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私のローマとっておき散歩道
 
15 ottobre 2004


第1回:トラステヴェレ地区
Trastevere〜Piazza Santa Maria in Trastevere, Gianicolo〜


写真・文:平松 玲




2回続く携帯電話の着信音で、目が覚めた。日曜日の朝は、この音が目覚まし代わりとなったこのごろ。同じパラッツォ(アパートの建物)に住む友人の誰かが朝食に誘ってくれたらしい。眠い目を擦りながら、メッセージを確認すると案の定、階下に住む産婦人科医のマリアだった。「Caffe'?(コーヒー?)」。簡単なメーセージでも行き先がわかってしまうのは、日曜日は、ちょっと贅沢にテラスのあるバールで、座って朝食をとる習慣になっているからだ。

イタリアに来た当初、友人達が、カウンター越しに立ってコーヒーを飲みたがるから、「何だか落ち着かないなあ」と戸惑ったものだが、一杯1ユーロ前後の値段が、椅子に座っただけで倍に跳ね上がってしまうのだから、無理もない。私もご多分に漏れずで、椅子に座るのは、ゆっくりできる週末だけにしている。
慌てて身支度をすると迷わず、サンタマリア・イン・トラステヴェレ広場Piazza S. Maria in Trastevereへ向かった。
「チャオ。コメ スタイ?(調子はどう?)」
「グラツェ。ベネ。(ありがとう。いいわよ)」
お決まりの挨拶をして、カプチーノとコルネット・コン・マルメラータ(ジャム入りクロアッサン)をオーダーする。
「お天気も良いし、ピッポと一緒にジャニコロの丘まで散歩しましょうよ」
マリアの隣りに居た白黒もようのボーダーコリーが、上目づかいに私を促した。
「そうね。午前中は、お散歩といきましょう。ピッポにも頼まれちゃったことだし」


私たちの住むトラステヴェレは、散歩するのにご機嫌な通りがたくさんある。石畳の横町を入ると季節の花々が咲き乱れていたり、露天市場の活気ある声が聞こえてきたり。
そして、商店街を抜けて、坂道を10分も登ればローマの旧市街を一望に見渡せるジャニコロの丘Monte Gianicoloへと繋がる。
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ広場から日用品やスーパー、肉屋などの小さな商店が並ぶ、サン・フランチェスコ・ア・リパ通りVia S. Francesco a Ripaを抜ける前に、バール、サンカリストで、ジェラートを一つオーダーした。朝食の後にジェラートを食べる事なんてまずないが、ジェラート好きのピッポが散歩仲間ときては、買わずにいられない。見た目はぱっとしないこのバールだが、ジェラートだけは、この辺りで一番だ。

2人と一匹、ジェラートを分け合いながら、商店街を抜けるとルチアーノ・マナラ通りVia Luciano Manaraから角の郵便局を右手に過ごして、プリジオーネの泉が正面に見えるガリバルディ通りVia Garibaldiへ抜ける。そうして、さらに右へ坂道を折れるとジャニコロの丘は、すぐ上。丘へ上がる道は幾つもあるのだが、私たちは鉄の門扉をくぐってサン・ピエトロ・イン・モントリオ広場Piazza S. Pietro in Montorioにあるスペインアカデミーの前を通ることが多い。そうすれば、丘に着く前に巨大な半円形の水槽に水をたたえるアクア・パオラの泉を見る事ができるからだ。それに、泉の下には、ピッポの好きな芝生の広場が二つあり、ここで一遊びするのがお決まりのコースとなっている。
急な坂道に息をきらしながら泉に着くと、右手にヴェネツィア広場Piazza Venezia、左手にサンタンジェロ城Castello S. Angelo、何度見てもあきることのない、ローマ旧市街の壮大な景色が広がっていた。

写真 
トップ:週末の朝食は、サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ広場のバールで
本文上:庶民の暮らしがのぞくチェドロ小路
本文左下:サン・ピエトロ・イン・モントリオ通り、赤煉瓦の塀にはフレスコ画が
本文右下:ジャニコロの丘からの景観

 

■トラステヴェレまでのアクセス

ローマ・テルミニ駅の前のバス始発広場から:
ナンバーHが、トラステヴェレの入り口、ソンニーノ広場Piazza Sonnino前に停まります。そこからルンガレッタ通りVia della Lungarettaをまっすぐ入るとサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ広場へ着きます。その後は、私のとっておき散歩道へ。
また、ナンバー64もしくは、40番に乗って、トッレ・アルジェンティーナTorre Argentinaで降りて、そこからトラム8番に乗りかえ、やはりソンニーノ広場前で降りる方法もあります。トラムに乗ってみたい方は、こちらをどうぞ。


著者プロフィール  

平松 玲
1958年生まれ
27才の時、写真家のアシスタントに。料理写真家、小川勝彦氏に師事。その後、スタジオ テラを経て1991年に独立。1995年に渡伊。フィレンツェ、シチリア島に住み、食や島民の生活を撮り続ける。現在は、ローマ在住。数多くの雑誌でイタリア取材、撮影に携わる。
1999年 写真展シチリアの光 開催(スタジオ赤坂回廊記念)
主な書籍:
「ワイン上手で行こう」(写真担当、主婦と生活社)
「スローフード宣言」イタリア取材(写真担当、木楽舎)
「ローマでお昼ごはん」(写真と文、阪急コミュニケーションズ)

HPアドレスは、www.reihiramatsu.com
メールアドレスは、info@reihiramatsu.com


『ローマでお昼ごはん』              
阪急コミュニケーションズ発行
定価:1890円(税込)、ページ数:192ページ
発行日:2004年4月27日
ローマの郷土料理といえば、トリッパ(仔牛の胃袋)やアバッキオ(仔羊肉)、ユダヤ料理が発祥のカルチョーフォ・フリットにアマトリチャーナ。
ローマ料理に飽きたら、イタリア各地方の名物料理を出すトラットリアへ。
食べたいものを食べたいだけ。無理せず、おいしく、をモットーに。
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