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イタリアワイン料理紀行バックナンバー
 
5 November 2001

第十二回 ゴンザーガ家とかぼちゃの街で


ロンバルディア州 - マントヴァ
Lombardia - Mantova



ヴェローナVeronaはヴェネト州、そのすぐ南のマントヴァMantovaはロンバルディア州で、さらにちょっと南のモデナModenaはエミリア・ロマーニャ州...といった辺り、イタリアに住み始めた当初はよく位置関係や州を間違えた。マントヴァはそういういろんな地方のはざまにあって、料理も各方面の影響を受けてきた。農産物あり川や湖の幸あり、そして古くからポー川を上って塩漬けなどになった海産物もアドリア海から届いていた。ご存知の方も多いと思うが、マントヴァといえばなんと言ってもゴンザーガ家。そしてもう一つが秋のかぼちゃZucca料理なのである。タイトルにも出しておいて申し訳ないが、ゴンザーガ家の説明は本来の目的からずれるので各自お勉強いただくとして、早速お目当てのオステリアへと直行する。

今回お供をしてくれたラウラLauraさんはちゃきちゃきのマントヴァーナ(マントヴァの女性)。彼女の以前の仕事の関係もあって日本人の知り合いが多い。筆者もひょんなことから知遇を得、一度このオステリアへ連れてきてもらったことがあったのだ。余談だが私は個人的にマントヴァの人の発音、抑揚が好きである。とても「柔らかい、ソフトな」印象がある。(もっと簡単かつ正直に言うと、要はこのラウラさんの話すイタリア語がとてもきれいで心地よいのである。)

「マントヴァは伝統的、歴史的には農業の地域です。おっとりしていて柔らかい物腰というのが特徴。でも多くのイタリアの地方都市がそうであるように、よその人に対しては一応とても親切に振舞うけれども、そこから一歩入っていくのは難しいかも知れない。」と、きっちり、はっきりと補足してくれたのがアンティーカ・オステリーア・フラゴレッタAntica Osteria Fragolettaのオーナーシェフ、ジュゼッペ・マッダレーナGiuseppe Maddalena氏である。まだ36歳と若いがオステリア経営にかける情熱は並ではないものが取材を通して伝わって来た。公私ともに良きパートナーであるチンツィア・ムラーリCinzia Murariさんとは修行時代に他店で知り合ったそうだ。いつか自分たちの店をと思いつづけ、念願かなって当店を買い取ったのが3年前。今ではマントヴァの人気店の一つだ。フラゴレッタは1700年代後半当地を訪れたヴェネツィア生まれのかの喜劇作家カルロ・ゴルドーニCarlo Goldoniが述べているように、その当時のオーナーであった女性が役者をしていたころの名前である。そういった話は受け継がれてきたわけでなく、調べて探し出してきたのもこのマッダレーナ氏だ。メニューや店内を飾る斬新なアートも全て彼の手によるもので、多才で繊細、探究心旺盛の、根は芸術家なのだなと思わせる。

本題に移ろう。夏に収穫されたかぼちゃは熟成され、10月末頃から一層おいしい時期を迎える。写真はエルベ広場Piazza delle Erbeで2トントラックにかぼちゃを満載してきてレストランに搬入していた業者をつかまえて撮らせてもらったもの。マントヴァとかぼちゃの付き合いは2000年以上とも言われているが、現在主として生産されているのは新大陸発見後あちらから流入してきたもの。ラ・マリーナ・ディ・キオッジャLa Marina di Chioggia、ラメリカーナl'Americanaと呼ばれている種である。

このかぼちゃを薄くスライスし、フライパンでバターとともにさっと色づける。それを地元のラルドlardo(塩漬けした豚の背脂)とともにカルパッチョ仕立てにしたものを前菜として用意してくれた。「ちょっとかぼちゃがアルデンテぐらいがいいと思って。」なるほど歯ごたえが適度にある。口の中で塩味のラードがあつあつのかぼちゃと一緒に溶けるのがいい。この「甘さと塩味、或いは辛味の組合せ」は次に出てきたマントヴァの定番トルテッリ・ディ・ズッカTortelli di Zuccaにもあてはまる。詰め物の中にはかぼちゃやアマレットなどとともに塩系のパルメザンチーズ、そしてモスタルダMostarda(直訳すればマスタード。以前もピアチェンツァの時に触れたが、マントヴァではモスタルダと言えば、例外なくりんごを使ってつくられたものでなくてはならない。)で、これが甘いけれども辛い。とは言えトルテッリを食べる時にはほのかな香りがする程度であるが、大事な役割を果たしている。

