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読み物・エッセイ  イタリア 音楽の旅
 
15 luglio 2004

■2004年夏の音楽祭特集(2)■



牧野 宣彦






今回は、第一回で掲載できなかった夏の音楽祭の案内をします。

1. ぺーザロ Pesaro

ペーザロのあるイタリア東岸のアドリア海沿いにはリミニ、リッチオーネなどのリゾート地が続いている。夏はペーザロも多くの海水浴客で賑わうが、1792年ここでジョアキ―ノ・ロッシー二が生まれている。そして彼に因んで始まったのがロッシーニ音楽祭で、開始は1980年。最近ではイタリア夏の音楽祭の中で最も水準が高いといわれている。去年の「セミラミーデ」は、バルチェローナの歌は素晴らしかったが、演出は現代的で私の好きな演出ではなかった。「オリィー伯爵」も今までの常識を破る演出だったが、ボンファデッリの輝くような容姿と歌が忘れられない。また、「スタバトマーテルStabat Matel」も迫力ある演奏だった。

今年の開幕は8月6日から8月20日まで。ペーザロでは3つのオペラが上演される。
今年の最大の目玉はパラフェスティバルで上演されるタンクレーディ。数年前はバルチェローナが歌い、最高の名演だったが、今度はピッツィがパラフェスティバルの舞台でどんな演出をするかが見ものだ。他に「マティルデ・ディ・シャブランMatilde di Shabran」、「エリザベッタ、イギリス女王Elisabetta,Regina D'Inghilterra」などの公演がある。他にブッファや若い演奏家の上演、コンサートなどがある。

※ホテル、レストラン、音楽史跡などは2004年4月15日号の音楽案内を参照にして下さい。

●日程表(括弧内は公演場所)
-タンクレーディTancredi 8/6,9,12,15,18 (Palafestival)開始時間:20:00
-エリザベッタ、イギリス女王 Elisabetta,Regina D'Inghilterra 8/7,10,13,16,19 (Auditorium Pedorotti) 開始時間:20:00
-マティルデ・ディ・シャブラン Matilde di Shabran 8/8,11,14,17,20 (Teatro Rossini) 開始時間:20:00
-ファルサの世界 Il Mondo Delle Farse Adelina 8/7,10(Teatro Sperimentale) 開始時間:12:00
-ランスの旅 Il viaggio a Reims 8/11,14 (Plafestival) 開始時間:11:00
-IL Vero Omaggio 8/18 (Teatro Rossini) 開始時間:17:00
-Pettite Messe Solennelle 8/9 (Teatro Rossini) 開始時間:17:00

●チケットオフィス
Via Rossini,24 1-61100 Pesaro
電話:(国番号39)0721 3800294 Fax:0721 3800220
E-mail:boxoffice@rossinioperafestival.it
HP:www.rossinioperafestival.it


2. マチェラータ Macerata

マルケ州の県都であるマチェラータは、中世の面影を色濃く残している。ここでは毎夏、19世紀に建設されたスフェルステリオ球技場Sferisterio で1921年ごろから音楽祭が開催されている。今年はジャック・オフェンバック作曲「ホフマン物語Les Contes Hoffmann」、演出はピエール・ルイジ・ピッツィPier Luigi Pizzi、主役のステッラを若手の有望株ランカトーレが歌う。その他、ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ、ルッジェロ・ライモンディなどが出演する。リッカルド・ザンドナーイの作曲した「フランチェスカ・ダ・リミニFrancesca da Rimini」は1914年に初演されたザンドナーイの最高傑作。ダンテの「神曲、地獄篇の第5歌」に基づき、ガブリエーレ・ダヌンツィオの同名の悲劇を脚色した台本によっている。舞台は12世紀のラヴェンナとグダラーラ。この街にはオペラに登場するマラテスタ城が現存している。ペーザロに近いカトリカからバスだと20分位で行ける。登場人物が住んでいたといわれる部屋などがあり、興味深い。指揮はマウリッツィオ・バルバチーニ、デッシー、ファビオ・アルミリアート、アルベルト・マストロ・マリアーノなどが出演する。もう一つはヴェルディのジェノヴァを舞台とした「シモン・ボッカネグラSimon Boccanegra」、指揮はカルロ・パレスキ、主役のシモンをカルロ・グエルフィが歌う。演出はベッペ・デ・トマジ。

●日程表
-ホフマン物語 Les Contes Hoffmann 7/17,25 8/5,8
-フランチェスカ・ダ・リミニ Francesca da Rimini 7/24 8/1,6,13
-シモン・ボッカネグラ Simon Boccanegra 7/31 8/4,7,12,14
※開始時間はどれも21:30

●チケットオフィス  
Biglietteria dei teatri
Piazza Mazzini.10 -62100 Macerata
電話:(国番号39)0733 230735 233508 Fax:0733 261570
E-mail:info@macerataopera.org
HP:http://www.macerataopera.org


3. トッレ・デル・ラーゴ・プッチーニ Torre del Lago Puccini

プッチーニが1884年から住んでいたトッレ・デル・ラーゴ・プッチー二で毎年開催されるプッチーニ音楽祭も今年で50回目を迎え、7月23日から8月21日まで約1ヶ月開催される。

