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イタリアワインVino探検記
   
15 luglio 2004

第16回 Prosecco Conegliano Valdobbiedene
〜軽やかなる泡の演出〜


 



中川原 まゆみ



イタリアの発泡性ワインと言えば代表格はなんといってもロンバルディア州のフランチャ コルタ。しかし、フランチャ コルタの品種はシャルドネ、ピノネーロ、ピノ ビアンコなどの外来品種で、造り方もクラシコ方式つまりシャンパンと同じ製法で、この点も国際色豊かな発泡性イタリアワインといえる。それに比べ土着品種プロセッコ種主体でヴェネト州で造られているD.O.Cプロセッコ コネリアーノ ヴァルドビエーデネは、州の北東部に位置するコネリアーノを中心とする平野と西のヴァルドビエーデネの丘で約4100ヘクタールの栽培面積をもつイタリア固有の発泡性ワイン。ヴァルドビエーデネ地区の中にこんもりと盛り上がっている丘があり、ここがプロセッコで最も重要なクリュCartizze(カルティツィエ)である。栽培面積は106ヘクタールとわずかだが、ここのワインは香りに複雑性があり、200種の香りがあると言われており、特に南東斜面のものは顕著に現れている。

プロセッコには糖度の違いによって辛口からブルット、エクストラ ドライ、ドライと3つのカテゴリーに別れている。私はこの地に行くとアペリティーヴからデザートワインまですべてプロセッコのみでよく食事をする。夏場など特にプロセッコの美味しい季節はガス入りのミネラルウォーターは注文せずにドライのプロセッコを1本注文して代用してしまう事もしばしばある。

日差しの眩しい初夏を感じる頃、なだらかな丘が続くワイン畑の見えるレストランのテラス席でドライタイプのアペリティーヴしながら、お店の主人とトレヴィス料理について話していると『今は季節外れだが冬場に作ったオイルづけがあるけど食べてみる?』と言われ、もちろん私は2つ返事で答えた。トレヴィスはこの地の有名シェフのアルマンド ザノッティが617のラディッキオのリチェッタ集を出すほどアンティパストからドルチェまで主賓をつとめる存在。熱を加えても形を留め、味わい方も多様でだたの野菜として扱っていたら大変だ! さて、心地よい苦みのトレヴィスの味見を終え、エクストラドライに切り替えた。セコンド ピアットはカロリーたっぷりの子豚のロース、子羊、チロル風ソーセージなどの“グリル肉の盛り合わせ”。これを口一杯にほうばり、真珠色の細かい泡が差し込む光に反射し輝いているプロセッコを一気に流し込んだ。口中には気泡が暴れ、喉が詰まりそうになる。そして柑橘系のさわやかな酸味と共にレモンドロップの香りが返り静かな時間に戻る。ドルチェにはドライタイプのプロセッコにアーモンドの粉を使った焼菓子フラゴロッタと合わせよう。

近年のイタリアは日本食ブームも手伝って寿司とプロセッコが雑誌の表紙を飾り、リストランテでは生ソーセージ、焼き野菜のオリジナルの寿司などがプロセッコのグラスワイン付きでメニューに載り、話題にのぼる事が多い。実際、試してみてもプロセッコの嫌みのないキャラクターがデリケートな寿司とピッタリだ。そして、魚の卵系から貝類などの難しいアビナメントまでしっかりと演出してくれる。日本の寿司屋、居酒屋などで見かける日も近いだろう。イタリア固有の発泡性ワイン、プロセッコはイタリアのみならず、今後、料理のジャンルを問わず、各分野に浸食し、カジュアルな泡ものワインとして地位を確立するに違いない。

 

 
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グリルミックス

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プロセッコ

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トレヴィス
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ブドウ畑
   
 
 

著者プロフィール

中川原 まゆみ(なかがわら まゆみ)
 11月10日生 O型 札幌出身.
1度イタリアを訪れてからは年に2、3回は来るようになり、レストランで食事をして作り方がわからないと「皿洗いをするから」といって厨房に入れさせてもらい、レシピを教わった。1995年9月、東京の中目黒にオステリア「フェルマータ」をオープン。納得したイタリアワインと集めたレシピを中心とした家庭的な店だったが、さらに食に関して知りたい欲求を抑えきれず2001年3月に閉店し、渡伊。2001年9月、AISイタリアソムリエ協会公認プロフェッショナルソムリエになる。現在、エミリアロマーニャ州の「リストランテ・パオロ・テベリーニ」にソムリエとして在籍しながら、感動的なワインに巡り会うためにワイン産地を徘徊する日々。ワイン雑誌『Winart(ワイナート)』にて "イタリア マイナー品種探検" の連載、"イタリアのワインニュース"などの文筆活動の他、イタリアの食全般に関わるコンサルタントも手掛ける。





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