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イタリアワインVino探検記 バックナンバー
   
13 maggio 2004

第15回 Rosso Conero
〜マルケの赤ワイン:パワフルタンニンに脱帽〜


 



中川原 まゆみ



日本ではとかく、イタリアの眩しい太陽と蒼い海はトスカーナの地中海側またはナポリにほど近いソレント半島のアマルフィなどを思い浮かべるだろう。実はその反対側のアドリア海側には知られざる美味しい魅力が潜んでいる。私は"残された裏イタリア"などと呼んでいるが、そこには素朴なマルケジャーノの陽気さとアドリア海側、最重要品種モンテプルチアーノ種が生息する。アウトストラーダでボローニャからリミニを抜けて、まもなくすると高速の車線も3車線から2車線に変わり、これから南下するのだと思うと何故か窓を開けてしまう。左手に海岸線が見隠れし、後はアクセルを踏み込むだけ。日射しの強さは変わり、南イタリアに来たと実感し、さあ!今日の昼食は?と考えるとマルケ料理の味の強さ思いだす。どんな皿も味が濃い、したがってワインも負けてはいられないのだ!

アンコーナを中心にした地区がD.O.C ロッソ コーネロの指定栽培地区で使用許可品種はモンテプルチアーノ種を85%以上、残りをサン・ジョベーゼ種が義務づけられている。モンテプルチアーノ種はアンコーナから内陸に入った地区でも栽培されているが、こちらは主にD.O.Cロッソ ピチェーノでサン・ジョヴェーゼと約半々で使用さる場
合が多く、軽い仕上がりになっている。他にはさらに南下し、アブルッツォ州に入ると大栽培地区が展開する。

一般的にアブルッツォは野性味あふれ、大きめのタンニンが充分あり、酸が穏やかと言われているが、ロッソ コーネロはアブルツォと同じ品種にも関わらず、環境の違いから、2つのタイプに別れる。1つは真っ白と言えるほどの石灰質土壌。ここからできるワインはタンニンやボディは充分あるが、フィナーレがとてもキレイでエレガントなタイプ。あと、1つは真っ赤な粘土質土壌。これは、爆発寸前のボディと満たされたタンニンの塊のタイプ。

春のポカポカ陽気の天気のよい日は爆弾ロッソコーネロを試すしかないだろう!これ以上暑くなるとこのタンニンに体が追いていかなくなる。
今日は友人宅に招かれているので事前に持参するワインについては説明済み、きっとそれに合わせて料理を作ってくれているだろう!と期待して門をくぐった。
用意されていたテーブルはキラキラと輝くアドリア海が一望できる大きなテラス。私は皆が揃う前にワインの準備を始めた。ワインはロッソコーネロ2001、2000、1999、1998と4つのヴィンテージを用意した。2001年はまだ青みがかった紫色が残って香りも黒い森もフルーツがいっぱい。2000年はかなりこなれてきているが、まだまだ暴れている印象。1999はとても良いヴィンテージだったせいもあり、バランスがとれており、美しいフォルマが出来上がって、グラマラス。
1998はちょっと控えめだが熟成香が多く、楽しめるワイン。などど、"
Ciiau'scollo (にんにくを加えた生サラミ)"をつまみながら試飲していたら、すでにイイ気分になってしまった。

友人が用意してくれたプリモピアットは伝統マルケ料理の"Vincisgrass (ラザーニャマルケ風)"で鶏の砂肝なども含めた内臓を加えてたラグーにヴェシャメル、トマトを層になりようにパスタと重ね合わせた濃厚な一皿。2001のロッソコーネロを口に投げ込み、一気に内臓系の臭みを消し取り、余韻はちょっと、ラザニアの方が長め
なので2000を続けて入れ込む。これはなかなか。セコンドピアットは休日料理で"Gran fritto misto Marchigiano(フライの盛り合わせマルケ風)"で小羊、olive alla ascolana(オリーヴの中に焼いた肉をほぐし、パルメザンチーズとパン 粉を混ぜた詰めもの)、 crema(クレーマはカスタードクリームを硬めに作り、シベリーニ山特産のアニスシード、時には自家製アニスリキュールなども加えた甘いもの)、季節の野菜 などを揚げた大皿料理。小羊とロッソコーネロの食べ合わせは定石だが、季節の野菜には2001、olive alla ascolanaには2000、小羊には1998などと合わせて食事をしていたら、6人で1ケース、12本が空いてしまった。
このパワフルなロッソコーネロを飲み干すとは、さすが地元マルキジャーノの凄さだ!
野性味あふれた野外料理、個性がある強い料理にもロッソコーネロは負け知らずだ!

 

 
  photo2
ロッソ コーネロ

  photo3
石灰土壌

  photo4
チャウスコロ
  photo5
フライの盛合せマルケ風
   
 
 

著者プロフィール

中川原 まゆみ(なかがわら まゆみ)
 11月10日生 O型 札幌出身.
1度イタリアを訪れてからは年に2、3回は来るようになり、レストランで食事をして作り方がわからないと「皿洗いをするから」といって厨房に入れさせてもらい、レシピを教わった。1995年9月、東京の中目黒にオステリア「フェルマータ」をオープン。納得したイタリアワインと集めたレシピを中心とした家庭的な店だったが、さらに食に関して知りたい欲求を抑えきれず2001年3月に閉店し、渡伊。2001年9月、AISイタリアソムリエ協会公認プロフェッショナルソムリエになる。現在、エミリアロマーニャ州の「リストランテ・パオロ・テベリーニ」にソムリエとして在籍しながら、感動的なワインに巡り会うためにワイン産地を徘徊する日々。ワイン雑誌『Winart(ワイナート)』にて "イタリア マイナー品種探検" の連載、"イタリアのワインニュース"などの文筆活動の他、イタリアの食全般に関わるコンサルタントも手掛ける。





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