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イタリアワイン料理紀行バックナンバー
 
5 October 2001

第十一回 またも、ウンブリアの南へ!


ウンブリア州 スポレート
Umbria - Spoleto



南ウンブリアがすっかり気に入ってしまっている。悪い癖かもしれないが、そうなってくると局地的に知りたい、見たいという気持ちにかられる。で、よく知られたペルージャPerugiaやアッシージAssisiを通り越してまた南よりのスポレートを訪れた。他のイタリアの中小都市の多くがそうであるように、こちらも小高い丘を中心に形成されている。風光明媚という言葉は、もうイタリアを語るにはありきたりであるからやめておく。日本のガイドにはさほど大きくとりあげられていないようだが、古代ローマ遺跡のほか、12世紀から15世紀の建造物や美術などが豊富なことはもちろん、なにしろこの丘の上にこじんまりとまとまっていて、一日で無理なく街のほとんどを見て回れるサイズが良い。国鉄スポレート駅からは歩くのは、足に自信がないとおすすめしないが、この丘の上の街の中心にあたるリベルタ広場Piazza della Liberta'まで10分ほどで運んでくれるバスも出ている。

今回食の旅のターゲットは、このリベルタ広場からすぐのところにある、リストランテ・アポッリナーレRistorante Apollinare。伝統的な郷土料理をベースに創造性を加味したメニューを提供する高級店だ。サービスを仕切るのはオーナーのジャンナ・グラダッシGianna Gradassiさん。エネルディッシュで明るく、そしてレストラン経営に真摯に取り組むまっすぐな姿勢がひしひしと伝わってくる。訪れた晩も満席で大変なにぎわいだったが、まったくもって冷静そのもので、てきぱき、そして丁寧な対応でアレンジしていく。こういう頼りになる肝っ玉母さんが仕切ってくれている店は、ことにイタリアにおいてはなんとも良い。

スターターとして運ばれてきたのがパイ生地を焼いてそれにカチョッティーナ(「カーチョ」はそもそもチーズの意)と呼ばれる地元の半硬質チーズでつくったとろけるフォンデュソース、そして名産の黒トリュフを添えたものCaramella al forno alla caciottina locale e tartufo nero。サクサク感あふれる生地とガーリックの入ったフォンデュソースのなめらかな舌ざわり、そして何ともいえないトリュフの香り。おいしいなあ、うれしいなあこれ。もったいないがお皿は瞬時にきれいになった。

さて、ウンブリアのストリンゴッツィStringozzi(テルニなどではチリオーレCiriole)という、パスタは、当地ではストレンゴッツィStrengozziになっていた。とはいうものの、味に変化があるわけではなく、やっぱりわれわれ日本人には「うどん系」パスタなのであった。ラビオリでもなく、アルデンテのいわゆるスパゲッティでもないから、もしこれを「はいどうぞ。」と日本のイタリア料理店で出されると怒る人もいるかも知れない。当店では伝統にのっとった、まさに教科書どおりのトマトソースで、スポレート風ストレンゴッツィとしてまじめに、真正面からやってきた。

メインはこれも内陸の料理で羊の背肉のローストCarre' d'agnello in crosta di pane。そもそも山がちなウンブリア州のメインディッシュは肉のローストが主流。煮込みもあるが、やはり豪快に好きな肉類を焼いたものが個人的にはおすすめだ。後述する豚をはじめ、牛、羊その他野禽類など、当地方ではあまりはずれた経験がない。この一品も、もちろん肉自体もおいしいのだが、まぶしてあるパン粉の香草類がまたさまざま。タイムやローズマリーは当然としても、ういきょうの香りや、ミント香も感じられる。

こうした料理をシェフが検討してくれた上で、ソムリエ氏が豊富な地元のワインリストの中から選んでくれたのが、なんとガメイ種のワインである。イタリアワインでガメイはなかなか出てこない。日本ではやはりフランスのボジョレーで知られる程度のものだろう。特にウンブリアで作られていることは全く知らなかった。ウンブリアのテーブルワインの中で、I.G.T=Indicazione Geografica Tipicaとして認定されている。一般的なボジョレーよりくせがあるといったらよいだろうか。これをこのメインにあわせてくれるのは、非常に気が利いている。

