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イタリアワインVino探検記
   
15 Dicembre 2003

第13回 Verdicchio dei Castelli di Jesi
〜無敵のコンビネーション〜


 



中川原 まゆみ



Verdicchio dei Castelli di Jesi(ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエー ジ)長い名前で覚えられません!でも、アンフォラ型(壷)の瓶と言えば覚えのある人がいるかも知れない。ファツィ バッタリアと言うワインの造り手が1953年にミラノ在住の建築家”アントニオ マイオッキ”にデザインを依頼しこのアンフォラ型の瓶を造り、その後、他の造り手もそれに続いて使いはじめた。エトルリア人がワインの海上輸送のためにアンフォラを使っていたので、アンコーナの港から出入りしていたのだろう。

この産地にはリミニから左手にアドリア海をみながら、下って行き、セニガリアから 内陸に40kmほど入ったあたりから、Verdicchio dei Castelli di Jesiの地区が始 まる。小高い丘が続き、眼下にはアドリア海が羨望できる。丘の頂上近くには城壁で囲まれた城跡(Castelli)が至る所にある。この地区は少し南に降りたイエージと続き、この辺りからVerdicchio dei Castelli di Jesi Classico(クラシコ)の畑が始まる。クラシコの畑とは古くからある畑の事でその後、周囲に畑が拡張される、つまり、初めに始めた畑の事。このワインはノーマル以外にスプマンテ、クラシコ、クラシコ スプマンテと4つのカテゴリーに別れている。

いつもそうなのだが、マルケ州に入ると中部イタリアではなく、南イタリアを感じて しまう。う〜ん、南イタリアというか”マルケ”独特。車を運転していて、少しづつ景色は海に向かって開けていき、出発した時は雨が降っていても何故かここにくると晴れている事が多い。そして、温度は3〜4度は高いと感じる。
そして、なによりもマルケに来たと実感するのは食事。マルケ料理は味が濃!!確かに私の友人や知り合いは性格が激しく濃い人が多い。関係あるかどうかはわからないが、私は関係アルと思う。?魚料理にしろ、肉料理にしろ、まずは塩味が強く、濃厚そして田舎臭い。マルキジャーノ(マルケの人)は激しい性格から、興奮し、汗をたくさんかくので塩分の補給が必要なのだろうか?

はたして、マルケ料理にはどんなワインが合うのだろう?  と考えながらアペリティヴォを飲み、大好物の生サラミ”チャウスコロ”をつまむ。

Verdicchio dei Castelli di Jesiの特徴はボディ、つまり重さがあり、塩味がそれ を支えている。特にクラシコ地区のものはハッキリと表れている。 この日の夕食は以前『魚料理のマリア-ジュのためのワイン選考会』が開かれた海岸の城壁を改造し、レストランを造った店に行く事にした。

眺めの良いテラス席に案内され、とりあえずワインリストをもらう。魚料理を注文する事は決めていても、いつも『違う土地のワインと合わせてみようかな?』と浮気心がよぎつのだが、マルケに来た時には一切ない。なぜなら、フリウリなどの白ワインと合わせるなどイメージも湧かないからだ。迷わず、Verdicchioのページでワインを検討する。ヴェルデッキオ種で他に”Verdicchio di Matelica(ヴェルデッキオ マテリカ)”というDOCがある。このワインはVerdicchio dei Castelli di Jesi地区よりもさらの内陸に入り、マテリカ村周辺で数件のワイン生産者がいるだけ。 Jesiとまったく同じヴェルデッキオ種を使っているにも関わらず、性格が全然違う。 Matelica地区のテロワールは盆地で温度差が激しく、粘土質土壌。ワインはエレガントで酸がきれい、かわいらしい乙女。それにひきかえJesi地区はミネラルを多く含む石灰土壌。

気候は夏場かなりの温度に達し、熱帯夜が続く。ワインは力強い海の男だ。 ワインを選ぶ時にVerdicchio di Matelicaにも心が揺れたが”Antipasto misto ai gam beri(海老の冷製盛り合わせ)”を生に近い状態で調理して欲しいと頼んだので、Jesiの中からVerdicchio dei Castelli di Jesi Classico 2002の単一畑の遅摘みを選んだ。 色は濃い麦わら色でフレッシュな酸が立っており、香りは青いパパイア、レモンの皮の砂糖漬け、ブロッコリー、味わいは広がりがあり、適度な奥行きと膨らみもあり、フィナーレは中程度だかきれい。セコンドピアットは”Brodetto(魚介の煮込みマルケ風)”でアンコウ、えい、ひめじ、蝦蛄、さばなどが入り、トマトと香草、そしてアックイラ産のサフランをを入れ陶器の器で煮込む。ここマルケは青魚とサフランを入れるのが特徴だろう!

魚のエキスが凝縮され、こくのあるズッパにはVerdicchio dei Castelli di Jesiは 必須で、マルケ料理に多い青魚料理にも青魚の脂分とも相性はよく、Verdicchio dei Castelli di Jesi以外は考えられない。数カ月前に日本に帰った時に目黒の寿司屋でその時、旬だったさんま寿司を思い出し、次回はVerdicchio dei Castelli di Jesi と合わせてみようと思う。かなり、良い相性だと予想される。

マルケ料理の塩味の濃さは、Verdicchio dei Castelli di Jesiにミネラル、塩味の 強さがあったからこそこのような味の濃い料理でも美味しく食せるのではないだろうか。このゴールデンコンビは無敵としかいいようがない。 強い部分と強い部分がぶつかる事により、完全の結合される場合もあるのだ。

 
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ワイン畑

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海老の盛り合わせ

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さんま寿司
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アンフォラ型ボトル

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魚スープBrodetto

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 産地 マルケ州  

 

著者プロフィール

中川原 まゆみ(なかがわら まゆみ)
 蠍座 O型  7才の時に父が母の目を盗みビールを飲ませてくれた。甘い物があまり好きではなかったので、甘くない飲み物に出会って感激。それ以来いろいろ試す。コックだった叔父から1冊のイタリア料理の本をもらったのがきっかけで料理を作り始め、同時にイタリアワインも飲むようになる。1度イタリアを訪れてからは年に2、3回は来るようになり、レストランで食事をして作り方がわからないと「皿洗いをするから」といって厨房に入れさせてもらい、レシピを教わった。1995年9月、東京の中目黒にオステリア「フェルマータ」をオープン。納得したイタリアワインと集めたレシピを中心とした家庭的な店だったが、2001年3月に閉店し、渡伊。2001年9月日本人女性初のAISイタリアソムリエ協会公認プロフェッショナルソムリエになる。現在、エミリアロマーニャ州の「リストランテ・パオロ・テベリーニ」にソムリエとして在籍。時間ができるとワイン産地を巡る日々。3月よりワイン雑誌『Winart(ワイナート)』にて "イタリア マイナー品種探検" の連載を開始。

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