
過去の経験について相手にたずねたり、自分のことを言ったりする表現を覚えましょう。外国語の会話を学ぶにはいろいろな段階がありますが、少し親しくなった相手と話す場合、自分のこれまでの経験についていろいろ言えるようになるとコミュニケーションの幅がぐっと広がります。イタリア語ではふつう「近過去」と呼ばれる時制を使いますが、これは過去のことがらを表現するためのもっとも基本的な形です。文型をしっかり覚えてください。
キーフレーズ
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Hai mai mangiato questo piatto? 君はこの料理を食べたことがある?
アイ マイ マンジャート クェスト ピアット
Ho mangiato questo dolce una volta. 私は1度このお菓子を食べたことがある。
オ マンジャート クェスト ドルチェ ウーナ ヴォルタ
Non ho mai mangiato questo formaggio. 私はこのチーズを食べたことがない。
ノノ マイ マンジャート クェスト フォルマッジョ
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●こんな場面で
1)食べ物や飲み物について話す
食べ物や飲み物について、互いの経験を話し合うことはよくあります。特にイタリアは地方の食文化がたいへん豊かですから、この表現を覚えておけば、食事をしながらめずらしい食べ物、飲み物について話がはずむことでしょう。「〜したことがある」というには、近過去の形を使いますが、その基本的文型は<動詞avereの現在形+過去分詞>です。また、相手にたずねる場合には
mai(これまでに、今までに)という語を使います。答える場合は、una volta(1度)、due volte (2度)...といった表現も覚えておくと便利です。
Hai mai mangiato le orecchiette? 君はオレッキエッテを食べたことがある?
アイ マイ マンジャート レ オレッキエッテ
Hai mai assaggiato la cassata? 君はカッサータを食べてみたことがある?
アイ マイ アッサッジャート ラ カッサータ
Ho mangiato la cucina sarda tre volte. 私は3度サルデニア料理を食べたことがある。
オ マンジャート ラ クチーナ サルダ トレ ヴォルテ
Non ho mai bevuto la grappa. 私はグラッパを飲んだことがない。
ノノ マイ ベヴート ラ グラッパ
2)趣味について話す
美術、音楽、映画、読書などについて話す場合にも、この表現を知っておくと便利です。vedere(見る)、visitare(訪れる)、leggere(読む)、sentire(聞く)など、過去の経験を言うときに使うおもな動詞については、近過去の形をしっかり覚えておきましょう。
Hai mai visto un' opera lirica? 君はオペラを見たことがある?
アイ マイ ヴィスト ウノーペラ リリカ
Hai mai visitato la Galleria degli Uffizi? 君はウッフィーツィ美術館を訪れたことがある?
アイ マイ ヴィズィタート ラ ガッレリーア デッリ ウッフィーツィ
Ho visto il film di Moretti tante volte. 私は何度もモレッティ監督の映画を見た。
オ ヴィスト イル フィルム ディ モレッティ タンテ ヴォルテ
Non ho mai letto un romanzo di Calvino. 私はカルヴィーノの小説を読んだことがない。
ノノ マイ レット ウン ロマンゾ ディ カルヴィーノ
講師プロフィール
高田和文(たかだ かずふみ)
静岡文化芸術大学教授。NHKラジオ・イタリア語講座講師。著書に「話すためのイタリア語」(白水社)、「NHKスタンダード40イタリ
ア語」(NHK出版)など。 |
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