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イタリアワイン料理紀行バックナンバー
 
5 December 2001

第十三回 カルボナーラよ永遠なれ!


ラツィオ州 ローマ
Lazio - Roma



郷土料理、地方料理の寄せ集めがイタリア料理だと思っている。であるからして隠れた「地方の名選手」を紹介するのはこの記事の目的の一つである。しかしだからといって、イタリアンとくれば誰もが思い浮かべる代表料理をはずすつもりも全く無い。たとえば今回のカルボナーラ。これをイタリアンの殿堂メンバーの中にいれることには誰も文句は言うまい。「正確にはスパゲッティ・アッラ・カルボナーラSpaghetti alla Carbonaraです。」などと書くのが今さら小恥ずかしいぐらいだ。カルボナーラには申し訳ないが、正直なところ4年間くらいごぶさたしていた。今回久しぶりに対面し、ひたすら反省するとともに、悔やんですらいる。

ちょっと大袈裟に書き始めたが、それぐらい今回の再会が嬉しかったのである。まず、誘ってくれたH嬢の言葉が良かった。「ローマの人にとっては、なんというか暫くするとまたどうしても食べたくなってくる『ラーメン』み たいなものなんですよねえ。」「今更カルボナーラなんて...」と、多少ミラノ及び北イタリアひいきになりつつある私にもこれはかなり効いた。どうにもこうにも、ローマでカルボナーラが食べたくなってしまったのだ。で、次の日の昼にはテルミニ駅にちゃっかり現れていたというわけ。いつもは取材に必要だから食べるという形だけれども、今回は「よおし。食うぞお!」という気持ちが最初で、取材はその純粋な結果報告である。

「ではナヴォーナ広場Piazza Navona近くに人気のお店があるのでそちらで食べることにしましょう。」ローマ在住のワイン及び食の専門家であるH嬢は、これからカルボナーラを食べるというのに淡々としている。(当たり前か。)到着した店は、このコーナーでは珍しい「日本の雑誌にもいくつか出ている。」という有名店であった。ディナーでは毎晩店の前にローマっ子の行列ができるダ・フランチェスコDa Francescoだ。外観や店内の雰囲気からはおよそ人気店とは思えないあたりが、さらにくすぐるのであった。典型的なローマ料理の他に、釜戸で焼く本格的なピザを求めてやってくる人も多いそうだ。レストラン自体は100年を越す歴史があるそうだ。現在のオーナーはボーニ・ジャンカルロBoni Giancarlo氏とリッツォ・パスクアーレRizzo Pasquale氏ということだが、訪問時厨房を切り盛りしていたのはアントニエッタAntoniettaおばさんがなんと一人。昼とは言え忙しい時間帯だったが、ひとなつっこい二人のサーヴィス係りの若者との呼吸は抜群で、小気味良く料理が運ばれてくる。

多彩なローマの前菜類から好きなものを自分でチョイスする。基本的には野菜類のオーブン焼きか、マリネ類ということになるのだが、ローマのマリネというのは一般的に酸味がきつくなく、どちらかというとオリーブオイル優勢なものが多いと感じていた。個人的にすっぱいものがあまり好きでなく普段は敬遠しがちなのだがローマならOK。「いや、待てよこの味は..」と私の舌が思い出した。イタリア料理店がまだあまりなかった80年代半ば、東京は高田馬場でローマ料理を出す店に時折通っていた。「おーこれがイタリアンか!」と感動していたあの味が口の中に蘇ってきたのだった。予想外で印象的だったのが生ハム。ウンブリアの山奥のものということだが、ナイフで一枚一枚スライスしてくれるその味はは甘くて美味。パルマやサン・ダニエレなどの洗練された生ハムの巨匠とはまた違う、田舎臭さ、素朴さがなんともいえない。因みにイタリア半島にはあっちこっちにたくさんの個性豊かな生ハムがあるから、それぞればかにせずに食べてみる。それぞれに驚きがあるものだ。

さてさて。いよいよお待ちかねのカルボナーラ。それはあまりにもそっけなく運ばれてきた。きどらない店だから、というのもあるかもしれないが、見栄えは北イタリアの有名シェフがつくるご丁寧に生クリームまで入ってしまった高級カルボナーラとは似て非なるものだ。卵もいかにもごそごそっと混ぜてある感じであるし、胡椒も「とにかく一杯かけました。」という感じで、正直なところ洗練もへったくれもない。そうそう、これがカルボナーラなのだと思いつつも、「アントニエッタおばちゃんも、もう少しなんとかならないのかなあ。」と思ってしまう。追加でかけるためのペコリーノチーズPecorinoとパルメザンチーズParmigianoを摩り下ろしたものがこれまた安っぽい喫茶店風に供されるのであった。「うーん...。」