実は食事の前に、ジャンナさんの息子であるアンドレア・スコタッチ氏Andrea Scotacciや、彼を支えるマッシモ・ディ・マッテーオ氏Massimo Di Matteoら、キッチンのメンバー達とも話をする時間があった。皆若く、「まだまだ勉強中」と繰り返すその姿勢が、そのまま料理やひいては店全体の雰囲気に強く影響を与えていると、あらためて感じた。

翌日は町のあちこちを徘徊して回った。ウンブリアの名物に豚の丸焼き"ポルケッタ"Porchettaがある。これを豪快にどーんとおいて、いわゆる車の屋台でパニーノ(サンドイッチ)にして売っているのを州内あちこちで見かける。ここメルカート広場Piazza del Mercatoにも、やはり一台出ていた。近づいていくと、ポルケッタを売るのにぴったりの体格をしたおじさんが、一本指を黙って立てて、「ひとつ?」というジェスチャーをしたかと思うと勝手に作り始めた。なりゆきまかせの気軽なひとり旅、これをランチにしようと決めて、袋にいれてもらい、スポレートの見所の一つである城壁Roccaを歩いて回った。そうして、裏手にあるテッシーノ川をまたぐ壮大なトッリの橋Ponte delle Torriをとぼとぼと渡り、反対側の丘の最高に見晴らしのいいところを発見、腰をおろした。そよ風にゆれる木々の音と、鳥のさえずりに耳をすませるのもつかの間、いそいそと先ほどの袋をあけた。今日、世界中でも屈指の素敵なランチだという自信がみなぎり、ひとりだというのに、なんだか虚空に微笑みかけている。これでポルケッタサンドを手にしてさえいなければ、ほとんど聖フランチェスコの心境か。多少固めのパンにたっぷりとはさまれた子豚の丸焼きのスライス。キャラメル色の皮がぱりぱりと音をたてる。詰め物の香草類のほかは、はさむ時に塩をふってくれるだけだ。多少アゴの筋肉が疲れるサンドイッチではあるが、ジューシーで満足度は極めて高い。わしわしと思う存分下品に平らげた。ウンブリアは最後まで美味であった、と、もう一度満足。

折り返して戻る時、トッリの橋の上でドイツ人らしい若いバックパッカーのカップルとすれ違った。彼らがさげていた白い紙袋は見覚えがある。あの中には私と同じポルケッタのパニーノが2つ、絶対はいっていたはずだ。その後、私が発見したあの場所で、仲良く座って食べたこともまず間違いないと、これまた変な自信をもって、私はスポレートの町をおりていくのだった。

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落ち着いた雰囲気の店内

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食欲が一気に火がついた一品

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素朴な中にも上品さがある

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ウンブリアのガメイ

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ウンブリアではローストがおいしい

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トリュフ専門店もちらほら

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眺めもポルケッタも抜群だった

 
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スポレート市位置



店名 リストランテ・アポッリナーレ   Ristorante Apollinare 
住所:Via Sant'Agata 14, Spoleto
電話番号:(国番号39) 0743 223256 / Fax 0743 221885

アクセス
●電車利用
ローマRomaからユーロスター利用で約1時間15分。フィレンツェFirenzeからはユーロスターを使いオルテOrte駅で乗り換えるなどして、3時間から4時間とまちまち。

●車利用
ローマから(フィレンツェからも)高速道路A1でオルテOrteまで行き、そこから東へテルニTerni方面へ。その後国道3号線をスポレートへと北上する。

スポレートの観光業者協会サイト:www.conspoleto.com
ウンブリア州観光局:www.umbria.turismo.it



著者プロフィール

R.Tokimatsu
元ミラノ在住ビジネスアドバイザー


 




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