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トリノ・ピエモンテ美食案内
15 aprile 2006

第4回 優雅なるモンフェッラートのアグリツーリズモ

井川  直子




■丘陵のワインも、田園地帯の米料理も水準の高い食文化
広い広いピエモンテ。その変化に富む食を解くキーワードは、山、丘、平野の地形にある。本当に大ざっぱに分けてしまえば、フランスやヴァッレ・ダオスタ州に接する山の地域では乳製品を使った料理に代表され、南ピエモンテの丘の地域はトリュフやワインが、そして北ピエモンテの平野に広がる水田ではお米が穫れる。
今回、注目したいのはモンフェッラートMonferrato地区。アスティからアレッサンドリアにかけて広がるこの地域は丘陵地帯であり、また北側が田園地帯にも連なるお得な(?)食文化をもつ。
ワインならなんと言ってもバルベーラを筆頭に、グリニョリーノ、フレイザなど。ピエモンテの伝統料理である赤ワインで煮たリゾットは、ネッビオーロの地域ならネッビオーロ、ドルチェットの地域はドルチェットを使うが、ここではもちろんバルベーラ。
また昔、ピエモンテから肉やワインを、リグーリアから塩やアンチョビなどを物々交換するための「塩の道」はモンフェッラートを通っている。そのためアンチョビをソースに使うピエモンテの代表的な郷土料理「バーニャ・カウダ」は、モンフェッラートが発祥の地だといわれている。

■素朴?いえいえ、洗練と美味を堪能する新しいステイの形
これまで日本ではランゲとくっつけて紹介されることが多かったこの地域が、存在感を発揮し変わりつつある。私も取材時に訪れ、当時の観光担当者の言葉と実際目の当たりにした光景に、グググッと心ときめいた。
「モンフェッラートは豊かな食があるけれど、それだけではない。洗練されたリストランテ、宿泊施設……これからどんどん新しいプレゼンテーションをしていきます。その中心となるカザーレ・モンフェラートは、モンフェラートではアスティと並ぶ大きな街。じつはミラノ、ジェノヴァ、トリノへのアクセスもいいのよ」
中でも力を入れているのが、アグリツーリズモなのだそう。
アグリツーリズモは、日本では「農家のホームステイ」と紹介されることもあるけれど、じつはプロダクト(農業生産物)をもつ経営者が有する宿泊施設。だから「素朴」というイメージを覆すような、ホテルなみに機能的なところ、上質なインテリアのところも多い。
そんなアグリツーリズモをちょっとピックアップしてみた。

■「プレジデンタ」 Agriturismo Presidenta
『麗しの郷 ピエモンテ』に掲載したリストランテ「アイ・チェードリ」が併設された「プレジデンタ」。ここは1790年に建てられた、オリヴォーラ村出身の小説家であり領主だったステファーノ・クリオーネ・グワッツォ氏の館を、現オーナーが2003年に購入。やや深い山の中にあり、静かながらとてもエレガントな佇まい。そのギャップに嬉しくなる。夜はぜひ「アイ・チェードリ」で、伝統を新しい感性でアレンジした若手シェフの皿を堪能して欲しい。
宿泊は全5部屋で、70〜100ユーロ。プロダクトはブドウとワインなので、ヴィネリアを併設。
「Agriturismo Presidenta」 Via Vittorio Veneto, 23 - 15030 Olivola (AL)
Tel +39 0142 928294(シーズン外はTel/Fax +39 0522 951088)

■「テヌータ・サン・マルティーノ」 Agriturismo Tenuta San Martino
取材時は宿泊施設がオープン直前だった、新しい1軒。モンフェッラートをパノラマに見下ろす丘の上に、ビューティーファーム、テニスコート、プール、ジムなどの施設が備わり、1年中楽しめるが、やはりぜひ夏のバカンスでのんびりと長期滞在がおすすめ。
こちらでは併設のリストランテでランチをいただいたが、陽光の降り注ぐサーラでの食事は格別で、ワインも気持ちよくすすんでしまう。前菜はバイキング式なのでちょっとずつ楽しめ、量の調整もしやすい。伝統料理だけれどヘビーではないのでたくさんどうぞ。
部屋数は20室で、80〜100ユーロ。インテリアもシンプルかつ機能的。
「Agriturismo Tenuta San Martino」 Loc. Ca Molignano, 1 - 15049 Vignale Monferrato (AL)
Tel +39 0142 930029 Fax +39 0142 930735 http://www.vinisanmartino.com/

