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1 March 2001


第6回  〜 ヴェネツィア Venezia (1) 〜

林 直美



photo
夕暮れのカナル・グランデ(大運河)



このへんでポー平野は電車で東へつっきって、気分一新、ぱっと豪華に、水の都ヴェネツィアへ行ってみよう。 電車でヴェネツィアへ入るといえば、キャサリン・ヘップバーンKatherine Hepburn主演の「旅情Summertime」(1955)である。ハイミスのジェーン(ヘップバーン)が、一人旅でヴェネツィアに向かう。当時は日本人ではなくアメリカ人といえばカメラを抱えている、というイメージがあったのだろう、メストレ駅Mestreからサンタルチア駅Santa Luciaへ、海の上を渡りながら、「ああ、あこがれのヴェニス」とばかりにジェーンはさっそく車窓から写真を撮る。

ときに、最近の映画ではイタリア人がカメラを持っていて、ちゃんとイタリア人がイタリアで観光客をしている。お正月に日本で公開された「ベニスで恋して」(Pane e tulipani)の主人公のおっちょこちょいな主婦ロザルバ(ルチア・マリエッタLucia Maglietta)は、観光先のパエストゥムPaestum(ナポリの南)あたりからはるばる、電車ではなくヒッチハイクでヴェネツィア入りする。主婦のロードムービーか!と、思いきや、ヴェネツィアのアナーキーな花屋のもとで働きだし、コック不在のレストランの親切な給仕フェルナンド(ブルーノ・ガンツBruno Ganz)のもとに寄宿し、近所のマッサージ嬢と仲良しになり、家族からは実質的に蒸発し、主婦や妻や母などという枠からするりと抜けだして自分本位の現実をマイペースで築き上げていく。大げさなドラマなしでこういう情感豊かな映画がちゃんととれるこのソルディーニSoldiniという監督がちょっと好きになった。

ともあれ、「旅情」に話をもどそう。ハイミスの一人旅は、ヴェネツィアのような派手な町ではとくに、手持ちぶさたで物足りない。まわりはみんなカップルである。そこへ、ほど良くいかす中年の骨董屋レナート(ロッサーノ・ブラッツィRossano Brazzi)と出会う。ソフトで女性の扱いになれたレナートは当然妻子持ちで、当然妻と別居しており、当然ジェーンにアプローチし、当然ジェーンはくらくらっとしてしまうところはいかにもであるが…いかにもなストーリー展開もなんのその、どこまでも人工的にゴージャスな町ヴェネツィアの舞台装置は、そんなおもちゃのような恋にもちゃんとお膳立てをしてくれるかのごとくである。

そのジェーンがまたまたカメラを取り出すのが、レナートの店の前に再び現れる時である。サン・バルナバ広場Piazza San Barnabaにある運河沿いのこの店は、実際そこにちゃんとある。ただし、映画ではショーウインドーに、ジェーンが買った赤いグラスが並んでいたが、数年前には木彫りの天使の壁掛けなんかが並んでいた。映画ではレナートはその店の二階から現れたはずだが、のぞいてみても二階はないので、ちょっといかす中年がネクタイを直しながら降りてくるかもなんて、期待してはいけない。とにかくジェーンはそこで、レナートの店の写真をとらなければと、カメラをのぞいてあとずさり…しすぎて、運河にボチャン。

カメラをのぞく観光客は、ヴェネツィアではずぶぬれになる運命だとは言わないが、実は一度、サンマルコ広場Piazza San Marcoからすぐの水際で、同じパターンで水に落ちた女性をほんとうに目撃したことがある。夏ならまだしも、今はまだ寒いので、みなさんどうぞお気をつけて。


<お知らせ>

今月は、ベルガモ映画祭です。(3月17〜25日。 詳しくは、www.alasca.it/bfm。)
映画ファンのみなさん、ミラノに着いたら、電車で1時間ほどですから、ベルガモにも足をのばしてみては?


著者プロフィール

林 直美(はやし なおみ)
大阪市出身。東京大学南欧文学科博士課程修了。フレーベル館から児童書の翻訳(伊・英・仏語)多数。ピエモンテ州ゲンメGhemme在住。


 





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