の神殿。瓦礫の中に20世紀初頭、英国人考古学者が復元した8本の柱が立っている。ヘラクレスはギリシア神話中最高の英雄なのだそうだが、神様でなく、まず、英雄の神殿を建てたアグリジェントの人って一体…。それともアグリジェントが建設されたBC582から520年の間に、神様に捧げられた神殿が建てられて、それがどこかに埋もれているのか。

  写真下左:Eヘラクレス神殿  写真下右:F夜空に浮かぶ、宿からのヘラクレス神殿

●夜空に浮かぶ幻想的な神殿
神殿の谷を出た私達は、アグリジェント市街でパンとワインを仕入れ、本日の宿B&B「Camera con Vista」(英語ではRoom with a View、つまり眺めの良い部屋)へ戻った。名前を裏切らず、ベランダからは神殿の谷が良く見えた。ライトアップされた神殿が見たくて、パレルモから日帰りも可能なのに強いて泊まることにしたのが、幻想的な様は、太陽の下で見るよりも何倍も印象深かった。夜空に浮かび上がる神殿を見ながらのベランダでの食事は、正にハイライトだった。とっても美味しいパンとワインは合計4.9ユーロだったが。

深夜Yさんが洗面所に行った音で目が覚めた。「今三時。」外を見ると、ライトアップされたコンコルディア神殿の上に紛れも無いオリオンが煌めいていた。多くの北半球の星座名はギリシア神話に拠っており、オリオン然り。そしてオリオンのα,β星ベテルギウス、リゲルはアラビア語起源だそうだ。イスラム勢力がビザンツを駆逐した後、コンコルディア神殿はモスクに改変された可能性もあるらしい。夜のアグリジェントも古代ギリシア一色でなく、ハイブリッドな世界だった。

Okayaさんのプロフィール
196x年東京生まれ。趣味は旅行、登山、舞台鑑賞(主にオペラとバレエ)で年齢より海外旅行の回数の方がい。イタリア訪問は6回で、3回目からは個人旅行ばかり。イタリアへの興味は、幼少の折テレビで見た「レオナルド・ダ・ビンチの生涯」から。大学生の頃から塩野七生の著作を愛読し、ヴィスコンティの劇場上映は逃さず鑑賞。シチリア出発直前に「山猫」を見られて、TOHOシネマに感謝!  最近の愛読書は「テルマエ・ロマエ」。 



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