●プッチーニの生家 Casa Natale di G.Puccini
Via di Poggio Corte S.Lorenzo Tel:0583 584028 月曜日休館
ジャコモ・プッチーニは、代々音楽家の家系に生まれ、彼自身は音楽家として5代目に当たる。彼の父親ミケーレは、ルッカのドゥーモのオルガ二スト兼聖歌隊長も務め、作曲家でもあった。母アルビーナもルッカの音楽学院の校長フォルトゥナート・マージを兄に持つ音楽家一族の出身だった。3階建ての2階全部が、プッチーニ家の住まいで、ジャコモは、7人兄弟の5番目、22歳で現在のボッケリー二音楽院を卒業する22歳までこの家に住んでいた。内部には、マダム・バタフライ、トスカなどの初演当時のポスター、自筆の楽譜、プッチーニが「トゥーランドット」を作曲した時使用したグランドピアノ、プッチーニ家代々の人々の肖像画、手紙などが展示されている。またすぐ近くの広場にプッチーニの坐像がある。
●ドゥオーモ Duomo
11世紀から13世紀にかけて建設されたロマネスク様式の建築で聖マルチヌスを奉る。
14、15世紀に内部は改築され、現在の形になった。ジャコモ・プッチーニの曽祖父、祖父、父などが3代に渡り、オルガ二ストを務めていた。2つの素晴らしいオルガンがあり、その一つは1373年に設置されたもの。内部は、多くの画家達による宗教画、彫刻などで装飾されているが、その中では右側廊第3壇にあるドメニコ・ギルランダイオとその弟子達による「聖母と諸聖人」、ティントレットの「最後の晩餐」などの名画がある。また、ヤコポ・ダ・クエルチャの代表作「イラリア・デル・カレット」の墓碑がある。これは1408年に製作されたもので、横たわる女性はルッカの君主パオロ・グイニージの早逝した妻で、大理石を使った最高の傑作といわれている。
●サン・ミケーレ・インフォロ教会 San Michele in Foro
ピサ・ルッカスタイルのロマネスク様式の教会で、プッチーニの生家の近くにある。幼少の頃プッチーニはこの教会の聖歌隊の一員だった。1143年に着工され、14世紀まで建設が続いた。大理石製象眼細工の豪華な装飾を持つ4層の小開廊が、高いファサードを飾る。建物の頂上には大天使ミカエルの巨大な像がある。内部にはアンドレア・デッラ・ロッビアのテラコッタ製の「聖母子」「聖ルチ―ア」などがある。
●サン・フランチェスコ教会 San Francesco
1228年に起源をもつ教会で、17世紀に破壊され、20世紀の前半に再建された。内部にはフィレンツェ派の画家達によるフレスコ画が描かれている。左壁面には、ルッカの音楽家プッチーニの生誕100年の記念碑、ヴァイオリン二ストのジェミニアーニ、ルイジ・ボッケリー二の追悼碑などが嵌め込まれている。
●ボッケリー二の家 Casa Natale di L.Boccherini
Via Fillungo
チェロの歴史に大きく貢献し、幾多の名曲を残したルイジ・ボッケリー二Luigi Boccherini
は、ウィーン、パリ、マドリッドなどで活躍した。彼の生家には彼の小さなブロンズ像と碑が掲げられている。下には金細工の店がある。
●カタラー二の家 Casa Natale di Catalani
Via San Giorgio
壁面に「1854年6月19日にカタラー二が生まれた」と記されている碑が掲げられている。
ウェーバーやワーグナーに心酔していたカタラー二は超自然的なかなわぬ恋に憧れ、「ラ・ワリー」「ローレライ」などの美しい作品を作曲した。彼の作曲したオペラ「エドメネア」の初演は1886年にカタラー二の熱心な信捧者であったトスカー二が、イタリアデビューの時に指揮した。
♪ トゥレ・デル・ラーゴのプッチー二音楽祭 ♪
1930年にジョヴァッキーノ・フォルザーノがプッチーニの偉業をたたえて始まった音楽祭で、最初に上演されたのは「ラ・ボエーム」で、指揮はピエトロ・マスカン二だった。その後戦争で一時中断したが、1949年から毎年開催され、今年2003年は49回目になる。ティト・ゴッビは、ここで「トスカ」に出演している。マリオ・デル・モナコ、パバロッティ、ドミゴなど名歌手も出演している。今年のプログラムが発表されているので紹介します。
7/25,8/02,09,14,17,21「ラ・ボエーム」、7/26,8/03,07「マダムバタフライ」7/27,8/01,10,23
「トゥーランドット」、8/08,16,22「マノン・レスコー」などがある。
◇インフォメーション
49 Festival Puccini
Piazzale Belvedere,4 55048 Torre del Lago Puccini(Lu)
Tel:(39)0584 350567 359322 Fax:(39)0584 350277
インターネット:www.puccinifestival.it
E-mail:info@puccinifestival.it
●プッチーニ邸 Villa Puccini 55048 Torre del Lago Puccini Tel:0584 341445
ルッカから約20キロの場所にマサチュッリコ湖があり、そこにプッチーニが、1884年から住んだ大きな家がある。内部は博物館になっていて、彼の使用したピアノ、交友のあったレハール、マラーなど音楽家の肖像画、プッチーニのデスマスク、手紙など。彼が猟で取った鴨などの剥製などがある銃の部屋、夫妻と息子アントニオの霊廟などがある。家の外壁にはプッチーニの死後5週間目に建てられた石碑があり、そこには「我らトゥレ・デル・ラーゴの住民は、作曲家ジャコモ・プッチーニ氏が住んだ家に敬意を、表してここに石碑を掲げる」と記されている。また家の外にはプッチーニの彫刻が立っている。
●ヴィアレッジョのプッチーニの家
プッチーニは、1921年末トゥレ・デル・ラーゴのヴィラ近くに出来た工場の騒音と悪臭から逃れる為にヴィアレッジョに移転する。この家は古代ギリシャの仮面と竪琴を表すレリーフが施されている美しい家で彼は大変お気に入りだったという。プッチーニは遺作のオペラ「トゥーランドット」をトゥレ・デル・ラーゴの家で、第2幕まで書き進んでいたが、この新しい家で残りを書いた。しかし第3幕の「リュの死」まで書いたところで、旅先のブリュッセルで喉頭にできた腫瘍のため1924年没した。