ここは交通の便は良くないが、近くにはトスカーナ最大の海のリゾートヴィアレッジョや斜塔で有名なピサ、プッチーニの生家のあるルッカなど歴史に彩られた素晴らしい街が点在している。オペラはプッチーニが狩猟をしていたマサチュウコリ湖の畔の野外劇場で上演される。劇場は最近改装され立派になったという。観劇される方は、蚊が出るかもしれないので半袖でなく長袖のシャツを着ることをお薦めします。

プッチーニ作曲「マダマバタフライMadama Butterfly」は1904年2月17日にスカラ座で初演されたが、大失敗に終わった。しかしプッチーニはすぐそれを改定し、ブレシアでその年の5月28日に上演し、大成功を収める。そして現在のように傑作と認められるようになる。今年はその「マダマバタフライ」上演100周年に当たり、世界各地でこのオペラの上演が行われている。プッチーニが住んでいた地元トッレ・デル・ラーゴではブレシアで最初に成功した5月28日の日を記念して、プラシド・ドミンゴの指揮、蝶々さんをダニエラ・デッシー、ピンカートンをファビオ・アルミリアート、シャープレスをホアン・ポンズという素晴らしいキャストで「マダマバタフライ」が上演された。

今年の夏の演目はアルベルト・ヴェロネージ指揮「マダマバタフライ Madama Butterfly」、カリー・リン・ウィルソン指揮「トゥーランドットTurandot」、タイトルロールはマリア・ドラゴーニ、ステヴェン・メルクリオとヤチェック・カスプスツク指揮の「トスカTosca」などがある。「トスカ」では盲目のテノール歌手アンドレア・ボッティチェリがカヴァラドッシを、7/24,30に歌う。

●日程表
-マダマ・バタフライ Madama Butterfly 7/23 8/1,7,13,20
-トスカ Tosca 7/24,30 8/3,11  
-トゥーランドット Turandot 7/31 8/8,14,21
※開始時間はどれも21:15

●チケットオフィス  
Biglietteria Festival Puccini
Viale Puccini 257/A Torre del Lago Puccini(Lucca)
電話:(国番号39)0584 359322 Fax:0584 350277
E-mail:ticketofficepuccini@tiscalinet.it
HP:www.puccinifestival.it



4. モンテプルチアーノ  Montepulciano

トスカーナの有名ワインのひとつヴィーノ・ノーヴィレ・モンテプルチアーノVino Nobile Montepulcianoは、名前の通り芳醇な味わいと高貴な香りで知られる最高のワインだ。街はオルチア川とヴァルデキアーナ渓谷に挟まれた小高い丘の上にある。ルネッサンスの詩人であり、人文学者であったアニョーロ・アンブロジー二Agnolo Ambroginiは、ポリツィアーノPolizianoという愛称で呼ばれた。それはラテン語ではこの地がモンス・ポリティアヌスMons Politianusと呼ばれていたからだった。

この中世のたたずまいの残る町で開催される国際芸術工房Cantiere Internazional D'Arteは今年で29回目を迎え、7月30日から8月8日まで開催される。去年はベッリーニの「夢遊病の女」、モーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」などが上演された。

今年も偉大な詩人ポリツィアーノPoliziano の名前を持つテアトロ・ポリツィアーノTeatro Polizianoなどの場所で、ジャン・コクトーの詩によるプーランクの一幕のオペラ「人の声La Voix Humaine」、プッチーニの「外套 Il Tabarro」などがある。他にコンチェルトやバレエなど沢山の公演がある。関心のある人はホームページで詳細をご覧下さい。


●日程表(括弧内は公演場所)
プーランク作曲オペラ「人の声 La Voix Humanie」
プッチーニ作曲「外套 Il Tabarro」
7/30 21:15, 8/1 17:30, 8/2 21:00 (Teatro Poliziano)

ブリティン作曲「カンタータ Saint Nicholas」
7/31 17:00 (Chiesa di Sant'Agostino)
8/2 17:00 (Chiesa del Sacro Cuore,Montepulciano Stazione)

●チケットオフィス
Piazza Grande,7 Montepulciano
電話:(国番号39)0578 712228 Fax:0578 758307
E-mail:istruzioneculturasociale@comune.montepulciano.si.it
comunicazione@comune.montepulciano.si.it
HP:http://nautilus-mp.com/cantiere




著者プロフィール

牧野宣彦(まきののぶひこ)


早大卒。1974年、旅行会社にて日本初のニューイヤー、スカラ座オペラツァーを企画。その後コンピュータ会社を経て、1998年よりイタリアに住み、現在ボローニャ在住。フリーのトラベルライターとして、イタリアの旅行、音楽、グルメ関係の執筆、写真撮影を行う。
著書
「イタリアのべストラン」(透土社):トスカーナとイタリアのベストレストラン、ワイナリーなどを紹介。イタリア料理の人気の秘密をフランス料理と比較して解説。「イタリア歴史的ホテル・レストラン・カフェ」(三修社):イタリア各地の歴史的な面白い場所を203箇所紹介。イタリアで一番面白いガイドブック。「イタリアオペラツァー」(あんず堂):イタリア30都市でのオペラ体験紀行。音楽史跡、劇場、博物館、オペラを聞くために便利なホテル、レストランなど面白い情報を紹介。

 





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