これは書かねばならないマントヴァのアルデンテうどん系パスタ"ビーゴリBigoli"も欲張って食べた。それは郷土の豚の頬肉と、白ワイン、ペコリーのチーズで絡めたシェフアレンジの大変上品なもので、ついでに上質なバルサミコが振りかけてある。バルサミコの甘さとチーズの塩気でこれもまた甘+辛で、絶妙のバランスで味付けしてある。ちなみにシェフによるとこの地方の甘辛の組合せは歴史的に関わりの深いオーストリア系の料理的センスが影響しているのではないか、ということらしい。

ワインは当然ランブルスコ・マントヴァーノLambrusco Mantovano。200数十種類の精魂込めたワインリストには申し訳ないが、シェフだってラウラさんだって「一日マントヴァ人したいならこれですね。」というのであるからやっぱりこれ。少し甘味があって発泡性。とにかくポー川周辺はランブルスコだらけであるが、マントヴァのそれはより丸みがあり、かつ繊細な印象がある。マントヴァ甘辛料理にはぴったりだ。

メインは馬肉の煮込みポレンタ添えStracotto di Cavallo con Polenta。馬肉はかなり煮込んだ後も中は赤く残る。フィレの近くの貴重な部位をつかったものだそうで、日本的にいうと箸でも切れそうだ。これもまた代表選手ではないかもしれないが、れっきとしたマントヴァの料理。使用されるワインはランブルスコに加え、もう少し辛めのワインを組み合わせているそうだ。そして食べ終わるや否や「ついでにこれも是非」ともってきたくれたのが今年取れたての黒トリュフTartufo Neroとアツアツのポレンタ。イタリアのトリュフというととりわけピエモンテ州のアルバAlbaやウンブリア州のものが知られているかもしれないが、マントヴァ近郊のポー側周辺も、白黒問わずそのクオリティーの高さは定評がある。トリュフそのものを持ってきてくれたが、直径4センチ前後のまん丸の形の良いものばかり。流域の土地の柔らかさを物語っている。

相当満足して店を出る。ラウラさんが言っていた。「だってまじめだもの。あの人たち。」そういう真摯な姿勢が一品一品に現れ、最終的に評価されるということだろうと思う。そういえば土曜のランチにも関わらず、マントヴァの人で一杯だった。(土曜の昼に観光客以外でどれだけ集客しているかということはイタリアのレストラン評価の一つの目安と私は考えている。)開店して3年。ただ単に郷土料理が食べられるということだけでなく、今後も益々楽しみなオステリアと思っている。

  photo1
エルベ広場の朝

  photo2
外見は"ごつい"マントヴァのかぼちゃ

  photo3
洗練された創作料理も

  photo4
相性抜群のランブルスコ
  photo5
マントヴァ自慢のトルテッリ

  photo6
馬肉の煮込みとポレンタ

  photo7
マントヴァ近郊産のトリュフ

 
photo8
マントヴァ市位置



店名 アンティーカ・オステリーア・フラゴレッタ  Antica Osteria Fragoletta 
住所:Piazza Arche 5 Mantova
電話番号:(国番号39)0376-323300
定休日:月曜

アクセス
●電車利用
ミラノのいくつかの駅から出ているディレットDirettoで2時間前後。他ヴェローナまでICなどで行って乗り換えることもできる。

●車利用
ミラノからは高速A4でヴェネツィア方面へ。ヴェローナ手前からモデナ方面へ向かうA22に入り南下、マントヴァ北Mantova Nordでおりる。 ボローニャ・フィレンツェ方面からはA1を北上し、モデナを過ぎてA22を北上。マントヴァ南Mantova Sudでおりる。

マントヴァの観光振興協会公式サイト: www.aptmantova.it

口コミマントヴァ情報: マントヴァには歴史的な建造物が溢れているのはもちろんだが、それに加えて伝説のF1ドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリTazio Nuvoraliの偉業をたたえる博物館がある(ブロレット広場Piazza Broletto 9番 Tel.+39 0376 327 929 www.tazionuvolari.it)。フェラーリFerrariとの関わりも深くF1ファンには欠かせないスポット。毎年マントヴァで開催されるクラシックカーレースGran Premio Tazio Nuvolariはブレーシャのミッレミリア同様世界中に知られる。因みに日本には同レースのアジア支部が作られており、サイトもある(www.hotweb.or.jp/m.d.c.)。



著者プロフィール

R.Tokimatsu
元ミラノ在住ビジネスアドバイザー


 




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