JAPANITALY Travel On-line

トリノ・ピエモンテ美食案内
14 ottobre 2005

第1回 カフェの街トリノからブラ、そして白トリュフ薫るアルバへ

井川  直子




■チョコレートとカフェの街・トリノ
さて、ピエモンテの玄関口は2006年冬季オリンピックの開催地として注目されつつある、州都トリノTorino。 その昔サヴォイア家が統治した王国の首都であったことから、優美な宮廷文化とフランスの影響を色濃く残す街である。 お城や美術館だけでなく、街全体にバロックやリバティ様式の優美な建物が散りばめられている。
この美しさの中にあっても、食いしん坊のお目当てはチョコレートとカフェ。トリノのチョコレートといえば、カカオ とヘーゼルナッツを練り込んだ「ジャンドゥイヤ」。これはトリノ中どこのカフェでも、菓子店でも売っている。

トリノのカフェは、それ自体が歴史的建造物である場合が少なくないけれど、心に残ったのは夕暮れの 「Baratti&Milano」。ネオ・リバティ様式が見事な店内で、バンコ(カウンター)の上にはカクテルをイメージした 花の絵が。昔はアペリティーヴォ(食前酒)を頼むとき、この花の絵を見てオーダーした、という逸話が粋。
トリノのカフェ文化は1700年代に急速に広がったが、その頃貴族や政治家の集う社交クラブとなっていたのが「Caffe Fiorio」。 カヴール公爵のリザーブ部屋もそのまま残っている。ここではジェラートとランチをぜひ。大皿にはラディッキオの焼いたものや フリッタータ、ポテトのローストなどがずらりと並び、好きな物を指せば蝶ネクタイのカメリエーレがサーブしてくれるサービスも優雅。

本書(『麗しの郷ピエモンテ〜北イタリア 未知なる王国へ〜』) には載せられなかったけれど、1800年代創業 (当時は別の場所にあり、1907年に移転)の「Mulassano」は、革をほどこした天井の装飾がシックで重厚感のあるカフェ。イタリアで 初めてサンドイッチTramezzinoを発明したとかで、今でも種類豊富。
ほかにサン・カルロ広場に面し、イタリア国家統一運動の運動家たちが大いに議論したともいわれる「Caffe San Carlo」のゴージャスな シャンデリアも一見の価値あり。

■ブラでふらりと途中下車
トリノからアルバAlbaへのルートは何パターンかあるけれど、一番スムーズなのは電車ならブラBra駅乗り換えで約1時間20分。ここで、 ちょっと途中下車するのも面白い。
ブラはご存知、スローフード運動発祥の地。町歩きをしてサラミやチーズを見て回ったり、協会お墨付きのオステリア「Boccondivino」 や、ガストロノミー大学に隣接したリストランテ「Guido」で昼食も。

■10〜12月はアルバに美食家が集結
イタリアのみならず、世界でも白トリュフの最高級産地とされるのがピエモンテ州ランゲ・モンフェッラート地区、とくにアルバ産。 毎年10月には、アルバで「フィエラ・デル・タルトゥーフォ(トリュフ見本市)」も開催され、街のあちこちで白トリュフの芳香が漂っ ている。白トリュフだけでなく、ポルチーニなどのキノコやジビエなど秋の魅力は尽きない。

パスタはタヤリンという卵をたっぷりと使った平細麺や、肉の詰め物をしたアニョロッティ、肉ならピエモンテ牛。仔牛の生肉をたた いたカルネ・クルーダやツナソースをかけたヴィテッロ・トンナートなどが定番。変わったところでは仔牛のすねの神経を使った料理も、 ぜひ試して欲しい郷土の味。
またこの辺りは、バローロやバルバレスコに代表されるイタリアきってのワイン産地でもあり、アルバを中心とした半径30km圏内には 質の高い美食とワインが集中している。とくにこの時季は葡萄の収穫期でもあり、一年で一番活気づくシーズン。

ということで、秋に訪れたい人は早めに予約を入れないと町中のホテルもリストランテもどこも満席・満室は覚悟を。もしもレンタカー を借りるなら、個人的にはアルバからちょっと郊外に抜けたプチホテルやアグリツーリズモが断然お薦め。部屋も綺麗なうえ現地の人と 近い距離でふれ合え、街のリストランテでは味わえない家庭料理も味わえるなら最高だ。手作りのジャムやパンが素朴な朝食や、もしも 宿のご主人やその親戚がトリフラウ(トリュフ採り職人)なら至福の夕食が待っている。

■レストラン・ピックアップ
アルバの中心で白トリュフを食べるなら・・・
オステリア・デッラルコ Osteria dell'Arco (アルバ)
白トリュフはお店によって仕入れルートが違い、質の善し悪しにも差が出る。高級リストランテなら一定レベル以上のものをいただけるが、 お値段も張る。また一般に郊外の方がコストパフォーマンスは高いけれど、交通はやや不便。ということで、もしもアルバの中心街で、 質のいい白トリュフを気軽に食べたいならここがお薦め。白トリュフだけでなく、この地域の伝統料理に定評がある。
Osteria dell'Arco
住所: Piazza Savona, 5 12051 Alba (Cn) 
Tel: 0173-363974 Fax: 0173-228028 URL: http://www.osteriadellarco.it/

アクセス
■トリノへのアクセス
ミラノ・マルペンサ空港からトリノへはSADEM社のバスで約2時間、アリタリア航空利用の場合は同社のトリノ行きバスも利用可。
また欧州各都市で乗り継ぎ、トリノ・カゼッレ空港へ入ることも可能。空港からトリノ中心部へは16km。バスで約40分。
■トリノ〜アルバ間のアクセス
イタリア鉄道(FS)を利用する場合、ブラ経由、アスティ経由などかあるが、最もスムーズなのはブラで乗り換えするパターンで約1時間20分。 クルマなら2時間弱。

著者プロフィール

井川 直子(いかわ なおこ)
フリーライター。食べること、飲むこと、それに携わる人々をテーマに主に料理誌や一般誌に寄稿。著書に、イタリアで修業中のコック を取材した 『イタリアに行ってコックになる 24 stories of Japanese in Italy.』 (柴田書店)。共著で、食部門(第3・4章)を担当した『麗しの郷ピエモンテ 北イタリア 未知なる王国へ』(昭文社)。

『麗しの郷ピエモンテ〜北イタリア 未知なる王国へ〜』
発行:昭文社  著者:山岸いすず、井川直子
発行日:2005年7月1日 ページ数:144ページ
価格:1890円(税込)
本書は、風土紹介、観光案内、カルチャーガイド、レストランやワイナリー訪問を中心テーマに、州都トリノとピエモンテ全エリアをカバーする、日本初 のピエモンテガイドです。
ピエモンテ州観光促進事務局の全面協力により、全編現地取材を敢行。イタリア事情に詳しいジャーナリストの山岸みすずさん、井川直子さん両著者によ る旅情豊かな文章と、イタリア在住カメラマンによる美しい写真で、知られざるピエモンテの魅力を日本の読者にあまねく紹介します。
     
 


読み物・エッセイ
|読み物・エッセイバックナンバーへ| このページのTOPへ| HOME PAGEへ|

 
http://www.japanitalytravel.com
©  JAPANITALY.COM srl - MILANO 2000 All rights reserved.