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私のローマとっておき散歩道
 
15 dicembre 2004


第2回:テスタッチョ地区
〜Testaccio〜


写真・文:平松 玲




イタリア語と一口に言っても、各地様々。日本語と同様に、方言がある。例えば、ローマ人は、気が短いわけでもないのに、動詞を最後まで発音しない。動詞のアンダーレ(歩く)をアンダーなどと省略してしまうのは、一時に少しでも多くしゃべりたいからだろうか。けだし、ローマの人は、話し好きである。そんなローマ弁が、最も極められている場所と言えば、庶民地区のテスタッチョ。市街の南西に位置し、パオロ パゾリーニの映画、「マンマ ローマ」やルキーノ ヴィスコンティの「ベリッシマ」に見た、古き良きローマ人魂が今なお残っている。また、ローマ料理の発祥の地としても知られている。1800年代、まだこの地域にと殺場があったころ、売り先のない臓物を労働者たちに、賃金の代わりに配給したことがきっかけで、牛胃を煮込んだトリッパや小腸料理のパイアータなどローマを代表する料理が誕生した。

写真トップ:市場の裏で購入済みの魚をさばいている人達
左下:オール1ユーロ、2ユーロというのが嬉しい
右下:買い物途中の立ち話

テヴェレ川の側道、ルンゴテヴェレLungotevereから地下鉄のピラミデPiramide駅に向かう道、マルモラータ通りVia Marmorataへ向かい、ジョバンニ バッティスタ ボドーニ通りVia Giovanni Battista Bodoniへ右に曲がると、広場の中央に活気溢れる市場が見えてくる。生鮮食料品から家庭用品まで売っているテスタッチョ市場だが、何と言っても安いのが嬉しい。インフレで喘ぐ庶民を喜ばせるように、全て1ユーロなどと書かれた張り紙が、でかでかと張られている。魚屋の裏では、威勢の良いおじさんたちが、魚をさばいていたり、また、八百屋の軒先では、季節の野菜を購入しやすいように、まとめていたり。「その袋詰めの野菜、半分だけ頂戴な」なんてことも通用する庶民の台所。

左下:季節の野菜を使いやすいように束ねている
右下:新鮮な野菜に目を奪われる(市場内)



市場を一通り覗いたら、マストロ ジョルジョ通りVia Mastro Giorgioとアレッサンドロ ヴォルタ通りVia Alessandro Voltaの角にあるレストラン フェリーチェへ向かうことにする。殺風景な店構えに、始めはとまどったものの、この店のカッチョ エ ペペ(羊のチーズと黒こしょうのパスタ)を食べてからというもの、大ファンになってしまった。茹で上げた手打ち麺にチーズと胡椒をかけただけのシンプルな料理だが、皿の底に溜まるスープと混ぜ合わせると、実にのどごしが良く、風味豊かなペコリーノチーズにぴりっとした黒胡椒がアクセントになり、大盛りでもペロリと平らげてしまうから不思議。味の秘密は、ひたひたスープにあること間違いなし。


左下:レストラン、フェリーチェ。ロベルトベニーニが来ていた
右下:食品店、ヴォルペッティは、品揃えが豊富

さて、お腹もふくれたところで、もう少し、散歩をと思うなら、ガルヴァーニ通りVia Galvaniを右に曲がり、ポプラ並木を通って、旧と殺場まで行ってみるのも良し、夕飯の買い物をしながら帰途につくのも良し。アレッサンドロ ヴォルタ通りには、2軒の興味深い店がある。ワインショップのベルナベイと食品店のヴォルペッティ。店構えは小さくても、なかなか品揃えの良いベルナベイで、赤ワインのモンテプルチアーノを一本、その先のヴォルペッティで、プロシュートクルード(生ハム)と水牛のチーズ、モツアレッラ ディ ブッファロを買って、意気揚々と家に向かった。

 

■テスタッチョ地区までのアクセス


地下鉄B線のピラミデ駅下車が便利です。テスタッチョ市場までは、徒歩でマルモ
ラータ通りを目指して約15分ぐらいです。


著者プロフィール  

平松 玲
1958年生まれ
27才の時、写真家のアシスタントに。料理写真家、小川勝彦氏に師事。その後、スタジオ テラを経て1991年に独立。1995年に渡伊。フィレンツェ、シチリア島に住み、食や島民の生活を撮り続ける。現在は、ローマ在住。数多くの雑誌でイタリア取材、撮影に携わる。
1999年 写真展シチリアの光 開催(スタジオ赤坂回廊記念)
主な書籍:
「ワイン上手で行こう」(写真担当、主婦と生活社)
「スローフード宣言」イタリア取材(写真担当、木楽舎)
「ローマでお昼ごはん」(写真と文、阪急コミュニケーションズ)

HPアドレスは、www.reihiramatsu.com
メールアドレスは、info@reihiramatsu.com


『ローマでお昼ごはん』              
阪急コミュニケーションズ発行
定価:1890円(税込)、ページ数:192ページ
発行日:2004年4月27日
ローマの郷土料理といえば、トリッパ(仔牛の胃袋)やアバッキオ(仔羊肉)、ユダヤ料理が発祥のカルチョーフォ・フリットにアマトリチャーナ。
ローマ料理に飽きたら、イタリア各地方の名物料理を出すトラットリアへ。
食べたいものを食べたいだけ。無理せず、おいしく、をモットーに。
食べすぎにはくれぐれもご注意を。

気軽な「居酒屋ごはん」からセレブ御用達のリストランテまで、
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