■「テヌータ・カステッロ・ディ・ラッツァーノ」 Tenuta Castello di Razzano
アスティからクルマで30分。1600年代後半に建てられた古城のカンティーナで、本書ではワインのページで紹介したけれど、じつは取材時、宿泊施設を建設中だった。
その後2005年夏にオープンした宿泊は全8室、どれもゆったりとした広さ。うち2室のマキシスイートは120u(サロン+寝室)もある。(ダブルルーム110ユーロ、ジュニアスイート120ユーロ、マキシスイート200ユーロ)
敷地100ヘクタールのうち、ワイン畑が40ヘクタール。オリーブ畑が5ヘクタール。城内には木製のトルッキオ(葡萄を搾る機械)など古いワイン造りの道具がちょこっと並び、プチ博物館に。もちろん現役バルベーラ(これが75%)、フレイザ、グリニョリーノ、ドルチェット、ソーヴィニヨン、メルローなどを栽培し、現代的なシステムのモダンなワイン造りをしている。生産数は少ないので、ぜひここで味わって。
「Tenuta Castello di Razzano」  Via San Carlo, 2 - 15021 -Alfiano Natta(AL)
Tel +39 0141 922124/0141 922426 Fax +39 0141 922503 http://www.castellodirazzano.it/

●「テヌータ・ラ・ロマーナ」 Agriturismo Tenuta la Romana
2006年5月下旬にオープンする、新しいアグリツーリズモ情報が入ったのでお知らせを。18世紀のカシーナ(農家)を修復し、現代的に蘇らせた建物は、ニッツァ・モンフェッラートから2kmの丘の上に建つ、とてもエレガントな1軒だとか。パノラマの眺望が自慢というここは、カンティーナ巡りの拠点にするもよし、プールで泳いだり、ブドウ畑を自転車で駆け抜けたりと気ままな滞在が楽しめそう。お部屋は80〜160ユーロで、インテリアも素敵。くわしくは下記HPを参照してください。
Starda Nizza - Canelli, 59 -14049 Nizza Monferrato (AT)
Tel. +39 0141727521 Fax. +39 0141702469 http://www.tenutalaromana.it


アクセス
〈クルマの場合〉
ミラノ〜カザーレ・モンフェッラートCasale Monferrato間はA4、A26高速道路を利用して約1時間半。
ミラノ〜アスティAsti間はA7、A21高速道路で約2時間。

〈電車の場合〉
ミラノからヴェルチェッリVercelliで乗り換え、カザーレ・モンフェッラートまで約1時間20分 。
ミラノからトルトーナTortona、またはアレッサンドリアAlessandriaで乗り換え約1時間40分〜2時間弱。
(さまざまな行き方があるのでイタリア鉄道FSの検索を活用してください。 http://www.trenitalia.com/it/nazionali.shtml

著者プロフィール

井川 直子(いかわ なおこ)
フリーライター。食べること、飲むこと、それに携わる人々をテーマに主に料理誌や一般誌に寄稿。著書に、イタリアで修業中のコック を取材した 『イタリアに行ってコックになる 24 stories of Japanese in Italy.』 (柴田書店)。共著で、食部門(第3・4章)を担当した『麗しの郷ピエモンテ 北イタリア 未知なる王国へ』(昭文社)。

『麗しの郷ピエモンテ〜北イタリア 未知なる王国へ〜』
発行:昭文社  著者:山岸いすず、井川直子
発行日:2005年7月1日 ページ数:144ページ
価格:1890円(税込)
本書は、風土紹介、観光案内、カルチャーガイド、レストランやワイナリー訪問を中心テーマに、州都トリノとピエモンテ全エリアをカバーする、日本初 のピエモンテガイドです。
ピエモンテ州観光促進事務局の全面協力により、全編現地取材を敢行。イタリア事情に詳しいジャーナリストの山岸みすずさん、井川直子さん両著者によ る旅情豊かな文章と、イタリア在住カメラマンによる美しい写真で、知られざるピエモンテの魅力を日本の読者にあまねく紹介します。
     
 


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