しかしその直後、まずふわっと浮き上がってきた香りできついジャブを受ける。嫌が応でも食欲がぐっとそそられる。一口食べる。濃い。パスタはかなりのアルデンテだ。そしてふんだんに使用されている豚頬肉Guanciale (いわゆる言われているところのパンチェッタPancettaでは無い。)は、あえて「豚細切れ肉」と呼ぶのにふさわしい見かけであるが、なんとも深い味がある。そしてチーズ類に胡椒。アントニエッタおばさんは、この肉を炒める時に エクストラバージンオイルを使っているが、特にこれ以外の材料は入っていない。まさにシンプルそのもの。「卵に火が入ってしまわないように。」とか、「卵黄卵白の割合は..。」とか、生クリームをいれるなどといったことは一切無しに感じる。材料それぞれの個性がそのまま直球で伝わってくる極めてわかりやすい味。H嬢の「ラーメンのような。」という言葉にしたがって話をすすめるなら、これは確か(どうも今回は"思い出"が多い。)六本木の防衛庁近くにあったラーメン専門店で出していた、少量の極めて濃いスープで至極硬い麺をチャーシューなどを乗せて食べるというあれにそっくりということを発見し個人的に感動する。なるほど、暫くたったらまた食べたくなるものというのものはなにやら材料が似ているなあ。

ワインはハウスワインの白をお願いする。写真にも写っているが、ローマ県のマリーノMarino近辺で生産されるDOCワインで、ラツィオ州の代表ワインであるフラスカーティFrascatiやその他同様、マルヴァジーア種やトレッビアーノ種が主体である。辛口から甘口までバラエティーが多いのが特徴でもあるが、今回当店で飲んだそれは丁度中間ぐらいのもので、かつフルーティーであった。ローマの食卓にはかかせない、いわゆるなじみの白だ。

ローマの機会を逃すと他で書けないので、アマトリチァーナ(アマトリーチェ風alla Amatriciana)についてもここで少し掘り下げたい。これまた疑いの無いイタリアンの殿堂メンバーだ。豚頬肉、玉葱、トマトソース、ペコリーノチーズなどでつくられるおなじみのパスタ料理。今回2日の間に3件ローマ料理専門店を訪れたのだが、どこへ行ってもブカティーニBucatini(中央に穴のあいた太目の長パスタ)か、リガトーニRigatoni(大き目の穴あきショートパスタ)かをお客に選ばせている。あまりその他のものを見なかった。そして地元のお客さんがとにかくアマトリチァーナを注文する確率の高いこと。人気のほどはカルボナーラより上のような感がある。因みにアマトリーチェAmatriceの町はかろうじてラーツィオ州(リエーティ県Rieti)の北東のはずれにあるが、その昔この地方はアブルッツォ州(アクイラ県Aquila)の一部であった。ローマの人が良く食べてすっかりローマ料理のようになってしまったわけだ。またブカティーニで食べるのが定番のように言われているが、もともとはスパゲッティーで食べるのが本当だとか。さらに言うと、なんと本来はトマトソースが入っていなかった!つまりアマトリーチェ・イン・ビアンコ(白いアマトリーチェ)である。場合によってはブカティーニ・アッラ・グリーチァBucatini alla griciaという名で残っている。

典型的なローマのセコンド・ピアットであるサルティンボッカSaltimbocca alla Romanaもかかせないもの。たたいた仔牛の肉と生ハムとフレッシュのセージの葉を乗せてバターで焼くだけのこれもまたシンプルこの上ない料理(白ワインを少々振り掛けるのをお忘れなく!)である。その名の如くおくち(=ボッカ)にサルト(=飛び込む)することは間違いなしだ。なにやらガイドブックのようになってしまったが、あらためてなぜこういう料理がイタリアンを代表する有名料理になるかはわかる気がする。素材の組合せの妙というのがあるとすれば、正にその典型なのだ。仔牛肉はともかく、生ハムや、生のセージは日本でも大分手に入るようになっているから、例えば鶏肉や豚肉で代用されてお試しになってはいかがだろうか。簡単スピード料理であり、かつまた失敗す るのが難しい。従って我が家でもパパの日曜料理メニューの中で飛びぬけた人気商品となっている。

ローマはいつも電車や車で通過することが多く、所用で訪れても観光が目的でないために時間もとれずじっくりと見て回ったのは随分と久しぶりだった。町が驚くほどきれいになったことはもちろん気づいていたが。利権の大いに絡まりあっているであろうこの巨大歴史都市がこれほど変わったのも、前ローマ市長ルテッリRutelli氏の見事な采配と、大聖年ジュビレオGiubileoに向けておこなわれたさまざまな投資によるところが大だろう。しかし、相変わらずローマらしい力強さというか人間臭さ、濃さのようなものは健在であった。「ビジネスはやっぱりミラノ」と人は言うけれど、やはり全く太刀打ちできない奥の深い力強さのようなものがある。料理だけでなく、この街も人もいつまでも変わって欲しくないと願うのであった。「ローマよ、カルボナーラよ永遠なれ!」だ。筆者ごときに頼まれなくても変わらないか。

  photo1
ナヴォーナ広場

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ローマ風前菜各種

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生ハムはウンブリアから

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ずばり、カルボナーラ
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店名入り"Marino DOC"

  photo6
チームワークは抜群

 
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ローマ市位置



店名 ダ・フランチェスコ    Da Francesco 
住所:Piazza del Fico, 29 Roma ナヴォーナ広場から徒歩3分
電話番号:(国番号39)06 6864009
定休日:火曜の昼のみ(夜はオープン)
夜は予約をするか、早い時間がお薦め。



著者プロフィール

R.Tokimatsu
元ミラノ在住ビジネスアドバイザー


 




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