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イタリア料理研修日記 「イタリアのドルチェビータ」

15 settembre 2004


最終回 アイデアがとまらない!!
それが永遠のテーマDolce vita につながる!?






奈良井 清美



 

シェフ チッチョはひらめきの人だ。
常にアイデアがうまれる。
こうやったらいいんじゃないか、じゃこうしようと昨日決めたことが
今日はやっぱりこうしようとか変わったり、変わりに変わっててもとに戻ることもあったり試行錯誤。
チッチョがいるときの厨房は大騒ぎだ。
ついていくまわりにとっては大変なのだけど。。
(新米の私がぜえぜえするのは言うまでもなく。。。)
しかしながら、それもこれも、よくしていこうという気持ちが強いからなのだと思う。

料理だけでなく、あるとき、いつも一皿でだしているものを何回かに小分けしてだそうとサーヴィス方法もかえてみたりもした。

リストランテというのは単に美味しいものを出すだけでなく演出も大事なんだなと思う。
効果的な演出、お客様をびっくりさせたり、感動させたり、喜ばせたりそれが大事だ。

イタリアで研修中の同期や先輩や日本からの友人が私を訪ね食事をしにきてくれた。
シチリアなのとチッチョのアイデアたっぷりの料理はもちろん店内や厨房を丁寧に案内してくれる彼らの暖かいもてなしにみんなそろって感動して帰っていった。
しまいには「まかない」を一緒に食べたり、仕込みを手伝って帰った友人もいた。

シチリア人の血なのか、彼らがそうだったのかほんとに暖かい人たちである。

リストランテといってもまだ若く、ソムリエがいるわけではないし、歴史あるリストランテと比べたらプロのサーヴィスとはまだまだいえないかもしれない。

でも、いい店だと思う。
このまま変わらなくてもいいと思う。

気持ちっていうのはとても大事だ。
働いている人の気持ちって料理にも雰囲気にもでると思う。
そしてそれが直接ではなくともお客様にも伝わっていくのだと思う。

彼らは、シチリアを、そして自分たちのお店を大事にそして誇りに思っている。
そんな彼らが大好きだ。 


チッチョの愛娘モネッラ(おてんば娘)カロラと


連載をはじめた当初はイタリアにいた私も今は帰国してこの原稿も日本で書いている。
シチリアには7ヶ月いた。
大好きなシチリアにもっといたかったけれど最後の3ヶ月はパスタフレスカ(手打ちパスタ)をみたくてエミリアロマーニャへ移動した。

大きなお庭があり、昔の貴族のお屋敷を改装したミシュランの星つきの立派なリストランテだ。
昔はそこの奥様がシェフだったのだが隠居し今はシェフを雇っていた。
シェフの口癖は「さっさと仕事を終わらせてうちに帰ろうぜ」だった。
つかっているものも高級なものが多いけれど加工品が多かった。
どうしてときいたら、「そんな手間がかかって仕事が増えるだけだよ」という。

シチリアでは、マルメラータ(ジャム)だって、クスクスだって、フォアグラだって、何から何まで手作りしていて加工品をつかうことはほとんど皆無だった。(さすがにチーズやサラミは買っていたけど)
2mほどあるカジキマグロや皮をはがれただけの子羊、子豚の解体も厨房でしていたのはやりすぎなのかもしれないけれど。

お金の問題もあるんだろうな。自分たちで加工したほうが加工費かからないし。

食材が豊富だということもあるんだろうな。
マルメラータだけでいえば、アゼローラ(姫りんご)、いちじく、サボテンの花、トマト、ジェルソ(桑の実)などなど。

カジキマグロだって一尾まるごとだから保存のためにオイル漬けにするしかないし。

いやいや、チッチョのアイデアがとまらなくて加工品を買う発想がないのかも。

フォアグラの加工もシチリア モティアの海塩やパンテネリア島のパッシートをつかったり。

魚の燻製はカルッボの木やハーブをつかったり。
同時にカチョカバッロ(チーズ)を一緒に燻製にしたり。

以前紹介した種類のパンだってアイデアからだ。

もちろん地元の特産物を紹介したいのと背景に郷土料理がある。

とにかくチッチョのアイデアはとまらない。
きっと今はまた違った料理をだしているんだろうな。
マンネリ化なんていう言葉はありえないんだろうな。

私もそんな風に生きていきたい。
もし、私がお店をもつことができたら自分たちも楽しみたい。
いつも興味を持ち続けてお客様を喜ばせたい。
彼らから学んだことは料理だけではありませんでした。

Dolce vita!

人生歌って楽しく生きよう!
生きてる証に挑戦をしつづけよう!
そして、いつも笑顔で。

ご愛読いただきましてありがとうございました。


プロフィール

奈良井 清美  
乙女座 B型
イイタリア大好き、食に関するあらゆることに興味あり。
OLを経て食いしん坊が高じてとうとう渡伊を決意。
クチーナにしかけられているあらゆる地雷をふみつつ 汗と涙の第12期FICTイタリア料理長期研修へ参加。


●● ict の料理長期研修のお知らせ ●●
日伊の様々な食文化交流を企画する ict(イーチーティー)とICTイタリア事務所が行なっているプロ向けイタリア料理研修。 毎年長期(1年間)にわたり、本格的な研修を企画しています。 始めにピエモンテ州の料理学校で学んだ後、各州を回りながらイタリア食文化の地方性を深め、最後は有名レストランでの本格的な修行です。 詳しくは、JITRAトップページ右端、CLUB APICIO のロゴから ict のサイトへリンクしてみてください。




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